【一眼レフ】寒い場所ではじめてのオーロラ撮影が失敗しないように何をしたか 【現実篇】

この記事を読むにあたっては【準備篇】を読んでおくと話がわかりやすいとおもいます。
準備篇で書いたの前提条件で話が続くからでございます。

とは言え中々の長文ですので準備篇をざっくりまとめると

・現地を調査してそれに見合う防寒具対策をした
・寒さと暗さに対応した機材を見繕った
・撮影計画をたてた

以上になります。
詳細が気になる場合は記事を読んでみてください。

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オーロラ撮影をするチャンスは3日ありました。ここからは1日目〜3日目までの時間経過ごとでお話を進めていきたいと思います。最後にはまとめとして感想を書いておきます。お読みいただけたら幸いでございます。

1日目

2月某日22時、ホワイトホースにて私はツアー参加者メンバーと一緒にバスに乗っておりました。窓の外は暗い暗い空、除雪された道、まばらに見える対向車のライトが視界にうつっておりました。心オーロラにありと思いに耽っておりますとバスを運転してくださっているツアーコンダクターさんがオーロラ撮影現場についてお話を始めました。ふむふむと聞いておりますと、撮影現場はツアー会社が管理しているオーロラーパークであること、ロッジがありそこで暖をとって休めること、温かい飲み物とお菓子もあること、移動するのは街の灯りから離れて星やオーロラを見やすくするためであることと行った話がございました。
また、バスは3台ございまして1つのバスに付き10数名乗車しており少なくとも30〜40名ほどの団体でございました。

バス内での私の装備はというと、貸与された防寒具一式(ダウンジャケット、ダウンパンツ、手袋、帽子、ブーツ)からダウンジャケットとダウンパンツ、ブーツを着用しておりました。
手袋につきましては持参したインナー手袋と、カメラ撮影用手袋を使うことに致しました。レンタルされた手袋はやはり指が独立しておらず撮影には向いていないものであったためでございます。帽子に関してはバラクラバを着けた状態でございます。バスではまだ目出し帽としては使用しておりません首のみに着けている状態でございます。
インナー手袋とヘッドライトはジャケットのポケットに忍ばせておりました。
ブーツの中には靴用ホッカイロが指先にて待機しており既に足の指先はホカホカでございました。また、ダウンジャケットのインナーには現地で購入したインナーを着込んでおりました。背中には貼るホッカイロがすでにホッカホカになっております。

しばらくすると、バスは脇道にそれました。あたりに街灯はなくなりバスのライトのみが頼りとなります。周囲は木々と雪しかございませんでした。もうそろそろオーロラパークに着くのでしょうかと思っておりますと拓けた空間が目の前に表れました。撮影現場であるオーロラーパークに到着でございます。市街から車で20〜30分かかりましたでしょうか。さて、一目散に撮影準備をしたい気も山々でございましたがすぐにはバスを降りずにまずはバラクラバを目出し帽として着用し、ヘッドライトも着けました。明るいバスのなかでできることはやっておいた方が良いという判断でございます。暗い中での準備は手間取りますからね。

さて、バスを降りますとまず思ったのが全く寒くないということでございます。気温というものに気をとらることはありませんでした。なんと、この日の最低気温は0℃に程度でございました。ツアーコンダクターさんの話によりますと数日前までは-40℃という話でございましたので非常に運が良かったのであります。(用意した装備では-40℃には耐えることはできなかったでしょう)この日は最後までインナー手袋もなし、つまり素手で過ごせたことを先にご報告しておきます。

ツアーコンダクターさんの話は聞き流しつつ、私はそそくさと三脚と取り出し撮影準備に取り掛かりました。周囲を見ると同じように撮影準備を始めている方々をちらほら見ることができました。私を含むこういう人たちはオーロラ撮影を自分で行う方々でございます。一方、カメラを持参しておられない方々はツアーなのでオプションとしてツアーコンダクターの方々がオーロラを背景に撮影をしてくれるのであります。

三脚にカメラを着け終わった私はオーロラパークの広場に向かいました。
この時点で三脚+カメラ+有線レリーズの連結は完了しております。三脚はやはりアルカスイス互換をやめて正解でございました。取り付けやすさスピードが違います。
オーロラパークの撮影現場についてからはカメラの設定(ピント、F値、シャッタースピード、ISO、ホワイトバランス)を行っていきましたのでございます。
私が行った設定は以下の通りとなります。

ピント

ピントは無限遠に設定します。フォーカスリングをとりあえず無限遠(∞マーク)に合わせればほぼ無限遠っぽフォーカスになりますのでそれでも良いでしょう。私の場合はAFを利用して設定しております。オーロラが現れるであろう空にレンズを向けてAFでピントを合わせます。ピントが合いましたらMFに切り替えましてフォーカスリングをマスキングテープで動かないように固めます。これにて常時無限遠レンズの完成でございます。

F値

オーロラ撮影というか夜空の撮影の場合、できる限り多くの光を取り込めるようにレンズは最大開放状態に致します。今回の私が使用したレンズはタムロン SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2でしたのでF値は2.8に指定いたしました。

シャッタースピードとISO

この2つの項目についてですが、ずっと同じ値で撮り続けるということはないかと撮影前から考えておりました。何故かと申しますとオーロラの出現状況は時間と共に変化致します。オーロラが弱ければシャッタースピードを長くして光を強くする。オーロラの動きが早いときはシャッタースピードを遅くしないとカーテン上のものは撮りづらい。といった風にでございます。

シャッタースピードとISOは都度変動するとは言え、ベースとなる値は決めておりました。流石に0から手探りに設定を決めるには時間がなくなってしまいます。

色々なサイトを参考にさせて頂いた結果、私はベースとなる設定としてシャッタースピードは10秒、ISOは1600に決めておきました。その後オーロラの状況に応じて設定を調整することとなります。

ホワイトバランス

ホワイトバランスにつきましては参考にさせていただたいサイトでは蛍光灯にしている方もおられましたが。オートでよいかなと思っておりました。実際に何枚かオーロラを撮影してみますと私の感覚ではオートで問題なさそうという認識になりました。ですので、3日間のオーロラ撮影時は常にオートで撮影しております。

さて、カメラの設定も終了した私は早速オーロラ撮影に望みました。とはいえ、あたりは真っ暗ですので辺りに木々や雪や建造物といったものがあるかもさっぱりわかりませんのでございました。ですので初回数枚の撮影はISOを上げに上げて露出オーバーぐらいにし、全体に何が存在して構図にどのようにいれるかを確認致しました。

結果としてオーロラパーク中央から真正面を見ると、ぼぼ地面(雪)と草木と空しかないことがわかりましたのでございます。わかったのは良いけれどこの場だとオーロラのみとなり構図が代わり映えしないという懸念が湧いてまいりました。
ここで撮影スケジュールとしては次のことを考えてました。1日目はシンプルにオーロラを撮る。2日目は構図の色々試してみる。3日目は思いつたことをやる。ということでございます。ですので1日目はほぼオーロラパーク中央にて撮影することに致しました。しかし、この計画もオーロラが見れるかどうかに全てがかかっております。

なぜ1日目はシンプルにオーロラに撮ることにしましたといいますと、私はこれがはじめてのオーロラ撮影ということが理由です。オーロラがどのように映るのかもオーロラが動き始めたらカメラの設定をどの程度変更していくと良いかということも知りません。ですので、構図をどうするかというような考え事を増やすのはやめました。まずは考え事を減らすことで単純にオーロラをしっかり撮ることができるようにするということにしたのでございます。

さて、以下が1日目に撮影した写真となります。

はじめはオーロラの動きは特にございませんでした。

画像1

ISO1000  シャッタースピード15秒

こちらはオーロラが動き始めましたのでシャッタースピードを上げております。

画像2

ISO1000  シャッタースピード5秒

画像3

ISO1000  シャッタースピード5秒

撮影した写真をカメラのチルト式画像モニターで確認しておりますと、お隣で撮影していました外国人さんから「良い写真だね!!」と笑顔でおっしゃってもらいました。私もその外国人さんの写真を見せてもらい「良いっすね!!」と話したのでございます。こういうコミュニケーションは楽しく嬉しいものがございます。

ツアーコンダクターさんがおっしゃるにはこの日のオーロラレベルは3ぐらいとのことでございました。
初日から運が良かったのでございます。

2日目

2日目でございます。この日の最低気温は-10℃程度でしたでしょうか。この日は素手ではなくインナー手袋を着けての撮影となりました。この日の目的としては構図を考えるということでございます。前日の写真がオーロラのみを主体としておりましたので他の建造物を入れて撮影を致しました。この日のオーロラレベルは3弱といった具合でした。前日のように眼前に広がるといったほどはありませんでしたがしっかりオーロを撮影することができました。

撮影しておりまして感じたことは思いの外、スマートフォン・ヘッドライトの灯りが撮影に影響するということでございます。赤色灯はまだ影響範囲は狭い感じでありましたが通常の灯りは写真に現れがちでございます。しかし、何十名もいるツアーでございますし、スマートフォンを使う人もいますでしょう。それにペンライトを使って絵を描いて撮影してたりする方々もおられます(露光中にペンライトを動かすやつですね)。ですので、灯りが撮影中に入ってくることは致し方ないことでございます。なのでそのようなことがあることを前提とし周囲の環境を確認しつつ撮影するとよいかなと思いました。

さて、以下が2日目に撮影した写真となります。

移動に使用したバスを入れたり、

画像4

ISO1600  シャッタースピード15秒

テントを入れたり、

画像5

ISO1600  シャッタースピード15秒

2日目の撮影終わりの頃から明日はどうしようかと考えておりました。正直なところ構図をどのようにするかはもはやオーロラの運次第であると感じておりました。しかし、オーロラ予報を見る限りオーロラはあまり見えないだろうというのは既にわかっておりました。ですので、オーロラのタイムラプスを撮ってみることにしたのでございました。

3日目

3日目でございます。
3日目の最低気温は−15℃でございました。この気温になりますと手はインナー手袋のみだと冷えてきました。3日目にしてついにカメラ撮影用手袋を使用致しました。やはり備えあれば憂いなしでございます。

結果としてこの日はほぼオーロラを見ることはできませんでした。撮影現場到着から撤収時間1時間前まではオーロラは雲に隠れてしまって全く見えません。ですので、テントにて温かいコーヒーを飲みメープルシロップクッキーを食べたり時おり天候の確認をしたりする時間がほとんどでございました。余談ですがメープルシロップクッキーは美味しいです。会社のお土産に購入しましたが好評でございました。
この日の成果物としてはわずかに表れたオーロラを限られた時間で撮影しましたタイムラプスのみでございます。1秒分にしかなりませんでした。悲しいかったのでございます。

一方、ツアーコンダクターさんがおっしゃるには丸3日全てオーロラを見ることもできないこともあるとのことです。人によっては3日のうち1日だけ本日(3日目)のようなオーロラをかろうじて見ることができ満足して帰っていくのだそうです。ですので私は非常に運がよかったということでしょう。なお、ホワイトホースでは9月が一番オーロラを見れるチャンスがあると教えていただきました。

オーロラ旅行を完走した感想

オーロラ撮影を3日行いまず思ったことは、またホワイトホースに来たい!!またオーロラ撮影をしたい!!といったことでございました。当初はそうなるとは余り思ってはおりませんでした。私はオーロラに心打たれました。また、自身のオーロラ写真の納得感は足りないものがありました。3日間全てでオーロラを撮影できたこと自体は運が良いことなのでございますが全てのオーロラは遠方ものでございました。是非とも私の上方へ表れてほしいと、オーロラ爆発を見てみたいと、夢を見るのでございます。ツアーコンダクターさんにオーロラ爆発時の写真を見せていただいたのですが素晴らしく、私も是非とも直面したいと思ったのでありました。
また、ホワイトホースではオーロラ撮影時以外はアクティビティに参加(犬ぞり体験、野生動物保護区、タキニ温泉)しており市内観光はほぼできておりませんでした。アクティビティは最高でございましたが、ホワイトホースを楽しみきれたかと行ったらまだ物足りないといったことでございます。

画像6

犬ぞり体験

また今回は2月ということもありました。次回行くことがあれば是非とも9月に行こうと思いました。再びオーロラを見たいですし確率も上げたい。気温も穏やかであり必要となる荷物も減りそうでございます。滞在期間も延ばしたいと思っております。

オーロラ撮影に際して準備したものは今回に限って言えば十分事足りました。特に機材が壊れることもなく、撮影準備に手間取ることもなく、撮影中に寒くなることもありませんでした。しかし、もし−40℃となっておりましたら撮影どころではなかったと思いました。冬場に行くのはリスク(不確定要素)があるかなというが準備面についての考えでございます。ちなみにレンズフード2個とインナー手袋を今回の旅行で紛失致しました。どこにいったのか謎でございます。。。

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オーロラ撮影に行きたいと思っている方々は是非ともホワイトホースでなくてもどこでも良いと思うので行ってみていただきたいと思います。帰国せず、しばらく撮影を続けたいと思ったぐらいでございます。行ってオーロラが見れたら損はございません。最高でございまいます。おすすめ致します。オーロラ旅行を勧めることもできましたのでこれにて筆を置きたいと思います。

では再びホワイトホースへ行くことを夢見て。


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