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Culture Centered Design

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街で見かける使いやすいもの使いにくいものを○×で評価しています。
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#サイン

乗り換えの路線名を表示する →◯

地下鉄の天井から吊り下げられるタイプの行先案内表示板が、新しいものに更新されていました。 数秒ごとに表示内容は切り替わりますが、これまでなかった乗り換え駅での路線名を表示するパターンが増えていました。 新宿や渋谷など大きな駅では、かなり数多くの路線が乗り入れているため、文字も小さくなりますが、乗り換え路線名表示は総じて良いことだと感じました。 乗り換えは別途用意されている路線マップ図を見れば良いのですが、いままさにこのホームに入ってくる車両の情報として、「この先の駅で◯

対象に近すぎる矢印は誤解を招く → ×

建設中でおそらく内装工事をしている段階の分譲中の住宅を見かけました。「分譲中」の貼り紙がありますが、この上向きの矢印の対象は、目の前にあるこの住宅でした。 一般的に上向きの矢印の意味するところは、物理的に上を示す場合と、駅のサインなどで用いられている進行方向、つまり前方を示す場合があります。 矢印があると、場合によっては目の前のこの物件が対象ではなく、進行方向(前方)と捉えてしまって、数件先が分譲中の対象だと誤解する恐れがあります。 いま目の前にある住宅が対象なら、矢印

閉店時間になったら閉店のパネルを入口に表示する → ◯

大規模な店舗だと閉店時間になっても店内にお客様がしばらく残っていたり、閉店後の業務などでお店の入口の照明がついたままになっていることが多いと思います。 そんな時に「閉店」と書いたパネルを入口に置くことで、電気がついているから営業中だと勘違いしてお客様が入ってくるのを防ぐことができます。 いきなり照明を落とすこともできない状況では、効果のある方法だと感じました。

改札口に行けそうな面構えがない → ×

JR横浜線の駅の階段の入り口付近です。規模も比較的大きく、新しい駅ですが、改札口へ至る階段がなんとも殺風景で、JR駅の改札に向かう感じが全くしないのです。 迷う人も多かったでしょうから「JR線改札口」と書かれたサインは後から取り付けられたと考えられます。 理想は階段の先が下から見通せる状態で、JRのロゴやシンボルカラーが見えるのが良いと思いますが、それが構造上無理でも、なにがしかのデザインによる統一感を保つ必要があると感じました。

視認性の良いトイレサイン → ◯

ごく一般的なピクトグラムと色の組み合わせを使ったトイレサインです。現場では写真でみるよりかなり大きく見えます。 また、壁面の最上部の天井付近と最下部の床付近が、青と赤の色のラインでアクセントとして扱われていて、これも男女の区別がしやすくなっており、良い工夫の一つではないでしょうか。 色だけに頼るのはよくないですが、区別の手段として併用するのは現実解としては妥当だと感じます。

必要最小限の情報に絞り込んでいる → ◯

東京メトロ丸ノ内線の地下鉄駅プラットフォームにある比較的新しいタイプの電光掲示板です。 ディスプレイの解像度が高くなると、どうしても様々な「あったら良い」情報を表示したくなるものですが、シンプルに必要最小限の情報にとどめていることに好感を持ちました。 上記例で「特別警戒」が表示されているのメッセージ欄も、事故や大幅な遅れなど電車の運行に重大な影響がある内容以外は表示しないのが望ましいと考えます。そのような運用によって、表示されている情報の視認性がさらに上がり、よりわかりや

三角形の頂点には視線が向きやすい → ◯

段差などがあってバスの天井が低い箇所に貼り付けられた注意を促すステッカーです。 「天井が低いのでぶつけないように気をつけよう」が伝えたいメッセージです。それが三角形によって相乗効果を上げていると思いました。 三角形の上の頂点は人間の注目を集めやすい場所です。さらに三角形の頂点は上方向を暗示しているので、それを見ることによって、ミラーニューロンのなせる技で、自分自身の頭の上を想像してしまいます。このように三角形の特徴によって注意喚起を促すのは良いやり方だと感じました。

使用禁止はやや違和感がある → ×

公園の周りにあった木のフェンスが老朽化して一部破損しており、「使用禁止」のテープが貼られていました。 壊れたフェンスに触ることで怪我をしないようにという意味合いで、「使用禁止」が使われているのですが、フェンス・壁へのメッセージとしてやや違和感がありました。 おそらくこの「使用禁止」テープは滑り台やブランコなどの遊具や水飲み場などの故障を想定して作成されているので、「使用禁止」となっているのだろうと想像します。 では「進入禁止」なら良いかといえば、そうでもなく、意味が違う

縦方向の現在地を示す → ◯

傾斜地にある建物などでは、自分が何階にいるか見失ってしまうことがあります。特に入り口が地表面 (1F)と異なる階にあると、縦方向の現在位置がわからなくなる可能性が高いのではないでしょうか。 平面図ではなく立面図での現在位置表示は重要ですし、方向音痴の人にとって実用として役に立ちます。

違反するとどうなるか書かれている → ◯

商業ビルの1F共用スペースにあった駐輪禁止のサインです。駐車禁止を無視して自転車をとめるとどうなるか、明快に記載されていました。 このメッセージは「無断駐車は○○万円を申し受けます。」などと同じように一定の抑止効果があると思います。

ほどよい遊び心 → ◯

トイレのサインは何度もこのブログに書いていますが、今回のパターンは興味深いデザインでした。 シルエットとブルー系の色から男性であることは外していない上に、足に変化がつけられています。作者が意図されているかどうか不明ですが、おしっこを我慢しているようにも見えます。 目をつぶって思い浮かぶような直立して正対しているシルエットだけがトイレサインではありません。やりすぎて意味不明になってしまったサインに遭遇することもありますが、これぐらいの遊び心は微笑ましいのではないでしょうか。

この○は区別しやすい → ◯

過去のブログで丸ノ内線と大江戸線のマークの区別がほとんどつかない例を紹介しました。今回はマークの円形の太さを変えることによって差別化を図っています。 路線の区別が利用者ニーズの優先度と考えれば、MとEだけでよく、駅番号は不要とも考えられますが、違いがあったほうがより差が明確になるのでかえって良いのかもしれません。

薄暗いと色の違いがわからない → ×

写真で見ると色の差がわかるのですが、地下へ繋がる薄暗い通路では、丸ノ内線の赤と大江戸線のマゼンタの差がはっきりしません。 目的の路線や駅を探しながら歩いていると、注意力散漫になるのでなおさら区別しづらくなります。 さらに駅名が「新宿」「新宿西口」と紛らわしいので、混乱に拍車をかけています。似ているものが近くに隣接しているとわかりにくくなる事例でもあると感じました。

気づきにくい → ×

おしゃれなのですが、すごく気づきにくいトイレのサインがありました。 十分な光が当たっていることが前提のデザインなので、薄暗いと見落としそうになりました。マークと背景のコントラスト比が低く、アクセシビリティ的にも問題があります。 トイレの存在が安易に、すぐに認知できることが求められます。なので、多少野暮ったくてもステレオタイプに沿ったサインが妥当かと思います。