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Culture Centered Design

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街で見かける使いやすいもの使いにくいものを○×で評価しています。
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2017年12月の記事一覧

なぜ Culture Centerd Design という名称にしたのか

再開にあたってブログのタイトルを変更しました。「Culture Centerd Design Blog」のCultureは文字通り「文化」です。 文化の定義を考え始めると気が遠くなりますので、ここではひとまず人が生活していく上でのよりどころのようなものと考えます。そのよりどころにはその人の暮らしてきた環境の中での様々なモノやコトの経験から成り立っていると思いますが、モノを買ったり人を行動に向かわせたりする要因の中でも、好みや趣味は、メインストリームにある「文化」というより、

やさしい日本語がかえって意味をわかりにくくしている → ×

NHKのこども向け「やさしい日本語のニュース」サイトの記事の表現に違和感を感じました。 脱退を「出る」、3位を「3番」と言い換えていますが、かえって意味がわかりにくくなっているように思います。難しい単語を使わずにこどもや日本語に不慣れな外国人にもわかる言葉で表現するのは素晴らしいことですが、だからこそ言葉の選び方は難しいと感じます。 特に「出る」は出発する、出かけるなどの意味が強く感じられるので、別の解釈をしてしまいそうです。口語的表現ですが「やめる」の方が万人向けではな

次の方以外は、◯◯です → ×

冒頭の文章「次の方以外は、平成31年9月30日が有効期限です。」がとても複雑に感じてしまいました。 否定や除外を含んだ主語を用いると、それだけで複雑で入り組んだ印象になってしまいます。論理的に考えれば、文面の内容は明確ですが、体感的にはとても複雑でわかりにくいです。 少しでもわかりやすく伝わるにはどうすればいいか少々考えてみました。 否定や除外の表現を避けて、「あなたは◯◯です」と肯定の表現に改めるだけでも素直に読むことができます。実現するには個人の年齢を参照するなどの

通常と違うときにはその状態を示す → ◯

エスカレーターでの転倒事故を防ぐために、低速運転しているのを見かけることがあります。乗り降りの際に事故は集中しているようなので、低速で運転することは事故防止に一定の効果があるのでしょう。 ただ急いでいたり、エスカレーターが長い場合などには、低速運転にイラっとする人も出てくると思われます。特に何も表示がないとその傾向は増えるのではないでしょうか。 高速運転も含めて、一般的なエスカレーターの速度と違った動きをしている場合には、乗る前にそれを示すことが望ましいと考えます。事前情

「年末に読むオススメ」読書バトンをやってみた → ◯

冬休みに読む面白い本を色々知りたいという深津さんの呼びかけにお応えして、読書バトンなるものをやってみました。 かなり偏りがありますが、他の方と似たような本を紹介するより偏りがあったほうが面白いとも思いましたので、マニアックなものも含まれています。 人生を変えた3冊誰のためのデザイン? 増補・改訂版 —認知科学者のデザイン原論 本書は情報デザインを学ぶ者にとって古典中の古典と言えるでしょう。何度も繰り返し読みたい。 ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決ま

まさかグニャっと曲がるとは思えない → ×

このポール、まさか曲がるとは想像できませんよね。しかし、地面に近い部分がウレタンのような素材でできていてグニャっと曲がるのです。 意外性があって面白いのですが、一般の人間の予想と異なる動きをすると、場合によっては危険なケースもあるかと思います。 ※本記事は筆者ブログからの転載です。 Originally published at ktazuke.goat.me on Oct 17, 2015

簡潔な説明文が添えられている → ◯

書店に併設されている文具のファイル売り場で、仕切り板に簡潔な説明文が添えられているのを見かけました。 背表紙だけだとどのようなタイプのファイルなのかわからないので、手に取って内部の機構を確かめてみる必要があります。これが意外に面倒な作業なので、目的のものがなかなか見つけられない場合があって、結局購入を諦めてしまったりします。 この方式は場所を取らないのに、わかりやすく目に入りやすい良い方法だと思いました。書店なので書棚での分類告知方法を文具にも応用したのかも知れませんね。

プリンターが壊れたので購入 → ◯

プリンター故障から購入までの心の動き古いプリンターを騙し騙し使ってきたのですが、異音がして、ついに壊れました。この記事は、プリンターが壊れた直後から購入に至るまでの、筆者の心の動きを中心にCJM(カスタマージャーニーマップ)に簡略的にまとめてみましたので、それを補足するものです。 買わずに済むか考える年末の出費は困るので、この際プリンターなしの生活ができないかを考えてみました。おそらく修理は現実的ではないと問い合わせる前に判断しています。もっと高価なものであれば、修理の見積

図と文字の同時認識が難しい → ×

右折禁止なので、左折だけができるということで左向きの矢印(←)が描かれています。 論理的には正しいのですが、うっかりものでロジカルじゃない私のような人間は、この種のサインボードには混乱してしまうことがあります。 文字で書かれた「右折禁止」は「◯◯してはいけない」という禁止を求める文章で、「右折」を否定しています。ところが、左向きの矢印(←)は、禁止ではなく「左折」を肯定しています。 目に入った文字と矢印を頭の中で理解し、文字と図の意味することが同じであると認識するステッ

トーコーキッチンさんを訪問しました → ◯

JR横浜線の淵野辺駅から徒歩2分ほど、小さな商店街にトーコーキッチンはあります。 ここは地元の不動産屋である東郊住宅社さんが同社取り扱い物件の入居者向けサービスとして始めた食堂です。学生食堂や寮の食堂のようなイメージです。 朝食がなんと100円、昼食、夕食が500円とリーズナブルですが、大規模な学生食堂のようなお決まりの大手給食サービスとは違い、とてもおいしく現場のキッチンで調理された本格派です。 日本仕事百貨のWebサイトで取り上げられた記事を読み、興味を持ったので、

広告の中のボタンなのか外なのか? → ×

新聞社系のビジネス情報サイトです。広告エリアの中に「もっと見る」というラベルの青いボタンがあります。 これが広告エリアの中にあるか、広告エリアの外、つまり記事の本文にあるかが、目をよく凝らしてみないとわかりにくい状態です。背景色グレーと白のコントラストが弱く、かつ中程の広告コピー文と「もっと見る」の青いボタンが離れているので、別の領域に見えてしまうのです。 意図的でないことを願いたいのですが、表示スペースの狭いスマートフォンでは、特にこの種の誤操作を誘発する広告バナーが多

利用者にとって嬉しい広告ティッシュとは? → ◯

駅前で不動産広告として配られるポケットティッシュは、様々なバリエーションがあります。広告ティッシュなので、まったく広告内容に関心がない場合には、ポケットティッシュの実用面しか目に入りませんので、多少とも購入や検討をしても良いかなと考えている利用者の立場として、どんなタイプの広告ティッシュが望ましいかを考えてみました。 ポケットティッシュ単体として考えた場合、外装の袋が広告媒体になっているケースが多いのですが、写真左のように紙が挿入されているケースもあります。これは紙が厚いと

配布物がなくなってもカゴをそのままにしておく → ×

メモ帳やボールペンなどのノベルティとパンフレットを同封して配布している展示場がありました。今日はその配布物を入れるカゴが空になっていました。 お客様に与える印象からすると、配布物がなくなったらカゴは下げた方が良いと思います。カゴを出すなら配布物がたっぷり入っていることが望まれます。 また、この状態が続くと間違いなくカゴを持ち帰る人も現れるでしょう。 ※本記事は筆者ブログからの転載です。 Originally published at ktazuke.goat.me on

アイデアは良いと思います → ◯

市販の平均的な食パンのサイズに合わせたひとまわり大きいサイズのスライスチーズです。実はこれ表面の面積は確かに大きいのですが、1枚当たりの重量は同じでした。 つまり従来からある一般的な大きさのスライスチーズより薄いのです! まあ食感が変わるほど薄切りであるわけでもないので、感覚的には4枚切りと5枚切りの差ぐらいでしょうか。ポイントは食パンの縁ギリギリまでチーズがのっていることが実現可能ということなので、この点については満足度が高いと思われます。 ※本記事は筆者ブログからの