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神様のなまえ
現実の詩
神様とか天国、地獄とか、どことなく抽象的な世界はすべて現実から生まれたものだろうし、わたしはそうおもっている。
もともと世界って、わたしの知っているものと同じくらいちっぽけなものだった。世界を広げていった人が地獄を見て、神様に出会って、天国を味わって、みんなが共感したから普遍的なものになってしまったそれは、個人的でかつ神聖なものだった。
星は掴めないし、神様には会えない。
当たり前のことも知らないわたしは、今日も手を伸ばして光を掴む練習をしてる。
神様の詩
神様はひとよりずっと長い時間生きているから、たいせつな記憶をすぐになくしてしまう。
知らないひとに信じられることが怖くなった神様は、ひとりで泣いていた。
神様がひとを救わないのは、意地悪なんじゃなくて、無力だったから。そのことに気づいても、だれかに光が届くように、手を合わせて祈り続けていた。
楽しかったこともきっと忘れます。でも辛かったことも、いつか、いつかは。
罪人の詩
神様がどんな罪もゆるしてしまうせいで、わたしの街には犯罪者が増えた。
ひとが神様を信じるのは、神様にはなんだって打ち明けてもいいから。
雨が降りました。
わたしは知らないふりをしてビニール傘を空に放った。嘘泣きばかりが上手になって、だれかの家の窓に花束が届いた。
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