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インド旅と恋バナ❁⃘*.゚

夕涼みにベランダに出て、細い月を見上げながら
ふと、昔に恋した琵琶湖の近くに住む人のことを思い出した。


その人との出逢は南インド。
10余年前
私はアーユルヴェーダの勉強のために、南インドのコヴァラムというリゾート地に滞在していた。

初めての一人海外。
初めてのインド。

井の中の蛙のごとく、生まれてからずっと同じ県内で暮らしてきた私にとって、インドは眩い光と陰が混沌と入り交じった未知の世界だった。

肌の色はもちろん、
目の輝きや、生き様が歩みにも滲み出されたようであり。
その場の空気を纏う匂い。
色彩。
全てが逞しい生命力に満ち溢れ、日本人との性質の違いをまざまざと感じさせられた。

全てが刺激的で甘美で、
私のこれまで築き上げてきた固定概念を簡単に打ち破った。

オイルまみれになりながら、濃厚な時間を過ごしてきた。

コヴァラムは狭い地域(リゾート地)。
観光客のほとんどはヨーロピアンだった為、日本人は目立つ。
数人の日本人と出逢い、毎日一緒にビーチで遊びレストランで夕食を食べた。
彼もそのひとり。
バックパッカーで、様々な世界を訪れていた人だった。
柔和で自然体だけど、確固たる芯を持ち、自身の感覚を大切にする人。

インドを離れてからも、しばらく連絡を取りあったりしていた。

"この人が私の彼氏になったらどうかなぁ…"

なんて思いから、もう一度会ってみようと決めた。
美味しいコーヒーを淹れてもらったり
一緒に今晩の魚を買いに行ったり
ドライブしたり、音楽を聴いたり
近くの銭湯に行ったり…

それなりに楽しい時間を過ごした。

けれどたぶん、この人は違うんだろうなぁ…
と思った。


その後もしばらく連絡は取り合ったりしたけれど
、いつしかなくなっていった。


ところが数年後。
偶然にもまた同じ南インドのコヴァラムで再会!!!!
こんなことってあるの⁉️
とお互いびっくり&感動の再会。

今度は彼には、旅で知り合った彼女がいた。
私にも、日本で待つ彼氏ができていた(今の夫さん)。

この時の私は、ヨガ留学で来ていた為かなりのタイトスケジュールの最中だった。
近場に滞在しながらも、あまり顔を合わせる機会はなかった。
けれども一度だけ、ディナーに訪れたレストランに彼が1人で来ていてバッタリ会った。
相席して長い時間おしゃべりができた。

その後彼は、その彼女と結婚していた。


インドに魅了された人は、不思議な縁で繋がっている。
またいつの日か、彼と彼の家族とどこかで出会えたらとても嬉しい。


琵琶湖の穏やかな波紋に、黄昏の空が波立ち反映する。
あの懐かしい、秋の空を思い出した。