書くと飢える
本を読めなくなって長い間がたった。
読めないというのは、自分なんかがこんなにいい本を読むのが申し訳なくて、早く死んでこの蔵書を野に放つべきではと思わずにいられなくて読めない、の略だ。
読めないので、昔本が好きだったなんて信じられないくらい読まなくなった。
読まなくなった結果、読めなくなった。
今度の読めなくなったは、どこかに静止してじっと文字を追いテキストを読むという地味で退屈な作業にたえられなくなった、の略である。
こうなると、どう考えても、もう本など好きではない。
読書家とは周りに思われていない人が最近面白かったのはケン・リュウなんて言っているそばで、読書家と思われているわたしは、生活のためにも絶対読んでいないといけないはずのものを何も読んでいない。
何も読んでいない焦りから、一層何も読めなくなる。
頭がどんどん悪くなっていく。真剣に、考えるということができなくなり、言語化できなくなり、自分を捕捉できなくなる。
そんな中で強いて書いた。たくさんnoteに、思ってもないようなことも書いた。空洞化は加速し、ついに何も書けなくなった。
書けなくなりnoteをさぼっていたあいだ、ますます思考に飢え、知識に飢えた。大好きな先輩のラインも返せないくらいに飢えた。
今はもうあと一歩というところまできた。
しっかり飢えきる場所を待っている。
わたしがあなたのお金をまだ見たことのない場所につれていきます。試してみますか?