虫と死(variation 2):花、虫、生殖
根津美術館で、同館蔵の喜多川相説作《四季草花図屏風》を一度だけ見たことがある。わたしは花をこんなにも神経質かつ露悪的に描く絵があるのかと思って驚き、すっかり魅了された。
魅了されたあまり、花一つ一つの病的なたたずまいや「花の死体」「花の首」「斬首された花」といった素性の知れない言葉ばかり感想として持ってしまって、作者・作品名等の周辺情報を全然覚えていなかった。
六曲一双の屏風ではあったと思うが、全体像さえあやふやな始末。
その絵が根津美術館の喜多川相説作《四季草花図屏風