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「LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶」 PS5版レビュー 期待値の高い本作は前作を超えることができたのか?

少し出遅れたが、「LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶」のレビューをしていこうと思う。
前作「ジャッジアイズ 死神の遺言 」は キムタク×龍が如く という意外なタッグに完成度の高いストーリー、独自性のある探偵アクションなどで多くの高評価を受けたが、本作はどうなっているだろうか。

本作ロストジャッジメントでは前作の神室町と新たに横浜・伊勢佐木異人町の二つの舞台がメインとなる。
神室町は前作から多少の変化はあるものの、基本的には前作と同じで面白みに欠けたが、今作の主なフィールドは異人町になるので神室町が変化してないことは置いておいて良いだろう。

主人公は前作と同じく木村拓哉さん演じる八神祐也。
他にも海藤さんなどのおなじみのメンバーも健在だ。
更に今作では俳優の三石研さんや玉木宏さん、山本耕史さんなど、新たに豪華なキャストが追加されている。
みなさん演技が上手く、物語に入り込みやすかった。
中でも私は光石研さんの「法なんてものは、全くの役立たずだ」というセリフの迫真な演技が大好きで、ずっと真似している。
このシーンはPVでも確認できるのでぜひ確認してほしい。

『イジメ』が大きなテーマとなっている本作は、前作のような爽快感のある展開は少ない。
前作はジャッジアイズにしかできない、八神にしか出来ない物語になっていたと思うのだが、正直今作は八神である必要はそれほどないと私は思う。
そのため好みは別れてしまうと思うが、ストーリーの完成度は素晴らしく、前作で描いた「命は平等か」という問いを、よりストレートに描いている。
とは言っても龍が如くスタジオのバカらしさやアツい展開ももちろん健在なので、そこは安心してほしい。

マップの話もしよう。
龍が如く7から追加された横浜・伊勢佐木異人町は非常に広い。
その分プレイスポットやショップも多く散りばめられており、探索しているだけでも楽しめるだろう。
ただし、綺麗に整理された街並みはどこか寂しく、神室町のような魅力的でワクワクするフィールドになっていないのは残念な点だろう。

龍が如くの難しい部分として、移動があった。
回復アイテムを買いに行くのに長い距離を移動しなければならなかったり、ファストトラベルするにもタクシーがある場所にまず行かなければいけなかったり。
これは龍が如くの世界観を考えれば正しいシステムではあるのだが、やはり作業感が出てきてしまう。
しかし今作ではこの移動の部分にも大きな変化があった。
今作では移動に新たな手段「スケボー」が追加されている。
スケボーは移動速度が上がるだけでなく、敵に見つかっても襲われないなどの効果もあり、快適な移動をサポートしてくれる良い機能だ。
スケボーに乗りながら街を駆け巡るのは爽快感があるし、ガードレールにジャンプするとその上をスライドしたりと遊びが多く用意されているので移動を楽しむことができるだろう。

さらに、スケボーにはジャンプ力が高いものからスピードが速いものなど多くの種類が用意されているので、それらを集めるのも面白いだろう。

また、スマートフォンからタクシーを呼び出し移動できるファストトラベルも追加されているため、スケボーすら面倒だという人は使用するとよいだろう。
ただし、呼び出し料金が掛かるので普通のタクシーよりも値段は高いぞ。

今作のもう一つのメインフィールドと言っても良いのが「誠稜高校」だ。
八神はこの誠稜高校ミステリー研究部の外部指導員として潜入することになるのだが、この学校でのイベント「ユースドラマ」がめちゃくちゃ楽しいのだ。
外部指導員となった八神は、ミス研の部長 天沢鏡子 が追っている事件を解決するため、多くの部活動に潜入することになる。

ダンス部では八神が華麗なダンスを披露する映像をバックにリズムゲームが始まるし、Eスポーツ部ではなんと「バーチャファイター」を実際に遊ぶことになる。

ロボット部ではロボを改造し強化しながら大会を進む熱いバトルが繰り広げられるし、ボクシングジムでは通常のバトルとは違った真剣勝負をすることになる。
他にもたくさんの潜入ミッションをすることになるのだが、この高校生たちと共に過ごす時間が最高に楽しいのだ。
私はストーリーを進行させるのも忘れてユースドラマばかり遊んでいた。
他の部への潜入もそうだが、何よりも相棒と言ってもいい 天沢 がめちゃくちゃ良いキャラしてるのだ。
彼女だけで単独作品作ってくれないかな、と本気で思う。

龍が如くと言ったら爽快感あるバトルも魅力の一つだろう。
戦闘では前作同様「一閃」と「円舞」の二つのスタイルに新たに「流」が加わった。
「一閃」と「円舞」はスタイルは同じなものの、技の出し方が変わっていたり、技の種類が増えていたりと細かな変化があり新鮮な気持ちで楽しむことができた。
新たに追加されたスタイル「流」は、相手の攻撃を華麗に流しつつ倒すスタイルだ。
このスタイルの強いところは、ガードしていれば後ろからの攻撃でも回避できてしまうところだ。
他にも敵の持っている武器を弾いたり、敵をビビらせて戦闘不能にさせるなど、今までになかったアクションが多く追加されていて非常に楽しめた。
ただ、このスタイルは強すぎたかなという印象が強いので、次回作があるのなら改善してほしいところだ。

先ほど本作は八神である必要があまりないと言ったが、それを感じさせる大きな理由として、探偵アクションの数の少なさがある。

まず探偵アクションの良いところを述べたい。
前作からあった尾行だが、前作は用意された障害物にボタンを押して隠れながらターゲットに見つからないようにするものであった。
ターゲットに見つかってしまった場合も、すぐに走って適当な場所に隠れれば相手が怪しむことはない。
しかし今作では多くの部分が変更され、よりリアリティが増していた。
まず、前作のように隠れる場所は指定されておらず、自分で「隠れられそうだな」と感じた場所に行くと自然に隠れるポーズをとってくれる。

また障害物がない場合でも、スマホを見る、靴紐を結び直す、などの"ごまかしアクション"をすることが出来るようになったことで、遊びの幅も広がっていた。
さらに、一度相手にバレてしまうと相手の警戒度ゲージが溜まっていくようになったため、「見つかっても一定期間隠れれば大丈夫!」というものではなくなったのも、個人的には良いと思った。
他にも追跡や鍵を開けるなどのアクションも前作から少し進化していて面白いものになっている。

そして、今作で追加された新しい探偵アクションに「侵入」がある。
メタルギアのスネークさながら敵地へ潜入し、しのび足で眠る敵から鍵を奪い取ったり、コインを投げて敵の興味をそらしたり、後ろから静かに締め落としたりと、新しい遊びが追加されていて非常に楽しかった。

と、ここまで書くと探偵アクションも豊富で楽しそうと思うかもしれないが、今作ではこれらイベントが起こる回数が少ない。
特に鍵を開けるなどのイベントは一回くらいしかなかったように思う。
それによって今作の八神は探偵というよりは学校教員兼探偵のような立ち位置になってしまっていたのは残念な点だろう。

総評

前作のクオリティが非常に高く、ハードルが上がっていた本作だが、八神たちは軽々とそのハードルを超えてきた。
進化した探偵アクションの出番の少なさは少し不満であるが、新しい舞台 横浜・伊勢佐木異人町 と 誠稜高校 で繰り広げられるストーリーは素晴らしく、前作のようなリーガルサスペンス要素は薄いものの、『人の命』について考えさせられるメッセージ性の強いものになっていた。
また、本編とは関係ないユースドラマのクオリティが高く、ストーリーをクリアしてもまだまだ遊ぶ要素が尽きなかったのも嬉しかった。
賛否両論分かれるとは思うが、私の中では前作を超えた素晴らしい続編だった。

というわけで、以上レビューでした。
龍が如くスタジオは先日、名越稔洋さんと佐藤大輔さんが退社され、新体制となりました。
今後の龍が如くスタジオの発展、そして名越さんと佐藤さんのご活躍も期待しています。

それでは、また別のNoteでお会いしましょう!SeeYou!

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