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「『苦しいときには話す方が良い』の嘘」週刊フォースプレイス#14

タクシーはフォースプレイスになる。
現代人の居場所として、タクシーが意外と必要な存在になると思っています。
それはメンタルヘルスにおいてもです。

タクシーといえば「時間を買う」とも表現され、その時間でお仕事をしたり
電話をしたり、束の間の休息にしたり。
利用者によって様々な使い方がされます。

今後は「居場所を買う」とい利用の仕方もあるのではないかと思います。

今回の記事はフォースプレイスについて語っていくシリーズの第14回で「『苦しいときには話す方が良い』の嘘」のお話です。

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「タクシーを移動手段からエンタメに変えていく」
日本タクシーエンターテインメント協会 
発起人 ヨナシロ
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週刊フォースプレイス、、、
タクシーはフォースプレイスになると思っているヨナシロがフォースプレイスについてタクシーがフォースプレイスになる理由を書く連載です。
過去の人気トップ3
一位『「タクシーはメンタルヘルスの役割も担う」週刊フォースプレイス#9』
https://note.com/taxi_driver1/n/nbcc05b7f2c2f
二位『「不満を生む場所ではなく、解消する場所に」週刊フォースプレイス#10』
https://note.com/taxi_driver1/n/n45d825ca3d7b
三位『【連載開始】「落ち着ける場所を探すあなたへ」週刊フォースプレイス#1』
https://note.com/taxi_driver1/n/nb762f5159d4a

過去記事まとめはこちら


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『苦しいときは話すことが大切』
という悩みの解決方法が実は逆効果になることもあるそうです。

「TEDトーク(TED Talks)」で、「感情にも応急手当が必要」というプレゼンテーションが430万回以上再生されている心理学者、ガイ・ウィンチさんはその理由を話しています。

※「TEDトーク(TED Talks)」とは
様々な分野の第一線で活躍する登壇者が、そのアイデアを世界に広めるためのプレゼンテーションを披露するムービー。

その理由としてあげているのが「反芻(ハンスウ)」でした。
反芻とは、直訳すれば、何度もかみ続けることの意味となります。

「何かをかみ続けるように、頭の中で繰り返し嫌な場面を想像し
その時の気持ちを追体験し、ますます頭から離れなくなる」と言います。

更に、
「反芻は、最近の研究によって『心身にさまざまな害をもたらす』ことが明らかになっています。
うつ病、アルコール依存症、摂食障害の危険が増し、精神的、肉体的なストレス反応が増加することによって心血管疾患リスクが高まることも分かっているのです」
とも仰っています。

最近の研究では抑うつの傾向がある学生を2グループに分け、
一方には認知療法のワークブック(自分の気持ちや考えを明確に認識する)、
もう一方には勉強の課題をやってもらった実験があり、
その直後と4カ月後に気分の状態を測定したところ、思考のループを起こしやすい人は、
認知療法のワークブックをやったときのほうが抑うつが悪化することが分かったそうです。
この実験から分かるのは、
「たとえネガティブな考えを修正するためであっても、嫌な気分や考えを思い出させることは危険をはらんでいるということ」
だとも主張しています。

この解決方法としては「他者視点」を取り入れることをオススメしているそうです。

《他者視点エクササイズ》
1. 静かな環境で、楽な姿勢で座るか、横になる
2. 目を閉じて、嫌な出来事の最初のシーンを思い浮かべる
3. 視点を後ろに引いていき、視界の中に自分の姿が入ってくるところまでズームアウトする
4. さらにズームアウトして、遠くのほうから自分を眺めている感じにする
5. そこで視点を固定し、距離を保ったままで起こった出来事をリプレイする。通りすがりの他人になったつもりでそれを眺める
6. 嫌な出来事を思い出したときは、つねにこの他者視点に切り替えるようにする

嫌なことを考えるとき、通常は『自分視点』でものを見ていて、
例えば目の前に怒鳴っている上司がいるとすると、それを映画の全画面で見ているような感覚に陥ってしまうそうです。
そこに物理的な距離を置くと、
感情的にも距離を置くことができると言います。


これは、タクシーはフォースプレイスになると提唱している中で、
「誰にも聞かれない場所で悩みを話せる」
としている考えの反対を行きます。

この他、
静かに考えごとをしたり、
タクシー運転手に自分の無駄話を聞いてもらったり、
タクシー運転手の話を聞いたり、
といったそれぞれの居場所となれるのがタクシーで、
フォースプレイスの概念です。

居場所になることはタクシーというサービスにおいても重要ですし、
メンタルヘルスの一端を担うとも考えていますが、
間違っているかもしれない方法でタクシーを居場所とすることは良いとは思いません。

それを今回は書かせていただきました。

上記の内容から考えて、
気軽な悩みであったり
自分の悩みを「友達が言っていたんですけど」と言ってタクシー運転手に打ち明けてみるくらいなら、良いのかもしれません。
自分の悩みとして打ち明けたら運転手も気を遣う場合があると思いますし、思ってもみなかった他者視点が見つかるかもしれません。

どちらにしろ、
絶対に「悩みを話す場所」としてタクシーが存在すべきだという思いを持ってフォースプレイスを唱えている訳ではありません。
どのようなカタチであろうと利用する方にとって
それぞれが快適で居られる居場所がフォースプレイスです。

タクシーはフォースプレイスになる。



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日本タクシーエンターテインメント協会 HP(仮)

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