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東京タクシードライバーの始め方【現役タクシードライバーげん太による完全ガイド】

みなさん、こんばんは。
6年目、東京現役タクシードライバーのげん太です。
本日は『東京タクシードライバーのはじめ方』をまとめました。

※2024年1月31日に更新しています

タクシードライバーの仕事やタクシー業界を考えている方の参考になれば嬉しいです。失敗しないタクシー転職を現役タクシードライバー目線で書いています。よかったら最後まで読んでください。

東京のタクシードライバー転職の流れ

1.タクシードライバーの仕事の理解

東京のタクシードライバーの仕事内容

タクシードライバーの仕事は地点Aから地点Bまでを「迅速で、安全で、快適な」移動体験を提供することだと私は考えています。東京に限った場合、以下の能力の修得でより顧客の満足度の向上につながります。

  1. 深夜帯、夜間の運転深夜帯の需要に応じた仕事
    東京は、深夜帯でも多くの人が移動するため、深夜帯の需要に応じた仕事があります。また、深夜帯には酔っ払いなどのトラブルも発生することがあるため、対処能力が求められます。

  2. 観光客、ビジネス利用のお客さまの対応
    東京は、世界的な観光地の一つであり、多くの観光客が訪れます。そのため、東京のタクシードライバーは、観光客を案内し、東京の名所や観光スポットを紹介することが求められる場合があります。またビジネス利用のお客様も多く、主要なオフィスビルを覚えることが必要です。ビジネス利用のお客様は急いでいることが多いため、テキパキとした運転、ルートの提案が求められます。

  3. 高い運転技術と地理の理解
    東京都内は多少複雑な道路網があり、交通渋滞が発生しやすいため、目的地への最適なルートを提案する能力が求められます。大通りだけでなくタクシードライバーがよく使う道も徐々に覚えていくことになります。最近だと配車アプリからのお客さまも多いので、運転だけでなくタブレットを操作することも多いです。

デビュー後、業務に慣れてこういった能力がついてくると、お客さまから感謝されることが多い職業です。

東京のタクシードライバーの勤務体系

勤務体系は大きくこの三つに分かれています。
私が実際に勤めている営業所でもこの3パターンです。

昼日勤

約1割の人が従事している一般的なサラリーマンの時間帯での働き方。基本的な勤務時間は6時から17時。法定休憩時間は1H。月に22勤務程度。休みはシフト制。規則正しい生活が送れること。現状昼の売り上げが比較的安定していることから、安定志向の人に人気な働き方。

現状:昼の需要はかなり高いです。お客さまの接客難易度も低い

夜日勤

約1割の人が従事している夜勤帯での働き方。基本的な勤務時間は18時から5時。法定休憩時間は1H。月に22勤務程度。休みはシフト制。深夜割増(22時~5時)の時間で稼ぎたい人が多く、ベテランや凄腕ドライバーが高い売上を目指す。上級者向け

現状:夜の需要は繁華街中心にあります。お客さまの接客難易度は高い

隔日勤務(人気No.1)

8割の人が従事している東京のタクシーで最もスタンダードな働き方。一回の勤務で二日分(約21時間)働き次の日は必ず明けで休み。法定休憩時間は3H。自分の時間が多く確保できること、売り上げが上がることの両取りができる。メリットは月11〜13回のみの出勤なので通勤時間の節約になる。営業できる時間も長いため効率がいい。デメリットは睡眠時間がブレやすく1勤務当たりの乗車時間が休憩3時間を含む19時間~最大21時間と長いので、慣れるまでは体がきついこと。1回の勤務時間が長いので翌日は必ず休日になります。月々の勤務日数は11~12回程度です。

それ以外の月18~19日程度はすべて休日(正式には明休が11.公休が7)となります。
隔日勤務に慣れると、「こんなに良い働き方はない」と言うタクシー運転手も多くいるのがこの「隔日勤務」です。

2.東京のタクシードライバーの月収


最新の東京タクシードライバーの月収


・売上を上げれば上げるほど稼げるのが歩合給制度。(会社によるが、月の売上が60万円の場合は歩率60%、80万円の場合は62%等、売上が高くなればなるほど、休日出勤をすればするほど歩率は上がる傾向がある)※一部固定給の仕事もあり
・一般的には月の売上の55%~60%程度が乗務員の給料。その金額の一部をボーナスにストックする会社もある(AB型賃金制度)
・私の周りのドライバーを見ていると月収は50万円〜70万円程度が多いです
・先月、弊所での最高月収は90~100万円、中央値は40万円程度です
・正社員雇用、社会保険等は一般的な企業と変わりありません

実は安定の上に「歩合給」がある


タクシードライバーはフル歩合のきつい仕事だと思われていますが、仮に一人も乗せられない場合でも労働時間に対して最低時給1,072円以上は支払われます。また、正社員雇用なので雇い止めもありませんし、出勤中に怪我をしたら傷病手当を受給しながら休めます。社会保険も一般企業と同じです。実はそういった安定の上に「歩合給」があることを理解していただけたらと思います。

3.会社選び

初めてタクシードライバーとしてこの業界に興味を持った場合、多くの人が失敗するのが会社選びです。東京には300~400社のタクシー会社が存在し、現役ドライバーである私から見ても「稼ぎやすい優良会社」「乗務員から搾取しないホワイトな会社」は驚くほど少ないです。私がオススメできる紹介会社は300社の中でも20社以下です。また本人の性格と会社の文化が合わずに辞めていく方も一定数います。

・稼ぎやすい会社の特徴


稼ぎやすい会社とは、例えば都心の近くに営業所がある(回送時間が短いため)、営業所とガススタンドが近い(ガススタンドに寄り道しなくて済む)、配車が強い(流し営業も組み合わせることでより盤石)、事故罰則等が無く、自腹高速料金も多くない(効率的な営業ができる)、決済手数料(クレカ手数料)を取らない、歩率が高い…等が挙げられます。ここに列挙したものは、稼げる会社の特徴のほんの一部に過ぎません。また近年東京のタクシー業界はかつてない急速な変化の波に晒されており、興廃や新興といった変化が激しいです。「最新」をうたって世の中に発信される情報の多くが、現場からしたらひと昔前のものといった状況が続いています。これら多くの要素から「より稼げる会社」を判断することになります。

・搾取してこない会社の特徴


搾取という言葉はあまり好きではないですが、搾取してこない会社とは「有給が満額支給される」「有給が自由に使える」「事故罰則がない」「欠勤罰金がない」など様々ありますが、あなたの「お金」や「時間」を会社が奪うことは搾取と言えます。労働とは会社とあなたが契約上で合意のもと行うので、不当な搾取や時間外労働などは契約外のボランティアです。そのようなことがない会社に入社するべきと思います。年中シフト制でお休みを取ることになるので「シフト変更の気軽さ」や「有給が使いやすい雰囲気」「有給の理由を聞いてこない」等も大切なポイントです。

・2年縛りについて


この業界の慣習として2年縛りがあげられます。これは二種免許費用と祝金に対して「2年以内での離職時」には返金義務があるという業界慣習です。5年前20代でこの業界に入った時、1番疑問を感じた業界慣習です。最近は3年間の縛りがある会社も耳にしますし、国からの補助金があるので縛りなしでOKという会社も耳にしますが、いまだ9割の企業は「2年縛り」があるのが現状です。会社によっては3年縛りもあります。

・経験者冷遇について


これも業界あるあるですが、「経験者は冷遇」というものがあります。経験者は他社の悪癖がついているため採用したがらないというのが建前ですが、本音では「何も知らないで従順に働いてくれる未経験労働者」の方が使いやすいのと「経験者の中には前職でトラブルがあって辞めた人」も多いため面接の前に「前職・人物照会」を行う会社が多いです。

・最初の1社目が「ド大切」な理由


上記の「2年間縛り」と「経験者冷遇」がセットになってしまうのが「1社目の転職失敗時」です。具体的に言うと、最新のタクシー業界を知らないエージェントさんや、サイトの祝金に釣られて応募。入社後にブラック企業だったと気づいた場合、「2年間縛り」があって二種免許費用と祝金(会社によっては研修費用も)の一括返金をしなければ辞められません。また辞めたとしても他の優良タクシー会社への転職時には前職照会をかけられて「経験者扱い」なので冷遇されるという…しっかりと詰みゲームになっているので最初の1社目はド大切です。きちんとした会社で仕事が楽しくて2年なんてあっという間に経っているような良いタクシー会社に入ってください。

4.面接&健康診断

タクシー会社の面接で実際に聞かれたことや注意点


タクシー会社の面接で聞かれたことは以下です。
・雑談
・志望理由
・前職の退職理由
・運転や健康面
・雑談
私の時は雑談がメインでした。前職照会は面接前に事前に許可連絡もなくすでに終わっていました。後から採用担当者に聞くと前職・人物照会は多少の問題には目をつぶれるとのこと。タクシーは接客業でもあるので見た目は勿論のこと、雑談で接客の適性を見るとのことです。

タクシー会社に対する志望理由は「御社を志望する理由」と「タクシードライバーという仕事を志望する理由」に分けて考えると作りやすいです。
例えば、私は〇〇という理由(きっかけ)からタクシードライバーという職種に興味を持ちました。そして御社の〇〇や〇〇といった点で魅力を感じています。また御社で働いている〇〇さんから実際の働きやすさや稼ぎやすさなどを聞いて…未経験職となりますが、1から頑張っていきたいと思っています…etc
当然ですが、私たちは選ばれる側なので、準備していかないと優良会社の面接は落ちます。

即日で健康診断をさせたがる理由(New)


最近、面接日にそのままの流れで、即日健康診断を入れる会社が増えています。事前に告知がない場合が多いです。その会社が優良会社で第一志望であれば、稼げるタクシー会社に1日でも早く入ることがリターンの面でも正解なのですが…企業も採用コストを抑えるため、求職者の囲い込みの意味合いで「即日健康診断」を実施することが多いです。考える時間を与えない方法です。どうしても目の前の求職者を1人でも多く獲得したい…というガッツキ度は増しているなあという印象です。事前にある程度絞った上で、あなたに合った稼ぎやすい優良会社に入られることを強くおすすめします。

私たち労働者がブラック会社やその場の勢いで後悔する転職を少なくするためにできることは、「比較」です。最低でも2社、時間があれば3社、実際に行ってみて比較した方がとんでもない悪い会社に入る可能性は低くなると思います。とはいえ、最近どこの会社でも面接や採用時だけは、めちゃくちゃ魅力的に仕上げてくるのでなんともいえないですけどね。営業所や実際働いている人を意図的に見せない…というタクシー会社も多いです。

健康診断の注意点


健康診断でよく言われている注意点は「血圧」です。最近は昔ほど「健康診断」での落選は少なくなりました。持病がある方は面接前に転職エージェント等に伝えておいた方がいいです。持病があることよりも持病とどう付き合ってタクシードライバーとしての生活を築いていくか、相談に乗ってくれる優良会社、転職エージェントは多く存在します。各社「健康診断の基準」は異なっていて、健康保険を自社で持っているか持っていないかの違い…と昔は言われていましたが現在、健康診断を自社で持てている会社はほとんどないので、「長期間問題なく就労が可能かどうか」を見ています。乗客の命を預かる仕事なので、それに不適格と判断される可能性のある身体・精神的な病歴のある方は就労が可能かどうか慎重に判断、相談しながら転職活動を進めていくと良いと思います。労働基準法で「健康面」を理由に採用の合否を判断することは禁止されているので、「総合的な判断」と言われてしまいますが、私が聞くところによると多くの場合、健康診断の数値とか過去の既往歴だったりします。

5.研修


研修内容と研修中の日当、交通費

東京のタクシードライバーを始める前の研修内容は以下の通りとなります。

・二種免許取得
・地理・法令試験対策(地理試験は廃止予定)
・グループ研修
・社内研修

これら研修の実施順は、日程や空き状況で入れ替わります。約1ヶ月〜1ヶ月半程度でこなしていくイメージです。基本は9時〜17時で土日休みだったり週休2~3日で研修を進めていきます。日当は会社によりますが10,000円~15,000円、交通費も会社によって出るところと出ないところがありますが、出ないところが多いです。
地理・法令試験は合格しないと次の研修に進めないので、ある程度集中して取り組む必要があります。合格率は約50~70%です。
また、研修中は出社場所や出社時間が日毎に変わることも多く、何かとバタバタしがちです。二種免許の取得は提携している自動車教習所が混んでいる場合、合宿での取得になる場合もあります。私も福島県の教習所で合宿取得でした。

6.デビュー

添乗指導はどのような人が講師になるのか

デビュー前の添乗指導の講師は、トップドライバーや会社で社歴が長く信頼されているドライバーが担当することが多いです。班長制度がある営業所の場合、班長さんが担当することもあるでしょう。添乗乗務員は隔日勤務の売上は平均10万円程度の知識と経験があります。最初は緊張して「メーターの入れ忘れ」「パニックによる会計の間違い」があります。そういった間違いを助手席からサポート、教育、地理の案内をしてくれるのが添乗指導です

デビュー後すぐの売上目安


現状、東京タクシードライバーのデビュー後すぐの売上目安は隔日勤務で約6万円です。6万円の売上がデビュー後に出来ていれば「適性あり」です。それ以上できている方は「事故と違反」に気をつけてもっと伸ばしていくのもいいですね。それ以下の方は「学習やトライ&エラー」による大きい伸び代を持った方だと思いますが、考え方や空車時の動かし方、営業エリアの選定がズレている可能性が高いです。間違ったやり方は悪い癖となって定着してしまうので、早いうちに矯正することをおすすめします。

7.独り立ち

タクシーの仕事に慣れてくる目安は◯ヶ月

タクシーの仕事自体に慣れてくるのは約3ヶ月、道などに慣れてくるのは約6ヶ月です。それまでは精神的にキツいこともあるかと思いますが、我慢しながら踏ん張りましょう。仕事に慣れていないキツい時期でも売上を追って下さい。慣れてくると一気に楽になります。大切なのは同僚と話したり、ストレスの発散方法を持っておくことだと思います。

タクシーの売上が上がってくる目安は3~6ヶ月

東京でタクシードライバーを始めた方の売上が上がってくるのは約3ヶ月〜6ヶ月です。この時期に大きく売上を伸ばす方が多いです。目安としてはデビュー時から+2万円程度は目指したいところです。そうでないと実は、迎車専用車の方が稼げてしまいます。特にこの時期は「より効率的に」売上を上げる方法を考え挑戦していきましょう。勿論この時期を過ぎた方も考え方一つで売上は上がっていきます。学び直しも大切ですね。

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