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げん太が教える東京タクシードライバーの稼ぎ方

今回は、東京タクシードライバーの稼ぎ方について、最新の情報を「現役タクシードライバー・げん太」がお伝えします。

この記事はタクシー業界に興味がある人、東京でタクシードライバーを考えている人などに対して、稼ぎ方、収入アップのヒントを書いています。

タクシードライバーは、仕事の成果が直接収入に反映される職業です。ドライバー自身のスキルによって、多くのお客様を獲得することにつながり、収入が上がっていきます。記事の最後には「情報とタクシーの仕事」について現役のタクシードライバーが日々どんな気持ちでタクシーに乗っているか…といったことを伝えています。ぜひ最後までどうぞ。


東京タクシードライバーの稼ぎ方について【結論 = 実車率が全て】


東京のタクシードライバーの稼ぎ方は、大きく次の三つの要素から導き出される(記事の後半で説明)実車率が全てです。

実車率とはドライバーの労働時間における「お客様」を乗せている時間の割合を言います。例えば、10時間の労働時間の中で、「お客様を乗せている時間が4時間、空車が6時間であれば実車率は40%」です

現在の東京では実車率40%台は「下」、50%台は「中」、60%台は「上」といった状況です。私は50%台後半〜が多いです。さらに55%~57%は「営業の基礎スキルが出来ているね」58%で「見えないお客さまが見えてきているね」59%は「あらゆるお客さまを取りこぼしていないね」といった印象です。実車率は多くの場合、営業日報に記載されています。

稼いでいる人は総じて実車率が高いです。特に朝から~22:00くらいまではこの実車率が売上を決めてしまうのは事実です。タクシードライバーの給料は歩合制なので売上が大きくなると給料も大きくなります。

実車率を上げる具体的な3つの営業方法


流し営業

地方のタクシーでは駅等でのつけ待ち仕事が多いイメージですが、東京のタクシーは流し営業8割、つけ待ち2割でお客さまを乗せています。つまり、ほとんどが道で手を挙げているお客さまを乗せる「流し営業」です。各ドライバーの流し営業のスキルが「売上」に直結しています。※アプリ配車、無線を除く

流し営業のスキルはタクシードライバー個人の固有スキルになっていますが「基本動作」が存在します。以下「基本動作」のうち幾つかを例示します。

<車間をあける>
前方の車両との車間を広めに取ることにより、お客さまを乗せやすくなります。また事故防止にもなります。


<前だけでなく左右後方のお客さまも探す>
特に交差点停車時は左右後方も確認するようにしましょう。お客さまにドアノックされて「いいですか?」って言われるまでお客さまの存在に気付かないことが1回でもあると失格です。

<交差点では「左先頭」で止まる>
停車中にお客さまが乗ってくるため。タイミングを見はからって信号は左先頭で止まる。青信号でも後続車両がいなければ「左先頭」で停車、黄色信号は後続車がいても「左先頭」で停車。このくらいの意識でやってOKです。


<交差点のターンレフト>
日本の道交法では左方優位の原則で先に曲がれるためお客さまを獲得しやすいです。

このような「流し営業」のスキルを使って効率的にお客さまをお乗せしていきます。基礎的な動作はどれだけ疲れていても「しっかり行う」ことで実車率が上がっていきます。売上の高いドライバーほど基礎的なスキルをしっかり行っています。

乗り場営業

駅のタクシー乗り場、各社専用乗り場は積極的に活用するべきです。
(特に専用乗り場は単価、客数ともに充実しているタクシー乗り場が多い)
乗り場には入出庫の仕方やルールがあるので各営業所での資料等を参考にしてください。

東京の駅、タクシー乗り場では品川駅高輪口、東京駅八重洲口は初心者、上級者共に非常に使いやすい乗り場です。

また羽田空港やNHK、乗禁時間の銀座など、高額単価が狙える乗り場もあります。そのような乗り場では待ち時間も長いが、単価が高いといった傾向があります。繁忙時間帯では高額単価乗り場でもタクシーが足りていないこともあるので近くを通ったら意識してみるといいでしょう。

乗り場攻略のヒントは1時間で何台くらい流れるのか、客単価はどのくらいかといった視点が大切になります。乗り場によっては夜は流れるけど、朝は流れないといった特徴がある乗り場も多いです。実車率を高められる乗り場は積極的に狙っていきましょう。

アプリ配車、無線営業

<アプリ配車>
アプリ配車もコロナ禍以降急速に増えています。(体感300%増)かつて無線配車+アプリ配車は全営業回数に対して10~20%程度だったものが、今は40~50%まで増加しました。アプリ配車は会社によって強い会社とそうでない会社があります。今はアプリ配車がなくてもスキル次第で売上は立ちますが、選べる営業ツールは多い方が良いかなというのが私の所感です。

<無線>
無線とは電話受注でのタクシー予約配車のことです。コロナ禍以降、無線営業が増えました。(体感150%増)無線営業のお客様は流しのお客様よりも単価が高い傾向があります。迎車料、予約料等も私たちの収入になるので、「全て」取りに行ってください。現状、東京の大手企業4社はすべて無線営業に力を入れており、故意に無線を取らない乗務員に対しては厳しい姿勢で対応しています。

おまけ:マグロ営業とは

「マグロ営業」とは常に走り回っていないと心配になってしまうという営業の癖です…。流し営業がメインになると「常にタクシーを走らせていること」で稼いでいる気になることも多いです。しかし、お客さまを乗せずに走っていても1円にもなりません。ガスが減って疲れるだけです。そこで必要になってくるのが乗り場やつけ待ち、アプリ配車、無線といった多方面のツールです。自分が「マグロ営業」をしているな?売上の割に車を走らせているな?と思った時にも「実車率」を確認してみて下さい。普段より実車率が低くなっているはずです。

3つの営業方法。営業ツールを組み合わせて「実車率」を上げる

これらの営業方法・営業ツールを上手に組み合わせて、実車率をコツコツあげていくことが「東京タクシードライバーの稼ぎ方」です。

おさらいすると、
・流し営業
・乗り場営業
・アプリ配車、無線営業
この3つの営業手法があります。そして、東京エリアのタクシードライバーはつけ待ちよりも流しながら(車を動かしながら)お客さまを乗せることが多いです。流し営業以外の二つのツール(専用乗り場やアプリ配車)は個人の努力よりも、どこの会社に所属しているかが重要になっています。稼ぎやすい、優良会社を選んで入社することが大切です。

以上、東京タクシードライバーの稼ぎ方について【結論:実車率が全て】でした。かつては(コロナ前)流し営業さえできれば実車率が上がっていた時代もありました。時代は移り変わり、流し営業に他のツールをミックスさせていかに効率よく実車率高めるかという時代になっています。

最後に「情報とタクシーの仕事」

このような営業手法についての最新の話題がYouTubeやツイッター、ブログといったインターネット上に上がることは基本的にありません。なぜなら、皆、自分だけが美味しい思いをしたいからです。私も闇雲に全ての情報を出すことはしていません。選んで出しています。ただ業界全体であまりに情報がクローズドで、自分本位のタクシードライバーが多かったからこそタクシーという仕事のイメージの悪さや就業希望者の低下につながっています。ある程度、信憑性の高い情報がなくては希望よりも不安が大きい転職になってしまいます。そして本当に美味しい情報は「インターネット上には落ちていない」です。私たちドライバーは日々、街に繰り出すことでのみ、真実に近い美味しい情報をこの目で探しにいきます。

年収は600万円程度、月12回の勤務、休日は仕事と完全に切り離せるプライベートの充実…、お客さまから直接感謝の言葉を言われます。運転も好きですが、接客や売上を磨いていくとよりタクシーが大好きになります。エッセンシャルワーカー(生活の根幹を支えるのに必要不可欠な仕事)として世の中の役に立つ良い仕事です。イメージよりもずっと「世の中の役に立ってる感」は感じることができる仕事だと思います。

今回はタクシーの稼ぎ方、特に実車率に焦点をあてた解説をしました。

本日の記事は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。

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タクシーちゃんねる・げん太でした。
また次の記事でお会いしましょう。