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3分でわかる!インボイス制度 -Ⅰ

 令和5年10月1日からいよいよ「インボイス制度(適格請求書等保存制度)」が始まります。
 しかし、納税者の皆様の中には「インボイス制度」そのものがよく分からず、特に今まで免税業者であった事業者にとっては、インボイスの登録申請をするべきか否かを悩むところだと思います。
 そこでここではこうした事業者の皆様を対象に、Chapter Ⅰと Chapter Ⅱに分け、以下の項目に従って解説していきます。

Chapter Ⅰ(2023.9.2 配信済み)
1. 消費税の仕組み
2. インボイス制度の仕組み
3. インボイス発行事業者になるには
4. 免税事業者の判断の必要性

Chapter Ⅱ(2023.9.12 配信済み)
1. 免税事業者がインボイス発行事業者になるか否かの判断基準
2. 令和5年度 税制改正
3. インボイス発行事業者になった場合の手続き
4. おわりに 
 
 出来るだけ分かりやすく、なるべく専門用語を使わずに解説したいと思います。このコラムが、皆様の一助になれば幸いです。



1. 消費税の仕組み

① 消費税の仕組み
 まず、インボイス制度が問題となるのは、当然ながら「消費税」です。
 この「消費税」について、解説していきたいと思います。
 消費税の計算は、次の計算式によって求められます。

 実際の計算はこんなに単純ではありませんが、ここでは概要のみ理解して頂ければと思います。

② 課税事業者と免税事業者
 消費税の納税義務者は、全ての事業者が対象になる訳ではありません。
 原則として、課税される事業年度(課税期間)の前々年の基準期間の課税売上高が1,000万円超の事業者が「課税事業者」となります。(特定期間の説明は省略します)
 つまり、基準期間の課税売上高1,000万円以下の事業者は消費税の納税義務がない「免税業者」となります。
(注)課税売上高とは、消費税課税の対象となる売上高のことを言います。


2. インボイス制度の仕組み

 インボイスとは、いわゆる「適格請求書」のことです。
 消費税の計算をするとき、下記(B)の仕入にかかる消費税(「仕入税額控除」といいます)を計算する場合、ここに適格請求書があるものでなければ、控除できないこととしたのです。


3. インボイス発行事業者になるには

 仕入にかかる消費税を計算する場合、仕入先のインボイスが必要ですので、仕入先は「インボイス発行事業者」になる必要があります。
「インボイス発行事業者」になるには「適格請求書発行事業者の登録申請書」を税務署長に提出し登録を受ける必要があります。
 もともと課税売上高1,000万円超の消費税の課税事業者は、この登録申請書を出せばインボイスを発効できます。
 課税事業者は多少の事務処理の負担を除けば、今まで通りの事業活動を行うことができ、問題が生じることは少ないと思います。


4. 免税事業者の判断の必要性

 ところが、課税売上高1,000万円以下の免税事業者である場合には、大きな決断が必要となります。
 何故なら、インボイス発行事業者になることは、その売上高に関わらず、消費税の「課税事業者」になることを意味するからです。
 そして、毎年納付の為の事務及び申告が新たに必要となります。


 今回の内容は、ここまでとなります。
 次回はChapter 2として、免税事業者が「インボイス発行事業者」になるか否かの判断基準などを中心に、9月12日(火)に配信します。
 なお、質問などある場合は、国税庁インボイスコールセンター(0120-255-503)もしくは最寄りの税務署にてお問合せください。

 本記事におけるテキスト、画像等の無断転載・複製を禁じます。

 ▽ 次回の記事はこちらから。

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