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モンタナ州の「フェラーリ税」の話

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こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。

今日はこちらのポストから。

フェラーリの創始者であるエンツォ・フェラーリの激動の1年を描いた映画「フェラーリ」が公開されたとのことですが、ここは減税新聞ですので税金の話をしない訳にはいかないでしょう。

ということで今日は映画には全く関係のない

モンタナ州の「フェラーリ税」

について書いていこうと思います。

といっても正式にはモンタナ州に「フェラーリ税」はありません。

「フェラーリ税」とは、2017年にモンタナ州議会で議論された「15万ドル(約2500万円)以上の車に年1%の税金を課す案」のことを指すのですが、最終的には車の登録手数料の上乗せという妥協案になり可決されなかったからです。

ではどうして「フェラーリ税」なんていう話が出てきたのでしょう?

実はこれにはとても興味深い裏側があるのです。

アメリカには売上税を課さない州が5つありますが、モンタナ州もその一つです。

説明するまでもありませんが、売上税がゼロであることはフェラーリのような高額なスーパーカーを購入する際には大きな金額の差を生むことになります。

例えば売上税が8.875%も課されるニューヨークで120万ドル(約2億円)のマクラーレンP1を買うと、税金だけで1700万円も取られることになります。(それでも日本より安いですが…)

一方、同じ車をモンタナ州で買えば売上税を取られることはありません。

支払うのは約1000ドル(約16万円)の登録料のみです。

それだけではありません。

モンタナ州には排ガス検査などの「車検」がありません。

つまり維持費も格段に安いのです。

となれば人々がこの差を見逃すはずはなく、フェラーリやキャンピングカーなどの高額な車を買う際にはモンタナ州まで行くことが「節税方法」として知られています。

しかしこの方法は、高級車のみにしか通用しません。

なぜなら安い自動車登録料も車検の免除も、モンタナ州の住民か、または企業でないと適用されないからです。

そのためにこの節税方法を行う人達はモンタナ州にペーパーカンパニーを作り、車を会社所有にすることによってその条件をクリアしています。

そうした会社の設立には専門の設立代行業者に依頼することになるので、そこに支払うコストに十分に見合うのは「高級車のみ」となってしまうというわけです。

ちなみにモンタナ州には800台近いスーパーカーが登録されているそうで、前述したマクラーレンP1においては生産された375台のうちの1割がモンタナ州で登録されているという噂もあります。

また、売上税ゼロはもちろん車だけでなく、例えば飛行機やヘリコプターにも適用されるので、ちょっとググるだけでもこうした会社設立代行業者さんの宣伝がいくつも出てくることになります。

LLCとは合同会社のことです

つまりモンタナ州は「タックスヘイブン」となっているわけですが、こうした現状をよく思わない一部の議員によって2017年に「15万ドル以上の高級車に年1%の税金を掛ける」とした下院法案650号、通称「フェラーリ税」が提案され、議論されることになります。

しかしこの「フェラーリ税」は、地元の自動車ディーラーから猛反発を食らいあっという間に頓挫しました。

そしてその反対のおかげで多くの州では、今日もモンタナのナンバープレートを付けたスーパーカーや高級車が走っているというわけです。

さて、ここまで読んで「こんなのズルい。不公平だ」と感じた人は、自分が社会主義の呪いにかかっていることを自覚した方が良いでしょう。

当たり前のことですが、誰がどんな車をどこで買おうが我々に何の害もありません。

また「税金を払わないと公的サービスが」とか「こんなことは止めさせて、もっと金持ちから税金を取って分配しろ」という言い分も、それぞれの州の公的サービスの現状や歳出内容、モンタナ州のこの制度が与える影響などを精査したうえで言っていないのなら、それは「あなたの思い込み」でしかなく、ただの「妬み」です。

スパイト行動(※たとえ自分が損をしても、相手に得をさせないようにする行為や心理)によって、他人の財産を政府に没収させようとする考えは「社会主義への道」でしかありません。

節税や租税回避は決して悪いことではなく、政府から財産を守る当たり前の行為です。

もし仮に「スマホ決済で買い物すれば消費税がゼロになる」という法案が出来れば、みんなこぞって現金での買い物を止めるでしょう。

そしてそれに対しては決して「ズルい」とか「スマホ決済も税金取れ」という事は無いはずです。

モンタナ州の話もそれと何一つ変わりません。

それなのに富裕層の節税だけは「ズルい」と感じるのなら、それは資本家を憎み、労働者の平等を願う「社会主義思想」という呪いに囚われている可能性が非常に高いです。

今すぐ回復呪文である

政府の取り分を減らせ

を唱えた方が良いでしょう。

呪文を唱えている間に、私はついこの前自動車税を取られたばかりなのに、車検代の請求書が来たようなので自動車重量税も取られてこようと思います。

ファー~~ーー××!!!!(汚い言葉)


では今日はここまで。

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