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同人誌から学び真夏へ思いを馳せる

同人誌(二次創作)の漫画を拝見する機会があった。

私は漫画こそ大好きだが同人誌には手を出したことがなく、言葉の意味それ自体も実はあまり理解していなかった。

おそらく既存の世に出回っている漫画やアニメ・ゲームの登場人物たちのストーリーを自分たちなりにオリジナルでアレンジして疑似スピンオフ的な作品がそれと言うのではないか、と思っていた。

でもって漫画上ではありえないカップルが出来上がったり、それはもちろん男女に限らず男が上で男が下である場合も往々にしてあり、女も同じくということで成立しているのではあるまいか、と。

結論から言ってそんなに間違っていなかった。

というか少なくとも私が読んだ中では9割方後者の行為が繰り広げられていたので「よかった間違っていなかった」と安堵するとともに大変興味深く拝見した。

なにをどこまで言っていいのかもはや測りかねるが、名探偵の少年は蘭ではなく薔薇を愛し、はたまた私の知っているとあるジブリの主人公たちはヴァイオリンを作るはずの台でプロ顔負けの三重奏を下半身で奏でまくる、といった有様だった。

しかしストーリーの発想もさることながら絵の美しさや繊細な心の描写はどうだ。

東京ビッグサイトで真夏に行われるコミックマーケットが例年大盛況なのはニュースを見て知っていたが、絵もストーリーもここまで作りこみに熱量があるとは予想だにしていなかった。

アナルがあったらいや穴があったら入りたい気持ちになった。

もうすぐ夏がやってくる。
毎年ニュースで「猛暑予想」が繰り返されるのがお決まりになってしまった昨今だが、この際真夏は在宅勤務とする法律をそろそろ検討願いたい。

ほかの季節では雨にも雪にも竜巻にも負けず出勤するこの国民性を称えて夏くらいは大目に見て欲しい。

選択の自由が欲しいのだ。

ライフラインで働いている出勤がメインのお仕事の方には夏季出勤手当をぜひ。

そういう方々のためにも満員電車や電車遅延という状況は作るべきではない、特に夏。

具合が悪いお客様のアナウンスが良く聞かれるが、当然である。

あの気温と湿気の中具合が悪くならないほうが奇跡である。個人の努力ではどうにもならないのが日本の夏だ。

私が小学生の時はそれなりに朝晩涼しかった記憶があるが、今どきの夏ときたら朝も夜も気温の高低差はほぼない。

真面目な我々は「ちょっと気分悪くなったので駅で休んでから向かいます」と震える手で律儀に会社に連絡を入れ這う這うの体で出社しようとするのだから、そろそろここらへんで企業からの、いや国からのストップがかかってくれると選挙も幾分スムーズに進む気がしている。

不要とは言わない、でも不急なら立ち止まれ。疫病以降変わってよかったこともたくさんあるが(ビデオ会議やテイクアウトの普及など)、変わらなかったこともたくさんある。

その一つが通勤だと常々思うのだった。

ということでただ暑さから逃れたいという中年からの叫びなわけですが、やはり唯一外出が許されるとしたらコミケなのだろう。

8月の一番暑い時期に新橋または国際展示場はさらなる熱気を帯びる。

あのけったいな建築物とてこのためにだだっ広く作られたのだろうから(推測)、開催しない手はない。

きっとこの日のために、クリエーターたちは頭の中をそれ一色にしてストーリーを練りペンを走らせる。

あの薄い本には中野浩一の太ももよりも分厚い情熱がたぎっているに違いない。

全部予測だけどそう信じたい。
それほどに衝撃を受けた同人誌読書体験であった。人の世は創作がある限り何とかなる気すらした。

世の中のことなどほとんど知った気でいたがまったくもってそうではなかった。

妄想が創造と結びつくと節操なしとなる、そんな学びを得た初夏である。

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