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父のこと/命のこと

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2021年、コロナ禍に脳梗塞で逝った父のこと。いくつもの重い決断を迫られた、私たち家族のこと。その後の、日々の暮らしのこと。/父に限らず、命のことをテーマにした内容です
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#入院

受け入れ難い現実に直面したとき、後悔しないためにしたこと

いつも読んでくださっている皆様へ。 急にこんな高値をつけてごめんなさい。むしろいつも読んでくださってる皆様へは、いつもどおりに読んでいただきたい気持ちもあるのだけど。 でも今回の日記は、大勢の目に触れるところへ晒しっぱなしにはしたくない、私にとってはとても大切な話だと思ったから、こういう設定にしました。 内容は、とてもとても個人的なことです。 父がまだ入院していたときのこと。その間に考えておかなければならない、今後の生活のことについて。意識が戻らない父の介護をどういう形

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新月を待たずに父は逝く

入院していた家族――父が逝った。今まで「父」と言わず「家族」と濁していたのは、母の意志と父のプライドを尊重するため。 「お父さんはプライド高いから。自分が意識不明の寝たきりになったなんて絶対周りに知られたくないだろうから」 母は、父がもう助かる見込みがないことを伏せ、「コロナ予防で家族でも会えないから、様子がまったくわからない」「多分いつもみたいに軽いんじゃないの?」と周囲へ言い続けていた。父は過去2回、とてもとても軽い脳梗塞で入院していたが、3度目の今回は、極めて重いも

早く、コロナ禍を、終わらそう

入院した家族に会えない。コロナ禍だから。 だけどコロナではないから、危篤のときは家族のみ会えるという。 つまり次に会えるのは、退院時か、危篤時ということ。他県の者は、たとえ近親者でも、コロナ陰性でも、そもそも病院に入ることすらできない。 これがコロナ禍か、と愕然とする。 着替えなどは看護師さんに渡す。考えようによっては、家族が24時間つきっきりでいるよりは楽だとも言える。家の仕事にも手をつけることができる。――実際はパニック状態で挙動がおかしなことになっているが。 それ