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生きる力

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戻ってきた実家での田舎暮らし。里山の風景。染みるご近所付き合い。親類のありがたみ。母から学ぶ農作業。できなくてもいい。知っておきたい。
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#畑作り

私の小さな農園に堆肥を入れる

私の小さな農園に苦土石灰を入れてから一週間が経った。今度は堆肥を入れるため、母と私、それぞれが一輪車を押す。 私の一輪車には、マルチシートや「野菜肥料」とマジックで書かれたペットボトルが積まれていた。母の一輪車にはスコップが積まれ、畑のすみにある堆肥(臭くない)を一輪車へ何回かすくって入れる。 そして私の小さな農園へ。 目の前に広がるご近所さんの田んぼでは、田植え機をいじる見知らぬおじさんがいた。 「今朝早くからオデッテャア(手伝い)来てんだっけ」 母が田んぼを眺めて

私の小さな農園

去年は草刈り機(刈り払い機)を覚え、せっせと草刈りに勤しんだ。今年はさらに、農作物をひとつふたつ育ててみようと思う。 母にも言われたが、健康上の理由で、私は農業一本で生きていくことはできない。それはわかっている。だけど今のうちに小さな経験は積んでおきたい。 震災、コロナ禍、離婚、父の死、戦争の影響――たった10年、11年の間にこれだけのことが起こった。これから先だって、世界や私の生活が予想外の変化を遂げないとも限らない。 だからたとえ微々たるものだとしても、「生きる力」