見出し画像

ウェルビーイングとサステナビリティの関係

ここ数年で浸透してきた「サステナビリティ」、そして、最近よく聞くようになってきた「ウェルビーイング」。なんとなく近いように感じるけれど、なぜそう感じるのだろうか。

そんなふとした思いつきから、関係性を構造図にしてみました。
基本的には、個人の仮説に過ぎないことをお断りしておきつつ、ひとつの参考になれば幸いです。

大きな捉え方をすると、「ウェルビーイング」は個人寄り、「サステナビリティ」は社会寄り。なので、「サステナビリティ」がなんとなくとっつきづらいのは、自分から遠いからではないでしょうか。逆に「ウェルビーイング」は、人生100年時代と言われている中、いかに「よく生きる」ことかと捉えれば、自分ごと化しやすいでしょう。

今回、構造化していく中で見えてきたのは、多くの個人が「よく生きる」ためには、世界が「サステナブル」である必要があるということです。
それについて、一つずつ説明していきたいと思います。


①「環境」と「平和(人権)」が「サステナビリティ」をもたらす

まずは、一番下の「サステナビリティ」の関係性からみていくと、「環境」(生物多様性や食など)が良好な状態であり、且つ、世界が「平和」(人権保障、DEIが実現され、争いが大きくならない状態)であると、世界はサステナブルな状態に近づくでしょう。まさに、SDGsで目指すところです。

もちろん、より持続可能であるためには、消費を抑えるだけでなく、限りなく再生可能(リジェネラティブ)になっている状態が望ましいです。

そして、この「環境」と「平和」は、相互補完的な関係にあります。「環境」を資源と読み替えると、「平和」でないと、輸出入は自由にできないですし、また、「資源」の偏りが解消されないと、「平和」が脅かされるからです。

②「環境」、いわば自然と食が、「心」と「体」に豊かさをもたらす。

次に、左の「環境」と「心」と「体」、そして「健康」の関係性をみてみましょう。

人の「体」は、食べているもので出来ていると言っても過言ではありません。そして、食育という言葉があるように、良い食は、「心」を育みます。まさに、「人に良い」と書いて「食」ですね。観念的な話だけではなく、しっかりと栄養を摂ることが、「心(精神)」を司る脳の発育にも影響します。

良い食をつくるには、農業や畜産、加工〜流通〜廃棄においても、生物多様性が保たれていて、環境に負荷をかけすぎず、フードロスも抑え、循環的になっている必要があります。

また、自然に触れることは、心にゆとりをもたらします。森林浴や、山に登ったり、どこまでも続く水平線、満天の星空、動物とのふれあいなど、人の心に影響を及ぼすものは大きいでしょう。

また、言うまでもなく、「心」と「体」はつながっています。「心」と「体」が充実してこそ、「健康」と言えるでしょう。

③「平和」でないと、「学ぶ」ことも、「人とつながる」ことも出来ない


次に、右側の「平和」と「学び」「コミュニティ」、そして「しごと」について見ていきましょう。

戦時のことを想像すれば、その中で「学ぶ」こと、そして「人とつながる≒コミュニティを形成する」ことが困難になることは想像に難くありません。それは、人権が侵害されていても同様だと思います。世界が「平和」であり、多様な価値観が共存している状態でないと、世界中の様々な人との接点を失い、「学び」が偏ってしまうでしょう。

良質な「学び」を得るためには「コミュニティ」が不可欠です。安心安全が保障された人間関係の中だからこそ、人は本音でコミュニケーションを取ることができます。情報の海の中でも迷わないリテラシーを身につけるためにも「コミュニティ」は重要です。

「しごと」とあえて平仮名で書いたのは、いわゆる生きていくための日銭を得る「稼ぎ」と、社会への貢献や使命といった「務め」の、いずれも仕事といえる両面の意味を持たせるためにですが、そんな「しごと」の質とスケールの向上には「学び」と「人とのつながり」が不可欠です。

また、同時に健全な「心」と「体」を得るには「学び」と「コミュニティ」が必要ですし、それらが充実することによって「心」と「体」もさらに向上していくでしょう。

④「ウェルビーイング」は、「健康」と「しごと」が充実していること


まず、切実な問題として、人生100年時代となった時に、生きるためのリソースが必要となります。有り体に言えば「お金」ですね。ただ、お金がなくても、自分で食料を生産できたり、誰かから融通してもらえる人とのつながりが出来ていれば、まあ大丈夫でしょう。

生きるためのリソースを確保し続けるために「健康」が必須条件となってきます。働くだけでなく、楽しむためにも「健康」は必要ですよね。そういう意味だと自身の「健康」もリソースのひとつですね。

特に重要なのは「幸せ」であること。「幸せ」の定義は難しいですが、自分の場合だと「美味しいご飯や楽しい時間を、家族や仲間と分かち合えていること」でしょうか。そして、その「楽しい時間」をつくるために、「しごと」が重要なのだと考えます。

その「しごと」とは、必ずしも社会貢献をすることに限りません。誰かのためにということや、人と比べずに、無条件にのめり込めることに取り組んでいること、そういうことから達成感や充実感、歓びを得られていることだと思います。

そんな「しごと」で得られたことや、物語を分かち合うことが「楽しい時間」につながるのだと思います。

「ウェルビーイング」と「サステナビリティ」は表裏一体


どっちが「表」で「裏」ということもありませんが、上下もなく、ただ「ウェルビーイング」を真に実現しようとすれば「サステナビリティ」もセットになるということです。また、なんのための「サステナビリティ」かと言うと、「ウェルビーイング」の実現のためだということも忘れてはいけません。

「サステナビリティ」だけを取り出すと、自分から遠いような印象をもたれることも多いですが、その目的は「地球のため」だけでなく、「自分たちが良く生きるため」ということなんですね。



というわけで、ここまでなんらエビデンスを示すわけでもなく、直感的なことをつらつらと書いてみましたが、いかがでしょうか。個人的には、ある程度整理が出来て、スッキリしましたが、細かいところを突っ込めばキリがないので、今回はこの辺で。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?