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詩 ミニ手紙

小さな紙に好きと書いた

僕はその紙をぐちゃぐちゃに丸め

ポイと捨てた

そして僕はまた新しい紙に好きと書いた

また同じように捨てた


いつの間にか丸くなった紙が

たくさん転がっている

僕は大切にその紙を一つ一つ

綺麗に広げて重ねていった

しわしわになった好きを

これは捨てられない大切なものだと思い

必死でのばした


そうするとこのしわだらけの紙を

君に届けたくなった


君はそれでいいと言ってくれた


すきをぐちゃぐちゃに丸める僕も

それを伸ばして大切にする僕も

それを結局君に届けてしまう僕も

君は受け止めてくれる


君はしわだらけの小さな手紙を

大切そうに見つめた

好きとしか書かれていない

たくさんのしわくちゃな紙を

大切に撫でてくれた


僕に触れてくれているようで

嬉しくて嬉しくて

しかたがなかった

このままで大丈夫だよと

君は指先で伝えてくれた


手紙は届いて初めて

意味があるんだなと思った

怖くても君の手に届けたい

とても短い手紙

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