たつこれ第5回 9月入学のメリットとデメリットについて
5月21日に【zoom】で収録された、「福田達夫の『これってどうなの』」(略称:「たつこれ」)。
第5回のテーマは、「9月入学のメリットとデメリット」。
政府は、2月27日の〈新型コロナウィルス感染症対策本部(第15回)〉の議論の結果、子どもたちの健康と安全のため、3月2日から休校するよう要請しました。
いまも一部を除き、各市町村では休校措置が取られていますが、学校再開も模索されています。
そこで今回は、おなじみ佐藤由美子(フリーアナウンサー)と福田達夫(衆議院議員)、そしてゲストの立石裕明さん(一般社団法人 小規模企業経営支援協会代表理事)が、今後の学校再開に向けた課題について掘り下げていきます。
こちらから、全編がご覧いただけます。
【前編:9月入学のメリット】
【後編:9月入学のデメリット】
今回のnoteでは、第5回の収録内容を受けて、「9月入学のメリットとデメリット」について要点をまとめました。
●子どもたちのことを第一に考えた議論が、進んでいます
自民党では「秋季入学制度検討ワーキングチーム」が発足し、すでに週3回の議論が始まっています。
そこで「9月入学」について検討されていますが、話の中身は、ただたんに
〝入学時期を変えるための法律や制度について〟
ではありません。
未来ある子どもたちにとって、何が最善か。
子どもの将来のことがいちばん大切です。
子どもを最優先に考える議論の中で、「こういうふうにすべきだ」という結論が出たら、それに従って法律や制度を考える。
「まず子どもありき」で議論を進めています。
この2ヶ月間、学校に行けなかった子供たちをどうするか、という直近の課題。
それに加えて、子どもたちが、これからの時代を生き抜く力をしっかり身につけるためにはどうするか、という問題もあります。
さまざまなことを含めた上で、9月入学へ変更した場合におけるメリットとデメリットについて、お話しいたします。
●「9月入学」の〝メリット〟
メリット① 勉強時間がとれる
9月入学に変更することによる一番大きなメリットとして、休校期間中の遅れを気にすることなく、勉強することができる、ということがあります。
これまでと同様に、「一年間」という時間が確保できるため、〝遅れてしまった2ケ月を詰め込まなくてはいけない〟という心配もなくなります。
メリット② 学年の真ん中に長期休暇を挟まないで済む
日本では3学期制をとっており、長期休暇である“夏休み”が、1学期と2学期の間にあります。9月入学になれば、夏休み前に3学期が修了し、卒業。つまり、夏休みは進級や進学のための心の準備期間に充てられます。長期休暇となる夏休みを有効に活用できる、といえるでしょう。
メリット③ 海外の学校とタイミングが合う
国際化の中で、「海外で学びたい子」、「日本で学びたい海外の子」、そういう希望が増えています。国によって入学時期は違いますが、多くの先進国では「9月入学」が採用されています。そのため、海外のたとえば大学との接続が良くなる、というメリットが考えられます。
●「9月入学」の〝デメリット〟
デメリット① 学校に行かない期間が長引く
今年9月入学に移行する場合、今後、6~8月の3ヶ月間学校に行かない期間を作ることとなります。その場合、今年に関しては、半年間のブランクができてしまいます。
学習面はもちろん、子どもの精神的な成長にとっても、良いこととは言えません。
デメリット② 学級数の増加
現在は、1学年の生徒数を少なくし、生徒ひとりひとりに対して、先生の指導を厚くしていく方針がとられています。9月入学に移行した場合、現状の1学年分の生徒数に加え、4~9月生まれの半年分の子どもたちも受け入れるため、単純計算で1.5倍の生徒数に。
一時的とはいえ、1学級の生徒数が大きく増えることへの影響が懸念されます。
デメリット③ 他国に比べ教育の遅れが生じる
4月に入学するべき生徒が、9月入学になることによって、他の先進国と比べて教育を始める時間が遅れます。
昨年の9月に入学していれば世界水準ですが、
今年の9月に入るということでは半年遅れる、
ということになります。
お伝えしたいこと 福田達夫より
●保護者の方と子どもたちの気持ちを受け止めながら
なにより子どもの立場に立つこと。
当たり前ですが、このことをご理解いただきたいのです。
おおげさではなく政治家も役人も、本当に
「子どもにとって、いちばん良いことは何か」
を、すべての議論の中心に置いています。
まず大きな方向性を、私たちは国政の立場からきちんとお出ししていきます。
そして、皆さまがお住まいの自治体、都道府県や市町村の教育委員会の方たちに、その地域に合った教育、学校のあり方を議論いただくことになります。
保護者の方や子どもたちの気持ちをしっかりとお聴きしながら、教育委員会の知識と知恵を集めていただくことになるのではないかと思います。
高崎市の飯野教育長に伺ったところ、〝夏休みを2週間強短縮し、学習に充てる案など含め、あらゆる工夫を形にし、打てるべき手を打っていく〟というお話も伺いました。
そして、力強く私に、
「(これまでと)遜色のない教育をする」
と、おっしゃってくださいました。
今後、先生方、保護者の方、子どもたちの気持ちを受け止めた、前向きで〝これまでと遜色のない〟方策が実現していくものと、考えております。
・たつこれYouTubeチャンネル
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