たつこれ第3回 今回の補正予算が成立するまで

4月30日に【zoom】で収録された「福田達夫の『これってどうなの』」(略称:「たつこれ)。

新型コロナウィルス 感染症対策について、とくに経済的な影響、その正しい情報、施策の仕組みや意味を正確にお届けする「たつこれ」。

第3回のテーマは、「今回の補正予算が成立するまで」。

4月30日、新型コロナウイルスに対する補正予算案が成立しました。
その経緯について、ナビゲーターの佐藤由美子が、専門家二人にとことんインタビューをしました。

中小企業支援策など成立のため行動してきた、衆議院議員・福田達夫。
そして、経営者としてのどん底経験から、「真に活かせる」小規模事業支援策の策定に尽力されてきた、ゲストの一般社団法人 小規模企業経営支援協会・代表理事、立石裕明さん。

こちらから、全編がご覧いただけます。


今回のnoteでは、第3回の収録内容を受けて、一般の方があまり見聞きすることのない「補正予算が成立するまでの経緯」について、Q & A方式でわかりやすく要点をまとめました。

●これまでにない異常事態への対応

Q1:今回の補正予算は、どのような経緯で成立したのですか?

A1: 2月27日の休校要請をきっかけに加速し、与党内で異例のスピード議論。その後、国会で4月27日から30日の4日間という大変短い期間で審議が終わりました。

2月27日の休校要請。
みなさんも、驚かれたことと思います。そして多くの親御さんが子どもの健康、家族の健康を思って納得する一方で、大きな困惑・葛藤が生まれたのではないでしょうか。
なにより、子どもたちへの様々な面での影響が懸念されています。

それゆえに、一日でも早く日常を取り戻すため、命を守る「防疫、医療の拡充」はもちろん、生活を維持するための「経済を支える施策」を、すぐにでも実行しなければなりません。

通常、政策はつぎのような流れで決まっていきます。
国会が始まる前に、与党内で政策についての議論が行われます。
その議論をとりまとめ政府へ提出。国会審議が始まります。

①与党の中で議論して、「与党案」をつくる(通常は3か月ほど)
②積み上げられた政策を政府に投げる
③政府が整理し、国会で審議

今回は、①の与党案作成が、普段のおよそ倍のスピードで策定され、③の国会審議は4日間で終え、補正予算が決まりました。

メディアでは、国会での審議を中心に報道されますので、与党内での動きはあまり注目されません。しかし、そこに目をやることで、さまざまな動きもよく見えてきます。

今回は、通常3か月程度かけて作られている「与党案」が、1か月半で作成・提出されたことから、政治の対応もまた緊急で進んだことを理解していただけるかと。
もちろん、十分だとは言えません。これからも、さらにスピードアップした対応をしてまいります。

Q2: 政府の対応が遅いとの世間の声がありますが?

A2:法を無視することはできませんが、コロナという異常な事態に対応するため、法の範囲の中、できる限りのスピードで政策を決定しています

2月下旬、政策についての議論が始まりました。
こんな状況の中。個人はもとより、お店や小規模な会社でも、3月は年度末、また4月末にも支払うお金が必要になる。
そのための、たとえば「特別定額給付金」「持続化給付金」

いままでに例のない方法、例のない金額を皆さまにお渡しするために、成立を目指す同志たちと、与党の中で押しまくった1か月半でした。

前例のない政策。

前例のないことを法律に照らし当てながら、議論し結論を出さねばならない。

それも、速く。

しかも、「密集してはいけない」など、様々な制約がある中で、短期間で作り上げました。


Q3: 政策決定の過程で、担当省庁との駆け引きなどもあるのですか?

A3:はい、ありました。各省庁は、それぞれの立場で仕事をしています。しかし、この異常な状況に対応するため、これまでにない対応をする必要がありました。そのため、担当省庁と激しい議論もたくさん行ってきました。

たとえば中小企業・小規模事業者の支援策。
中小企業庁という役所が中心となり、中小企業対策を作りました。

財務省としては、できれば財政赤字は少なくしたい。
しかし。考えられないような異常な事態に直面している中、多くの国民が、地域経済が苦境に陥っている中で、国の財布のヒモを締めているだけではいけないのです。

すなわち、これまでの財政運用の原則から、はずれなければなりませんでした。

持続化給付金は、「事業主の方へ、国から現金が直接給付される」という、これまでにない財政の使い方です。

どうやって、実現できたのか?

地元のみならず、日本中から悲鳴が上がっている。
〝このままではダメになる、助けてくれ!〟という声。
自分のお店はもちろん、そこで働く従業員をなんとしても守りたい。そういう皆さまの想いが、この新しい政策を形にすることにつながったのです。

つまり、たとえば「持続化給付金」ひとつとっても、国民皆さまの声が反映されてできたものなのです。

*支援策や対策の詳細はこちら*

・首相官邸 新型コロナウイルス感染症に備えて~一人ひとりができる対策を知っておこう~


お伝えしたいこと① 立石裕明さんより

● 皆さまの声が届いています

あらゆる声が届いて、その苦しい声を形にして、支援策を作らなくてはいけない。
その結果のひとつが、「持続化給付金」だと思います。
これは、皆さまの声が届いていなければ、できていません。

まさかこのような、「お金の直接給付」というものがありうるとは、考えられませんでした。
それをこの難局を受けて、皆さまの声を反映するために、短時間で作り上げ、ようやく成立したわけです。

元をたどれば、経営者の皆さまが声を上げてくださったから、形になったのです。
だからこそ、申請を面倒くさがらず、あきらめず、100万円、200万円受け取る〝仕事〟だと思って、ご活用いただきたい。

支援はありますが、自分で動き出すしかないのです。
苦境は、乗り越える気力と、支援策を利用する根気があれば、必ず乗り切れます。
どうか最後まであきらめず、戦ってください。
でき得る限りの応援を致します。


お伝えしたいこと② 福田達夫より

● これからも皆さまの声をお聞かせください

これまで、たとえば台風など自然災害が起これば、すぐに現場に飛んで行けたのですが、今回はそのようなことができない状況にあります。

行動が極端に制限されている中。
地元の仲間が、地域を必死に支えている。
日本各地の仲間が、それぞれの地域を守り抜こうとしている。
すぐに皆さまのもとに飛んでいきたい、という想いを強く抱きつつ、自分がいまの立場で、政治の場でできることをやるのが、皆さまの期待に最も有効に応えることだと、決意しました。

皆さまの声が、1か月半の間、私の背中を押し続けてくれました。
与党の中で、皆さまの想いを政策にする原動力となりました。
大きな壁、〝前例主義〟をぶち破る力をいただいたのです。

今回の施策について、お願いがあります。
経営者の方には、なんとしても、ひと手間かけていただく。
どうか支援策を活用してください。ぜひとも申請を行っていただきたいのです。

また、足りないところについては、引き続き私たちにお伝えください。
現場の声を、お聞かせください。
さらにしっかりとした支援の柱を、作ってまいりたいと思っています。

今回、補正予算で組まれた内容が、最後の支援策ではありません。
皆さまに、さまざまな支援策を使っていただいた後も、我々がやるべきことは日々更新されていきます。
新たな制度、新たな支援策を、限られた時間の中でスピーディーに実現してまいります。
そのためにも、引き続き現場のお声をお聞かせください。重ねてお願い申し上げます。


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