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写真を撮ったり、何か書いたりして、みんなに見てもらいたいです。割とそういう素朴な気持ち…

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写真を撮ったり、何か書いたりして、みんなに見てもらいたいです。割とそういう素朴な気持ちです。いい年ですけれども、よろしくお願いします。

最近の記事

HACCPなんかやめちまえ(その18)ー終章「ゼロリスク幻想」と言う幻想

ゼロリスクか実質安全論(パフォーマンス・スタンダード)かサルモネラ菌の規制の違いを国別で見てみるとスェーデンではゼロリスク(ゼロ・トレランス)を求めたのに対して、アメリカではパフォーマンス・スタンダードなる考え方を取っています。 ゼロリスクとはサルモネラ菌は食品に取って「異物」であり、その混入は許さないというのが考え方です。 その一方アメリカではサルモネラ菌は「異物」としての認められていない以上、食中毒を引き起こさない程度の混入はあり得るという考え方です。 FSISは

    • HACCPなんかやめちまえ(その17)ースェーデンの例

      スウェーデンの例についてサルモネラを「異物」と認めず、HACCPの名目でパフォーマンス・スタンダードと言う管理をしているアメリカに対して、スウェーデンではゼロリスク政策を実施しています。 例えばヨーロッパで生活をする人たちが、たまごかけごはんを食べたくなった場合があったとします。海外において日本のように生卵を食べることのできる安全な卵は少ないです。 ただサルモネラ・フリーをうたい文句としているスウェーデン産の卵があり、その卵であればたまごかけごはんが食べられると言います

      • HACCPなんてやめちまえ(その16)-「The Trouble With Chicken」

        サルモネラ・ハイデルベルグの脅威 このような規則の改正が行なわれる中、実際何が起きたのでしょうか? 2011年のことです。食肉会社大手、カーギル社で製造された七面鳥の挽肉による食中毒が発生しました。カルフォルニア州で1人が死亡、少くとも76名が発症しました。発生源はカーギル社スプリングデール工場です。カーギル社は同社の製品3,600万ポンド(16,000トン)を回収しました。原因となったのはサルモネラ・ハイデルベルグと言う、サルモネラ菌の変異株です。 サルモネラ・ハイ

        • HACCPなんかやめちまえ(その15)ー裁判に負ける食品安全検査局

          パフォーマンス・スタンダードとは1996年に改定された食肉検査法において、サルモネラ菌はパフォーマンス・スタンダードとして管理されることになりました。一義的には食中毒を引き起こす原因菌として管理するという位置付けですが、食肉工場が運用するHACCPの達成状況の指標として設定されています。 最初に全米の食肉工場の調査を行い、サルモネラ菌の有病率を調査しました。その実績値を元にパフォーマンス・スタンダードは設定されました。ブロイラーを例に取りますと、全米のサーベイランス調査では

        HACCPなんかやめちまえ(その18)ー終章「ゼロリスク幻想」と言う幻想

          HACCPなんかやめちまえ(その14)ーサルモネラと言う宿痾

          「ゼロ・リスク(ゼロ・トレランス)」かパフォーマンス・スタンダードか 1996年に改定された食肉検査法は非常に分かりにくと前の記事で述べました。 ジャック・イン・ザ・ボックスの食中毒事件になったO-157は、食品の中に混入してはいけない「異物」とされました。いわゆる「ゼロ・リスク(ゼロ・トレランス」が求められます。O-157 が検出されれば、監督官庁は即製品の回収命令を出すことができます。 ところが食中毒の主要なサルモネラ菌は食肉検査法上「異物」とは定義されておりません

          HACCPなんかやめちまえ(その14)ーサルモネラと言う宿痾

          HACCPなんかやめちまえ(その13)ー全てはラインスピードのために

          HIMPのもう一つの側面前の記事でHIMP(HACCP Inspection Models Project)なるプロジェクトを説明しました。このプロジェクトは年間最大 5,200 件の食中毒患者が減り、年間 2 億 5,600 万ドルコストダウンできると言う夢のようなプロジェクトでした。 もくろみとしてはHACCPなる科学的手法を実施することにより、食中毒を減らすことができるし、HACCPを導入することにより、連邦政府の検査員から民間への検査員に検査を移行することができま

          HACCPなんかやめちまえ(その13)ー全てはラインスピードのために

          HACCPなんてやめちまえ(その12)ー投手に審判を任せる

          HACCP の夢、モデルプログラム(HIMP) 1997 年 6 月 10 日、食肉検査法の改定と時を同じくして、FSIS は将来の検査システムのための検証作業として、HIMP(HACCP Inspection Models Project)と呼ばれるモデル・プロジェクトの提案を行ない、食品会社にボランティア参加を求めました。 対象となるのは、若鳥、七面鳥、子豚とし、牛肉類は対象外でした。家禽類を対象とした背景には、米国において、鶏肉の消費が2000年より、牛肉の生産生産

          HACCPなんてやめちまえ(その12)ー投手に審判を任せる

          HACCPなんてやめちまえ(その11)ーHave A Cup of Coffee and Pray

          たった5年で・・・ 華々しくスタートを切ったに見えるHACCPですが、「HACCP 導入からわずか 5 年後なのに……」と農務省食品安全担当次官ムラーノ博士が嘆いた事件が起きます。ConAgra 社の食中毒事件です。 ConAgra 社は現在 ConAgra Brands 社として存続している大手食品加工会社です。2001 年当時、8,000 人以上の従業員を抱え、売上は 271 億 9000 万ドルでした。設立は 1919 年、最初は製粉業としてスタートしましたが、1

          HACCPなんてやめちまえ(その11)ーHave A Cup of Coffee and Pray

          HACCPなんかやめちまえ(その10)ーHACCPの導入、食肉検査法の改定

          クリントン政権と財政再建 ジャック・イン・ザ・ボックス事件が起きた 1993 年 1 月、時を同じくしてクリントン政権が誕生しました。 1980 年代 後半から 1990 年代の始めにかけて激動の時代でした。ベルリンの壁が崩壊したのが 1989 年、続いて 1990 年に東西ドイツの統一が行なわれました。米ソ首脳による冷戦終結宣言が出され、1991 年にソビエトが解体されます。 中東ではイラクによるクゥエート侵攻により始まった第一次湾岸戦争は、1991 年にクゥエート

          HACCPなんかやめちまえ(その10)ーHACCPの導入、食肉検査法の改定

          HACCPなんかやめちまえ(その9)ーHACCPの復活、広域化重大化する食中毒事件を巡って

          1997 年 1 月 25 日、クリントン大統領はラジオ演説で、食品安全に関する演説を行います。 1993 年 1 月。大手ハンバーグチェーンであり、現在でも全米で 2,000 店以上の店舗を有するジャック・イン・ザ・ボックス社で集団食中毒が発生しました。原因は腸管出血性大腸菌O157:H7 でした。この0157:H7 に汚染された冷凍パテにより、4つの州で 732 人の有症者が発生し、195 名が入院、4名の子供が死亡しました。 食中毒の原因は生焼けのハンバーガーを食べ

          HACCPなんかやめちまえ(その9)ーHACCPの復活、広域化重大化する食中毒事件を巡って

          HACCPなんかやめちまえ(その8)-HACCPの開発

          HACCPとNASA HACCP否定派の私は国会での厚労省審議官の発言「HACCPの効果について検証することは大切だと思いますので、調べたいと思います」をもってして、大はしゃぎしておりますが、HACCP信奉者は、HACCPはあのNASAが開発したものでということで「お墨付き」を与えようとしております。 例えば HACCP について、Wikipediaを見てみると以下のような記述があります。 HACCP を紹介するほとんどの入門書にこのNASAでの開発について、数行程度

          HACCPなんかやめちまえ(その8)-HACCPの開発

          HACCPなんかやめちまえ(その7)-迷走する本家アメリカ(概論)

          厚労省の自らの評価 国のお役所は自らの政策についてその効果についての報告書を出しています。規制の政策評価(Regulatory Impact Analysis、RIA)と呼ばれ、厚労省も毎年報告書をwebサイトに公表しています。 令和4年度の実績報告書に幾つかの基本目標が設定されており、「基本目標Ⅱ  安心・快適な生活環境づくりを衛生的観点から推進すること」の中で施策大目標として、「食品等の安全性を確保すること」として「食品等の飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止する

          HACCPなんかやめちまえ(その7)-迷走する本家アメリカ(概論)

          HACCPなんてやめちまえ(その6)−新自由主義の傭兵としてのHACCP

          厚労省の見解 いぶりがっこの危機は法改正を行った厚労省も認識しているようです。厚生労働省医薬・生活衛生局食品安全課の課長である三木朗の説明があります。 驚くべく発言です。何かお気に召さなかったのか、かなり思い切った発言のようにも聞こえます。 食品安全課の課長と言う立場、食品製造の現場をどの程度知っているかわかりません。ただ「床面が平滑でなければならない」という規制の対応するためにわざわざお金をかけて平滑化の工事を強制するものでななく、代わりにブルーシートを敷くだけで法

          HACCPなんてやめちまえ(その6)−新自由主義の傭兵としてのHACCP

          HACCPなんてやめちまえ(その5)-いぶりがっこの悲劇

          読売新聞の記事から 前章で述べた通り、2018年の食品衛生法改正で、漬物が国の許可制となり、製造にあたって製造施設など細かい規則に従わざるを得なくなりました。今までは国の許可は必要ではなく、各自治体ごとの対応で良かったのです。いぶりがっこの生産地である秋田県は、漬物に対して特に許可を求めていませんでした。農家の軒先等で細々と生産していたいぶりがっこであるけれども、許可制となれば国の規制通りに施設を整えなければならず、そのための設備投資の負担が重く、生産をあきらめざるを得な

          HACCPなんてやめちまえ(その5)-いぶりがっこの悲劇

          HACCPなんかやめちまえ(その4)ー宗教としてのHACCP、雪印食中毒事件

          専門家の声 代表的な例として「技術者はHACCPを正しく理解しょう」と呼びかける西川の「メッセージ」があります。 日本水産学会という学会誌の巻頭の言葉です。至極まっとうな意見のように思えますが。だが本当でしょうか。 大樹工場では停電がありました。脱脂粉乳は原乳を加温してクリーム分を濾し取った残りの液のことです。生乳の加温は菌を増殖させる危険性があるので、菌には増殖しやすい温度(いわゆる至適温度)というものがあり、この温度帯に滞留させる時間をなるべく短くする工夫がなされ

          HACCPなんかやめちまえ(その4)ー宗教としてのHACCP、雪印食中毒事件

          HACCPなんてやめちまえ(その3)−役立たずのHACCP、雪印食中毒事件

          ウェブサイトからの引用  雪印メグミルク株式会社のウェブサイトから事件の概要を引用します。 自社のネガティブな過去について、包み隠すことなくウェブサイトに掲載していることは確かに悪いことではない気がしますが、何か他人事のような口調は少し気になります。理由は明らかです。事件を引き起こしたのは雪印乳業であり、事件後解体されました。現在ウェブサイトに掲載しているのは事業を継承した雪印メグミルク社です。つまり精算され、現在では何の関係もない過去の会社のできごとであると、よそよそ

          HACCPなんてやめちまえ(その3)−役立たずのHACCP、雪印食中毒事件