クリスマス
2020/12/25
夜の静かな海岸線、そこには一人ポツリと高校生が居た。
大晦日前の大イベント、クリスマス。
8℃のメチャクチャ寒い中、冷たいアスファルトの上に座り、MacBookを膝に置いて、この文章を書いている。
このド田舎の海岸線には、誰一人と居ない。真っ暗な海と空はとても広く、独り占めしている気分だった。
波の音、車が通る音、飛行機が通る音。その3つ以外は何も聞こえない。
私が作り出すキーボードを叩くノイズ以外、この場所に「騒音」というモノは、何一つとして無い。
光り輝く星と海岸線を通る車のライト。飛行機は音で存在を知らせてくれるが、光は注意を向けないとその存在には気づかない。
後ろから「カラカラ」と、捨てられた空き缶の音が聞こえた。
私はビックリした。とてもビビりだからだ。
ここは日本のはずだが、海外ばりに「自転車は盗まれないだろうか。」とか、「後ろから刺されないだろうか。」とか、被害妄想が激しい。
必死にその音が聞こえた方向を見るが、イマイチ暗くて見えない。
空き缶が見つからないことも、怖かった。
「空耳だったらどうしよう。」と。
でも、なんとなく「もうココには居るな」と言われた様な気がした。
だから、場所を移動した。
自転車に戻ると、壊されていない自転車がそこにあり、少しホッとした。
壊されていない方が当たり前だが。
なんとなく立ち漕ぎをしながら、アスファルトの階段状になっている海岸を歩道から眺めて、次のスポットを探した。
そのとき、海とアスファルトのギリギリのところに、とても大きい鳥のようなものが見えた。「白鳥」だった。
でも、本当に白鳥なのか。と、疑いを持ちながら驚いているうちに、白鳥は飛んでいってしまった。
目で追っていくと、そのうち見えなくなった。
あとで画像検索をして、白鳥を見たが、絶対に白鳥だった。
見たまんまだった。
一人、いや一羽。クリスマスの夜にこんな海岸に居たんだ。
なぜか親近感が湧いて、嬉しくなった。
なぜ一人、クリスマスにこの文章を書いているか。そして何故、寒いのを堪えながら海岸線に居るのか。
それは、星野源さんの「いのちの車窓から」に影響されたからだ。
・「いのちの車窓から」
この本との出会いは、乃木坂46の山崎怜奈さんのInstagramで見かけたことからだ。
図書館からお借りして、この本の返却日がちょうど今日、クリスマスだった。
星野源さんの文章力にも驚きながら、「エッセイって良いな」と思っていたら、私自身も文章を書くのが好きなので、真似して、寂しいクリぼっちを書いてみた。
星野源さんの様な面白さは無いが、書いていて、とても楽しかった。
このnoteが公開されるのは2021年12月25日
その頃までには、隣に大切な人が居るといいな。
ムリか。
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