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ローソンPBから考えるコンビニの価値とデザイン

ローソンPBのデザインについてネットでいろいろな議論がなされているので、実際にぼくもお店に行って商品を買ってみました。

ぼくはデザインの専門家ではないので、今回の記事は一ユーザーとしての感想になりますが、最近「便利・効率・機能」という世界観の持つ強さと、それ以外の価値について考えているので、そういうことを考える素材として今日は感想を書いてみようと思います。

デザインがわかりにくい?

たしかにネットで言われているように

・中身のイメージが湧きにくい
・目当ての商品を探すのがちょっと大変

ということは感じました。一方で、

・単純にデザインはかわいくてよい
・パッケージをよくみる分、探す楽しみはある
・それによってちょっとだけ滞在時間が伸びる

という点を同時に感じました。

ぼく個人の体感としては概ね「あり」かなと思いました。個人的に面白い試みだと感じたので理由を書いてみます。

コンビニとはいかなる場なのか?

このデザインが「ありかなしか」というのは、結局のところ「コンビニとはいかなる場なのか?」という場の価値の話に行き着くのではと思います。

どのような表現がいいのかは、何を最大の価値とするかで決まるでしょう。

ではコンビニにとって重要な価値とはなんでしょうか?

一般的に考えると、コンビニは「便利・効率・機能」という価値が最重要なのかなと思います。

そう考えると今回のデザインが「パッとみて中身がわからない」のは、たしかにその価値観からは外れるので、ベストなデザインとは言い難いかもしれません。「パッとみて、さっと買って、すぐ帰る」というのには向いてないのが不満の原因かもしれません。

ただ、ぼくが面白いなと思ったのは、今回のデザインはそもそも「便利・効率・機能」という価値に乗っかろうと思ったのか?という点です。今回はあえて別の価値を前提において作ったのかなと勝手に感じました。(デザインの意図として違ったら、勝手にユーザーとして別の価値を感じたという話です)

先ほど書いたように、今回ローソンにいったとき、中身がよくわからないこともあるかもしれませんが、いつもに比べて「じっくり」商品をみて、店舗にいたような感覚があります。

これは「目当てのものを最短ルートでさっと買う」という価値観からすると、「めちゃくちゃめんどう」ということになります。しかし、「ちょっと無駄だけど選ぶ喜び」みたいなことを感じる価値観からすると、「わりとよい」(もしくは新鮮)というかんじがするのかなと思います。

つまり、コンビニに求める前提の価値観をどこに置くのかで「あり」と判断するのかが分かれるのかなと思います。

ぼく自身は最近「遊び」や「余白」の研究の面白さを感じているので、こうした「最短ルートづくりではない場の設計」は個人的に面白いと思い、「あり」とおもいました。しかし、単純にめんどうだ!という考えももちろんありますよね。

「そもそもコンビニの持つ価値として何がベストなのか?」「それにあったデザインは何か?」について、私自身の答えはありません。

やはり「便利・効率・機能」を一番に置くことがすごく大事なのかもしれませんし、それを最優先にしないとしても、最低限の「便利・効率・機能」を果たす必要はあります。そこが今回のデザインで満たせているのかがややあやしいのかもしれません。

「便利派もそんなに離れず、デザイン派として新規層が増える」となればベストなのでしょうが、今回はそもそもの機能をだいぶ損なっていると捉えられているのが議論のポイントなのでしょうね。

ただ、こういう流れが進んでいくことは、ひとりのユーザーとしては、ローソンを使う理由ははっきりするかなと思っています。

ローソンを一番に選ぶ理由は何か?

ぼくは正直お弁当だったり、コーヒーだったりを買うときには基本的にセブンイレブンがファーストチョイスです。セブンがなければしょうがなく、ローソンなど別のコンビニを使います。

なので「場所などの利点」がなく、1つ選べと言われるとローソンを選ばないのですよね。

一方、今回のようにデザインで特徴を出してもらえると、「みんなで集まるようなときはこっちのデザインの方がよいな」(コロナで集まりにくいですけど)といった差別化の要因にはなると感じました。

コンビニのパックのお茶とかは、めちゃコスパもよくておいしいですが、みんなで集まって写真を撮りたいときとかに、料理とともに机の上にあってよいかんじかというと、やはりちょっと微妙です。写真に撮るときは「ちょっとどかそう」と思うのではないでしょうか。

コロナの影響で「みんなでスペースを借りて集まる」みたいなことができない状況なのは痛手ですが、そもそも若者たちの動きをみていると、「居酒屋」などの店舗で人が集まるよりも、空きスペースやエアビーを借りたり、キャンプなどにいったりして、コンビニやスーパーで買ったものを持ち寄って集まることも増えているように思います。

そしてそういうときはやっぱりみんな写真を撮りたいのだと思います。そういう使い方であれば、ローソンのデザインの方が選ばれそうだなとは思いました。

また、最近流行りの「モーニングルーティーン」などの動画などを考えてみても、そこにローソンのPBのデザインが含まれているのは想像できると感じました。高級でなく、日常使いできるものでありながら、動画で撮るような「ちょっとだけ丁寧な生活」といった世界観には馴染むかなとは感じました。

もちろんこれらは私の想像の範囲なのですけどね。

まとめ

今日はローソンのPBのデザインについて書いてみました。ビジネスとしてこれがどのような価値を持つのかは現時点ではわかりません。

ただ、こうした試みは個人的には面白いなと思っています。

日常的にローソンを使っていくと「わかりにくくて困る!」みたいな気持ちになるかもしれませんが笑、引き続き使っていく中で、どうなっていくのか考えてみたいなと思います。

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