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2022.12.11 〜サンタの友だちバージニア〜
サンタクロースっているの?
こどもが生まれて、幼い頃抱いた疑問に、別の形で再び向き合うときが来た。周りのお家は、家族でどんなクリスマスを過ごしているのだろう。
いまから100年ほど前も、やはりサンタクロースはこどもたちにとってワクワクの存在だったようだ。そして「サンタクロースいる/いない」も、盛り上がる話題のひとつ。そんななか、学校の友だちとのサンタ論争にどうしても納得が行かず、新聞社に「サンタクロースっているんですか?」と、投書した女の子がニューヨークにいたらしい。
この作品は、その女の子、ヴァージニア・オハンロンの生涯を追った本だ。
さて、新聞社からの回答はというと。
そうです、ヴァージニア、サンタクロースはいるんだ。
愛とか思いやりとかいたわりとかがちゃんとあるように、サンタクロースもちゃんといるし、そういうものがあふれているおかげで、ひとのまいにちは、いやされたりうるおったりする。もしサンタクロースがいなかったら、ものすごくさみしい世の中になってしまう。ヴァージニアみたいな子がこの世にいなくなるくらい、ものすごくさみしいことなんだ。サンタクロースがいないってことは、子どものすなおな心も、つくりごとをたのしむ心も、ひとを好きって思う心も、みんなないってことになる。
この返事を受け取ったヴァージニアは、当時どれほどに勇気づけられ、心温まるクリスマスを過ごせたのだろう。
事実、新聞社とのやりとりは、ヴァージニアの人生に強い影響を与えた。彼女はその後教育学の博士号を取得し、生涯教師としてこどもたちと向き合うことを選ぶ。
ヴァージニアは控えめな、しかしながら芯の強い女性だったそうだ。そしてこどもたちが素直な心を大切に持ち続けられるよう、教育者として尽力した。
幼い頃の唯一無二の経験が、その後の人生を豊かなものに切り開いていく。自分もそうした想い出を大切に生きていきたいし、周りのこどもたちにも心を支えるような経験と出逢わせてあげたい。読了後にそんな気持ちになれる一冊です。
ちなみに社説のやりとりについては、情熱大陸でおなじみ窪田等さんによる朗読がYoutubeに上がっているので、ぜひ聴いてみてください。
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