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写真という物としての美しさ

Midnight Diary #29

去年から展示の時にチェキを使うことが多く、この前の二人展でもチェキでプリントしたものを使って展示をした。
一般的に写真展と言うと、わりと大きめな印刷で、なんかそれっぽい額縁に入れて展示をしている印象だが、僕はそういった展示にはあまり興味がなく、創意工夫の感じられる展示のほうが好きだったりする。
もちろん、必要があるときは大きく印刷もするが、それは空間を作る上で必要があればと言うことで、基本的には大きく印刷はしないし、大きければいいというものでもないと思っている。
しかしそういった一般的な何かへのアンチテーゼとしてチェキプリントを使っているわけでもなく、純粋にそこに意味があると思っている。

在廊をしていると当然のように聞かれることがある。
「なんでチェキで展示をしようと思ったんですか?」
作品の意図を聞いてきてくれる人はそうそういないのでとてもうれしい。
こうやって聞いてきてくれる人には誠心誠意お答えするようにしている。
「僕は写真の物感を大切にしたいと思っていまして_」
と言うと大体の人の頭上には「?」が浮かび上がる。
そういった表情を楽しみながら補足して説明をする。
「一般的に写真と言うと、この四角い枠の中の事を言う人が多いと思います。ですが、僕の認識ではそれはただの情報に過ぎず、あえて写真を定義するならば、3次元の現実世界を写真機というカメラなどの道具を使って、科学的に2次元にアウトプットした物。としています。ですから僕にとってはチェキのフィルムそのものが写真なんです。そして写真である以上、写真専用のフォーマットを使いたいし、物としての写真の美しさというのも表現したい。だからチェキでの展示に拘っているんです。その他にもL判や2L判でも展示をします。」
こう説明すると、みんなめっちゃいい顔してくれて、それを見るのもまた楽しい。
中には手帳にメモをしてくださる方もいたりして、そついったことが次へのモチベーションになったりもするので、本当にありがたいと思う。

展示とかだとついつい難しく考えがちだが、別にそんなんじゃなくてもいい。
気になったことを聞いてくれればそこから話は膨らんでいくし、僕の経験上、表現をする人たちは話すのが好きな人ばかりだ。
しっかりとコミュニケーションを取ることで、展示は何倍も面白くなると僕は思う。

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