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マネーフォワードがM&Aに積極的な理由

マネーフォワードは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションを掲げて、お金の課題を解決するサービスを開発&提供していますが、自社開発や他社との提携に加えて、M&Aを積極的に行なっています。

今回はどうしてマネーフォワードがM&Aに積極的なのかをお話していきます。

※ちなみに、マネーフォワードではM&Aのことをグループジョインと呼ぶのですが、このnoteでは外の方にわかりやすくするようにM&Aという言葉を使います。

自己紹介

最初にぼくの簡単な自己紹介をします。マネーフォワードのCSO(Chief Strategy Officer)という立場で、個人向け事業(主に家計簿アプリの『マネーフォワード ME』)や法人向け事業(主にクラウド会計)と、新規事業や将来の海外展開のための検討など、幅広く担当をしています。

実は、ぼく自身がマネーフォワードにM&Aで入ってきた第1号でした。

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2017年に自分が起業したクラビスという会社をマネーフォワードに譲渡して、現在はグループ会社としてのクラビスの代表を続けながら、マネーフォワードのCSOを担当しています。

M&Aはよく結婚に例えられますが、両社がハッピーじゃないと成功しません。今は譲受側の立場ですが、ぼく自身が譲渡側として色々と悩んだ経験をしているので、相手にはそうしたことも踏まえてお話させて頂くことも多いです。

マネーフォワードがM&Aに積極的な理由

さて、マネーフォワードがどうしてM&Aに積極的なのか。ぼく自身がM&Aが大好きということもあるのですが(笑)、それ以上にマネーフォワード共通の考え方として、自分たちだけで日本のクラウド化は果たせない、というものがあります。

ご存知の通り、日本のクラウド化はアメリカなど他の先進国と比べて遅れています。コロナ禍で働き方の変革が求められていますが、なかなかテレワークが進まない実態もあります。もし個々の会社で分散している力を集結できたら、きっと日本の生産性は加速できるだろうと考えています。

マネーフォワードの過去のM&A後のシナジーのうち、分かりやすく新規顧客数の伸長をまとめたものがこちらです。

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※2019年11月IR資料

例えばクラビスが単体時代に抱えていた課題は営業力でした。マネーフォワードには北海道から沖縄まで全国をカバーする営業網があるので、販売連携をしたことで新規顧客数が5.5倍に伸びました。

他にも採用力や開発力でのシナジーやインフラ面でのシナジーなどさまざまな面での効果をぼく自身が経験してきたので、この点は自信を持ってお伝えしていけます。

ヒトが生み出す化学反応

そうした、一般的なシナジーに加えて、M&Aの醍醐味のひとつに「ヒトが可能性を開花させることによって生まれる化学反応」があります。

譲渡側の経営者は、もともとの事業を更に伸ばすためにトコトン集中するケースもあれば、ぼくや竹田さん(クラビスの取締役)のようにマネーフォワードの役員になって一緒に経営するケースもありますし、2019年にM&Aしたスマートキャンプの古橋さんのように新規事業を作るケースも生まれています。

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譲受側としては、起業家が仲間に加わることにで「起業家の集合知」が生まれます。ゼロイチを経験した起業家は、少しネジが飛んでることがありますが(笑)、そうした希有な経験を持っている人材が集まることで経営のレベルが格段にあがっていきます。

社員の視点としても、双方向に人材が行き来することで新たなチャンスを掴むケースは当然ながら、役員としての抜擢人事も誕生しています。

クラビスですと、マネーフォワードで活躍していた君島さんという営業のエースがクラビスの取締役に就任しています。マネーフォワードとの橋渡しを円滑にしてくれているだけでなく、経営に関する議論に参加することで彼自身の視座があがり、シナジーが最大級に発揮できるようになりました。

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クラビスの取締役(右上のぼくから時計回りに、君島さん、CFOの竹田さん、CTOの横井さん)

これまでのM&Aからいずれもポジティブなシナジーが生まれており、この体験を新しい仲間と一緒に更に拡大させていきたいというのも、マネーフォワードがM&Aに積極的な理由です。

M&Aの方針

これまではクラウドサービスを開発するスタートアップ企業とのM&Aがメインでした。これからも引き続き力を入れていきたいと思っていますが、決して視野を限定している訳ではありません。例えば、オンプレミスサービスの企業と一緒になれたら、オンプレからクラウド化への開発を協力させて頂き、既存のお客様に負担させることなく、結果的に日本のクラウド化を推進できるかもしれません。

また、マネーフォワードには個人向け事業や金融機関向け事業など、事業ドメインが幅広くあるため、必ずしも法人向けに限らずに広く検討をしていきます。

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「お金を前へ。人生をもっと前へ。」で捉えられる課題は幅広く、むしろ他社との会話によって新たな気付きが得られることも多くあります。「その課題、もしかしたら一緒に取り組んだら解決するかもしれませんね!」というワクワクする会話をもっと増やしていきたいと思っています。

もしご興味を持ってくださった方は、是非ご連絡ください!
https://twitter.com/tatsuyakanto

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