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女性管理職3割目標の先延ばしに感じる残念さと、それでも女性リーダーが増える未来を描く理由

XTalent代表の上原です。withworkというワーキングペアレンツ向けの転職サービスを運営しています。

ジェンダーギャップ指数121位という発表はまだ記憶に新しいですが、同年にこの内容が発表されるというのは極めて妥当感もありつつ、また皮肉な話だなと感じます。

数字目標を掲げても到達を断念した、ということ自体はとても残念です。ですが、誰がどう見ても達成不可能な状況だったのも事実。うやむやになることなく、こうして仕切り直しが入った事自体はポジティブと捉えていいのでは、とも思います。

女性活躍のフェーズは変わってる

弊社では2019年7月より、withworkというワーキングペアレンツの転職サービスを運営しています。登録される方の多くがワーキングマザーです。
これまで4桁台の方々から登録がありましたが、転職活動の動機は?と聞くとこういったお話が多いんですよね。

・出産を機にキャリアアップが見えなくなった(所謂マミートラック)
・出産後もハードワークが続き、育児との両立が難しい

また、育休中で「この会社で復帰してもやっていける気がしない」と言う方もいます。

どうしてこうなってしまうのでしょう?
新卒採用でも男女ともに総合職採用が一般化し、入口の段階では男女差別は解消に向かっているのは事実かと思います。実際、女性の就業率におけるM字カーブは解消に向かっています。ただ、賃金カーブのギャップはまだ大きいまま。
非正規雇用の問題など様々要因はありますが、「女性の管理職が増えない」というテーマにおいては、ライフイベントを見据えた持続可能な働き方、という論点は避けて通れないと感じています。「辞めないように」から「活躍し続けるため」に論点が変わってきているのです。

男性も、働きづらさを感じている。

ちなみに、withworkには男性の登録も増えており、同様にこんな話をよく聞きます。

・今の会社は子育てしながら働くことへの理解がない。
・子どもが熱を出したので早退すると伝えても、「なんで(男性の)お前が?」と言われてしまう。
・仕事への意欲は高いつもりだが、家庭のことを優先すると意欲が低い、とみなされてしまう。


女性活躍の議論はどうしても男性vs女性、という構図で語られがちなのですが、こうした声を聞くと、根本は旧来の価値感・働き方vs新しい価値感・働き方の問題なのでは?と感じます。

これまでの終身雇用ベースの長時間労働・軍曹的リーダーシップの在り方をどう変えていくか。それが産業活性化と働く人の幸福度向上につながるはずです。
(日本経済においても必要なことである、という話はIGPI冨山 和彦氏の『コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える』をよむとぐっと解像度が上がります。)

多様性はまずリーダーから

なぜ女性リーダーが必要なのか?についての自分なりの考えですが、組織の意思決定の質が変容することだと思っています。
同質性の高い場の議論は、意思決定のブレがなくスピードも早い、という利点があります。一方で、「異質」な結論はその場からは導かれにくいでしょう。

女性リーダーが増えることで、女性以外の人も働きやすくなることもある。ということは、前職まさに自分が実感したことです。

子育てしながら時短で働くママやパパが管理職になるなど、多様なリーダーによって組織の持続可能性が高まるのだと思います。

withworkはそういった人たちを応援し、活躍の機会を増やせるようなサービスでありたい。多様なリーダーが増え、社会が変わるきっかけを生んでいけたらと思っています。


まだまだ小さな組織ですが、この想定外のことばかりの2020年に直面した意味を考え、これからどんなチャレンジができるか向き合っていこうと思います。


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