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Classmethod Odyssey登壇の振り返り

ヌーラボのTATSURUです。
7月24日にClassmethod Odysseyのオンラインイベントで「実践から学んだチームマネジメント」というタイトルで登壇した内容の概要と、伝えきれなかった事を補足したいなと思います。

Classmethod Odysseyとは

「Classmethod Odyssey」はクラスメソッド設立20周年を記念して7月の1ヶ月間にわたってハイブリッドでお届けするクラスメソッド史上最大のテックとビジネスの祭典です。

本社の東京・日比谷フォートタワーを中心に、全国の各拠点やオンラインで、内容も多岐にわたる200以上のセッションを提供していました。

私は、24日のオンラインで登壇しました。

概要

タイトルは「実践から学んだチームマネジメント」という事で、ヌーラボのEMとして何か話せる事があればと思い、過去の失敗や成功を踏まえつつ、事例的な事の紹介ができればと考えていました。

しかし、ヌーラボのEMとしてはまだ1年未満という事もあり、これまでの実践で学んだ事という意味ではヌーラボ以前の経験が中心になってしまいますので、元ネタは過去の経験の引き出しから出しつつ、ヌーラボの事例に結びつけながら紹介するスタイルとしました。

紹介した事例は以下の通りです。伝えたかった事を補足しつつ紹介します。

計画・要件定義・業務定義の重要性について

  • 問題提起

    • そもそもの計画がどこまで定義されているか?

  • 伝えたかった事

    • 目的や目標や手段は明確化されていて共有されていないとチームマネジメントは難しい。どこに向かえばいいのか、何を達成したいのか、どうやって向かうべきなのかを考えるプロセスを共有した方が良いのではないか。

    • 商品・製品の要件(MVP:Minimum Viable Product)を明確にする事で、どんな技術を採用するのか、必要なスキルは何なのかが解らないとチームを成長させる事が難しいのではないか。

    • 責任範囲を明確にすることで、チームが果たす役割を定義し分担する事でチームを効率的に運用しないと生産性を最大化できないのではないか。

  • 事例

    • 開発部門のミッション明文化プロジェクト

PoCの重要性について

  • 問題提起

    • そもそも実現可能性をどこまで検証しきれているのか?

  • 伝えたかった事

    • スキル不足はなぜ起こるのか。それは求めるスキルが高すぎるのかもしれないし、曖昧なのかもしれない。そもそも何が必要か正しく定義できていないのであれば、どんな技術が必要で何が適切か検証しようという事を伝えたかった。

    • プロジェクトの難易度が高すぎる問題も同様に、技術面だけでなく、市場的な課題や、その難易度について関係各所への共有などリスクを低減するためにもPoCをやるべきではないか。

    • 技術選定をする際に、複数の実現方法があるときに枯れた技術か先進的な技術がいいか、何を軸に選定するのかも検証結果を元に判断すべきではないか。

  • 事例(記事)

    • 概念実証(PoC)が製品発売の惨事からあなたを救う方法

企業の価値観のアップデート

  • 問題提起

    • 世界の価値観が変わっているのに企業の価値観はアップデートできていないのでは?

  • 伝えたかった事

    • メンタルを病む社員が発生するのは、様々な要因があるものの一番多いのは人間関係だと言われています。会社での人間関係における摩擦の原因には「価値観の違い」が根深い問題としてあると思います。特に会社への帰属意識は世代によって大きく違ってきています。

    • ハラスメント問題は言われ過ぎて常識になるつつありますが、いまだにニュースではパワハラやセクハラが元となった事件が流れています。ハラスメントから社員を・個人を守るには働き方に対しての意識変容が必要な気がします。

    • これらの問題にジェネレーションギャップは確実に存在しており、チームマネジメントにおける各世代「団塊世代、新人類世代、バブル世代、ロスジェネ世代、ミレニアル世代、Z世代」の違いを個別最適の時代に入ってきている中で、把握しておく事も重要ではないかと思います。

  • 事例

    • カスタマーハラスメント対応方針

サステナビリティとスケーラビリティ

  • 問題提起

    • 持続可能性や拡張性がチームマネジメントに反映できていないのではないか?

  • 伝えたかった事

    • チームマネジメントにおける人員不足の問題に関して採用以外の観点では、いかにオンボーディングを成功させるかという問題があると思います。オンボーディングの成否はその後の採用にも影響するのではと思います。

    • チームマネジメントにおける開発生産性の向上は様々なファクターが存在しますが、開発プロセスを最適化という観点では古典的ではありますがプロセスの管理におけるバッファの取り方をクリティカルチェーンの考え方の元、適切なタイミングに確保するようにした方が良いように思います。

    • 最後に目標管理の制度をうまく活用して欲しいと思い。簡単にはまとめられなかったので別途記事にしました。

  • 事例1

    • テレワークだけど、スムーズなスタートを切れた4つの理由

  • 事例2

    • Classmethod Odysseyで伝えたい事~目標の可視化~

まとめ

「マネジメントって何だろう?」は、このNOTEで書いてきたマネジメントに関する記事のタイトルです。この問いの答えは簡単には出てきませんし、ある意味「正解」は無いのではないかと考えています。

極端な事を言うと世界はシステムでできており、世界のあらゆる出来事はプロジェクトであると考える事が可能だとした場合、ご存じの通りこの世界のシステムは完全では無いし、プロジェクトは失敗もしますが、それでも世界は回っていきます。

システムが完全ではない、プロジェクトは失敗もするという前提に立てば、それらを踏まえたリスクマネジメントが重要であり、最善でなくとも最悪では無いという選択肢をあえて取るという道もあるように思うのです。

最悪ではないという状態は、個人的にはもっと評価されるべきだと考えており、その考え方を元にすれば、最悪を回避するために様々な想定を行い、備える事こそがマネジメントの本質なのではないかと思います。

安定した土台があるからこそ、より高く・より遠くに飛べるのではないかと思うので、そうして飛んでいった先に成功やイノベーションがあるのかもしれません。その土台に、BacklogやCacooがなれたらいいなと思います。

時代が進めば新たな問題が出てきますので、新たな失敗の種も生まれるでしょう。そして誰かが新たな失敗や成功の経験を共有してくれれば、後に続く人々の糧となる事で、最悪を回避できると良いのではないかと思い様々な事例を紹介しました。

ぜひ、私の経験も糧にしてもらえればと思います。

ではまた。

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