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ラインアウトに時間をかけすぎ?

花園や大学選手権など年末から年始にかけて熱い戦いが繰り広げられていますね。

その中で「ラインアウトのテンポ」について少し気になった部分がありました。

1.並ぶのが遅くないか?

 私が見たいくつかの試合において、ボールがタッチに出てからラインアウト開始までの時間がとても長く、多くのラインアウトでDF側の方が速く並んでいて、AT側は、待ち構えているDFに対してATしているシーンが見受けられました。

つまり「テンポが遅い」という事です。

テンポが遅くなる原因として、多くのチームが、ラインアウトが発生する度に「円陣になってサインコールを決めて、1人がスローワーに伝えに行く」というシステムを行っている事が挙げられます。

これは代表レベルや、トップリーグでも多くみられる光景で、自分もプレーをする時には行う事はありますが、「常にやる必要があるのか?」と思います。

ラインアウトで一番確実にボールの獲得ができるのは「クイックスローイング」ですが、それはDFがいない状況で行うからです。

例えクイックスローでない普通のラインアウトの場合でも、相手より速くポイントに到達して、DFが完全にセットする前に投げてしまう方が、獲得できる可能性が高くなります。

相手のセットが速くて、そのオプションが潰されている時は多少時間をかけても良いですが、「速く仕掛ける」という選択肢を自分達から放棄してしまうのはもったいないと思います。

2.そこまでサインコールを隠す必要があるのか?

円陣でコールを決めるシステムのメリットは、

①全員が事前に何をするのか理解ができる。
②相手にサインコールがばれない
③少し間合いが取れるので、流れが悪い時や長いプレーが続いた時にリセットできる

等が考えられます。

しかし、

①いちいち集まる事で、テンポが落ちる
②DFが先にセットして落ち着いて様子を見られる
③先に決めちゃうと変更しづらい

と言うようなデメリットもあります。

高校生の花園の場合は、最低1週間はかけて準備ができる大学・社会人とは違い、トーナメントで試合間隔が短く、2回戦以降は2日前まで対戦相手がわかりません。
そして、試合時間が短い事からラインアウトの回数もそんなに多い訳ではない為、以上のメリット、デメリットから考えるとサインコールさえ変えてしまえばコールしても構わないのではないかな?と思います。

更に、じっくり時間をかけてセットプレー(モール)でプレッシャーをかけていこうというチームよりも、1stフェイズでのサインプレーで前進したり、フェイズを継続して行くチームの方が多いと思います。
 
そうなってくると、コールをする事で、サインコールがばれるかもしれないというデメリットよりも、パパッと1コールで速くボールを獲得し、次のプレーに移っていく方がDF側にプレッシャーをかける事ができるのではないのかなと思います。

3.DFを見て判断する

上記のデメリット③の部分になりますが、先に集まってコールを決めた結果、DFが待っている所に投げてしまう事もあります。

逆に、相手が全く跳ぶ気がないのに、わざわざダミーをいれてジャンプをしてしまうケースもあります。
動きを多くして自らミスが起こる可能性を高めているだけとも言えます。

どのような状況であっても、「これはまずいな。取られそうだな」と感じた時は、途中でキャンセルしてプランBがすぐできるように準備をしておく必要があります
しかし、セットした瞬間にスローワーが投げるようなサインの場合、キャンセルする時間がない場合があります。

当然、相手がどういうDFをしてくるのかは分析をしているでしょうが、本当にこの試合で同じことをしてくるかはわかりません。

となると、さっさとセットして、DFの状況を見て、取れる所でパパッと取ってしまうオプションがあっても良いんじゃないかなと思います。

そこら辺も駆け引きなので上手く組み合わせるともっと良いアタックになっていくのではないかと思います。

4.まとめ

常に急いでやる必要はありませんが、 状況に応じてどちらにでも対応できるように準備しておくことで、「ムーブの仕方」以外でも、相手に対してプレッシャーをかける事ができます。

特に高校生は、身長差が大きい場合も多いので、このテンポというのは重要だと思います。
新チームになっていてまた新たな準備をしている段階ではどんどんチャレンジしてみて欲しいです。

ファン目線では、タッチに出た時は、テレビだとその間に選手がアップで映されるタイミングなので準備をしている所は見えないかもしれません。
しかし、現地観戦できる方は、タッチに出てから投げ入れるまでの流れで誰が声を出しているのかを聞いたり、誰がどこに動くのかを追い掛けたりするともっとラインアウトが楽しめるんじゃないかなと思います。

プレーをしている選手としても、セットプレーの局所的な駆け引きの楽しみはあるし、インプレーが増える事で体力的にはどんどんきつくなるという面もありますが、やはり止まっている時間が長いよりは、ラグビーをしている時間が長い方が楽しいですので、その辺も頭に入れながら緩急織り交ぜてやっていきたいと思います。


以上
ありがとうございました。


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