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慢性疾患患者の自己管理におけるゲーミフィケーションの利用:スコーピングレビュー

The Use of Gamification in the Self-Management of Patients With Chronic Diseases: Scoping Review

雑誌名 & 出版年:
JMIR Serious Games 2023
著者:
Xiting Huang, Lihua Huang
所属:
Nursing Department, The First Affiliated Hospital, Zhejiang University School of Medicine, Hangzhou, China

背景
多くの慢性病は明確な行動的リスク要因を持ちます。したがって、これらの病気の治療と管理は、患者との協力をより多く必要としており、自己管理に依存しています。しかし、慢性病患者の自己管理の遵守が悪いというのは、世界的な臨床問題です。テクノロジーの急速な発展により、そのような患者をサポートする機会を提供することが可能になりました。ゲーミフィケーションは肯定的な行動変容をサポートし、計画的で自己選択的なプロセスとされています。

リサーチクエスチョン
RQ1: 慢性病の自己管理のゲーミフィケーションはどのように実施されているか?
RQ2: ゲーミフィケーションは慢性病の自己管理においてどのような役割を果たしているか?
RQ3: 既存の研究は慢性病自己管理のゲーミフィケーションデザインをどのように評価しているか?

方法
疾病予防管理センター(CDC)による慢性病の定義に基づき、心血管疾患、慢性肺疾患、代謝症候群、がんなどの特定の病名や慢性病の同義語を抽出し、それらに対するゲーミフィケーションの研究を本研究の適正基準としました。文献は2012年1月から2022年12月が対象です。

結果
基準を満たした文献のうち、50%が過去3年間の研究でした。脳卒中患者の生存者に対する内容が41%と最多でした。慢性病の自己管理におけるゲーミフィケーションの役割として、以下の5つが挙げられました。
・症状管理の促進者
・薬物服用の管理者
・心理的サポーター
・認知機能の促進
・身体活動とリハビリテーションの維持者

結論
脳卒中が最も多く取り上げられており、身体活動とリハビリテーションが中心的な研究内容であることが明らかになりました。ゲーミフィケーションの主な機能は、トレーニングの促進であり、アクティブビデオゲームが主に用いられています。

学び
アクティブビデオゲームは、いわゆる任天堂wiiなどを身体を使ってプレイするゲームである。メタバースとも相性が良さそうである。確かにこれらは楽しく取り組めるものであり、単調になりがちなリハビリテーションに対して効果的な介入である。上4つもゲーミフィケーション的な「要素」は取り入れられるようには思う。自己管理というと、「指導」的なイメージがあったが、行動変容と捉えることで、ゲーミフィケーションの活用はより進むように思う。


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