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2023/05/16 組織を変えるためには

組織を変えるためには

昨日は伝統を守る事の功罪ということで、組織病のことについて言及しました。
では、組織を変えるためにはどうしたら良いでしょうか?

組織の柵から出る

組織の中で、組織を変えるためには、組織の柵から出る必要があると思います。ある意味真面目な日本人的には、組織の言うことに従うという教育を素直に聞くようになっていると思います。

組織の柵はなぜ出来るのか?

自分自身も振り返っても、何にも疑うことなく、組織の言うことを聞くことをあたりまえのように教育されてきました。
なぜそうなのかを考えると、日本は稲作文化にルーツがあるように思います。稲作は毎年同じことを繰り返すことが出来る非常にサスティナブルな農業のスタイルだといえます。

稲作文化

稲作は、一人で行うのは難しく、共同体で行うのに向いています。また大量の水を使うので、水利権も大事になります。誰か一人が独り占めしてしまうと、うまく出来ません。なので、共同体で協力することが利益を最大化できるという仕組みです。そういう歴史と文化を持つ私たちは、しらないうちに保守的な思想で生活しているのだと思います。

他の民族的な文化の背景

一方で、狩猟民族的な発想や、畑作農業的民族はまた違った歴史と文化を持ちもっとシビアな価値観を持っていると思います。一方で、地中海のように気候と海産物に恵まれているメディテリアンのような人たちもまた違った価値観の中にいます。

自分たちの歴史的ルーツ

話を戻すと、私たちは稲作文化のDNAを受け継いでいるために、新しいことは受け入れがたく、また同じことを繰り返すので、年長者が偉いという考え方が自然にあります。これはこれで非常に稲作文化を守る上で大事なことだったと思います。

現在の企業の文化はどうなっているのか?

一方で、現在の企業の考え方は、かつての日本企業は、そのまま稲作文化の延長線上にあり、その勤勉性が競争力の原動力だった時代までは良かったのですが、良くなかったのは、バブル崩壊後の30年間にひたすらに欧米の狩猟民族的な企業論を形だけ取り入れて、うまくいかなくなった企業組織にパッチワーク的に当ててしまい、年功序列的なものだけが残り、なにもかも思想なく、チグハグになってしまったため、日本人的な強さを発揮できないものになってしまったためではないかと思います。

陰謀論として語る人もいますが、結果論なだけであって、そこをうまくコントロールできなかった自分たちがよくよく反省して、それを次の世代を育成する中にきちんと見据えて、再生産しないということができなかっただけなのではないかと思います。

一方で、このような価値観は、単一組織の中にいるだけでは、その組織の文化に染まってしまうので、そこに気がつけないのですが、こうやっていろいろな情報をネットを介して目や耳にする機会が爆発的に増えたからこそ、その多様性が爆発的に増えているのだと思います。

ビジョンの共有

だからこそ、今これからの30年間をどうするかを考える必要があり、そこにはしっかり何で自分たちが生きていくのかというビジョンの共有が必要なのではないでしょうか?綺麗事だけでなく、歯を食いしばって何で頑張って戦うのかを明確にして、そこに向けてしっかりと戦略を立てて実行する。
このビジョンがこれまでは、国が旗を振っていればそれで良かったが、そういう時代ではなくなってしまったというだといえます。正解はないから、トライアンドエラーでやってみる。その組織を小さくして、小さくリスクを取りながら、しっかりリターンを獲得する。この行動原理が重要なのだと思います。

チームを作ること

そのためには、一人の力ではなくチームを作ってチームで行動することが大事なのではないかといえます。チームを作るためには、誰と何をするかをしっかり見定める必要があるのと、共感してもらうために自分が何者で、何をしたいのかをしっかり相手に伝えることが必要です。
ここの部分が今自分たちに一番足りていない部分なのかもしれません。つまりこれまでは組織の歯車としてしか仕事をしてこなかったので、自分というよりも組織が、、、というところが優先されてしまってきていたし、異動して肩書きがなくなったらそれでおしまいということが多かったです。そこを打破していくことを今しないと、これから30年先を考えると、うまくいかないと思います。

自分たちのルーツに誇りを持つこと

もう一つ30年先を考えて大事なことは、自分たちのルーツに誇りを持つことだと思います。現代日本で良く聞くのは、今の日本はダメだとか、若者はダメだとか、とにかく現状を否定的に捉える風潮のような気がします。特に自分たちのルーツに対して誇りを持つという、民族的に一番大事なところが今の教育的な流れの中で一番失っていると思います。自国の歴史に誇りが持てない、つまり自分のルーツに対して誇りが持てない人間が、自己を肯定しながら生きることは結構大変なことだと思います。
日本がダメで、海外はすごい、だから海外と同じようにすべき。
日本はすごい、海外はダメで、すごい日本を守るべき。
というような話も、一見そのとおりに聞こえますが、ちゃんと歴史的ことや文化的なことを踏まえた上で、そういう文脈の中で、今の時代を捉えられるかは非常に重要なことで、この先の未来を考える上では、そこをちゃんと認識を共有できるかはとても大事なことだと思います。
良くも悪くもその部分の土台が今の日本や、日本の組織の中で、多様性という名前の上で、ぐらついてしまっているため、そこに自信を持って、チャレンジするというメンタリティが生まれなくなってしまっているように思います。そして、リスク、リスクと言って、管理層が言っていれば、給料がもらえるような構造となってしまっているところに最大の課題があるように思えます。

とにかく実践あるのみ

これは個人の考え方なので、いろいろな意見があるかと思いますが、今の自分自身の到達点としてはこんな感じを考えています。これをこれからは実践していきたいと思います。

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