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kintoneでいろんな情報を一元管理した話

はじめに

情シスをやっているといろいろなモノを管理しなきゃいけませんよね。
PCやアカウントなど。

例えば、PCについては、下記のような項目を管理したいですよね。

資産管理番号, 機種名, CPU, メモリ, ストレージ, シリアル番号, 保証期間…

もちろんPCは従業員のみなさんに使ってもらうので、誰に貸しているかも管理する必要が出てきます。これが、いわゆるPC資産管理ってやつです。

ありがちな台帳の課題

よくあるのがExcelやGoogle スプレッドシートでPCの基本データを登録し、利用者欄を追加して貸与している従業員の氏名を記載する方法です。

こんなイメージです。

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従業員数も少なくPC台数も少ない場合はこれでも機能しますが、入退社、PC交換対応や何度かの棚卸しを経るとデータが汚れがちです。

汚れたデータはこんなイメージです🤮

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ステータスが在庫なのに利用者の名前が記載されたままになっていたり、本来格納すべきでないデータを無理に詰め込もうとしたりすることでわかりにくいPC資産管理台帳が出来上がります。
利用者のデータも文字列なので実は既に退職している可能性もあります。

課題をまとめると、コレです。
・論理的にありえない値が入力できてしまいデータの信頼性が担保できない
・入退社に追従できずにデータの更新が追いつかない

kintoneで台帳管理してみた

kintoneはテキストフィールドやドロップダウン、日付フィールドなどをパーツを自由に配置することができるローコードツールです。

今回、課題解決のためにkintoneで以下のように2つの台帳を作成しました。

1.社員情報
2.PC資産管理台帳

まずは以下のような社員情報をまとめた台帳を作ります。

入社日, 在籍情報, 氏名, メールアドレス, 雇用形態, 部署…

実際にパーツを配置している設定画面がこちらです。

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下記がデータが入っている状態です。

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次にPC資産管理台帳も作っていきます。
冒頭であったような資産管理番号, 機種名などのPCに関する要素を配置していきます。

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実際にデータが入っている状態がこちらです。

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ルックアップについて

このPC管理台帳に表示されている利用者,メールアドレス,在籍情報については、kintoneのルックアップという機能を利用します。
名前をキーに検索することで社員情報からメールアドレス、在籍情報を引っ張ってきています。

名前の一部を入力し、「取得」ボタンを押すと

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メールアドレスや在籍状況を自動的に社員名簿から引っ張ってくれます。
検索結果が複数ある場合は検索結果一覧画面から選択することができます。

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ルックアップ設定はこんな感じで設定しています。

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関連レコードについて

社員情報の方には関連レコードという機能でその人に紐づいているPC資産をリストアップして表示することができます。
この部分ですね。

関連レコード


設定はこんな感じです。

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ルックアップの注意点

ルックアップは参照元のアプリでデータが更新されても参照先アプリへは自動更新されません。
今回の場合ですと、社員名簿アプリで在籍状況が「退職予定」になってもPC管理アプリ側では「在籍中」のままです。
ちょっと使い勝手がよくないので、自動反映されるようにします。JavaScriptを書かないといけませんがサンプルコードが公開されているのでちょっとがんばりましょう。詳しくは「cybozu developer network」の下記記事を参照してみてください。
第11回 kintone REST APIを利用したレコード更新(ルックアップ自動更新)

kintoneを中心としたエコシステム

資産管理を行いたいという課題感からPC管理と社員名簿を作りました。相関関係はこんな感じです。

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社員名簿の整備ができると、PCだけでなく他にも管理したいものがあることに気づいきました。
例えば社員がどのようなソフトウェアを利用しているのか?
人に紐づくユーザーライセンスであったり、デバイスに紐づくデバイスライセンスのパターンがありますのでそれぞれデータ連携方法を考えると下図のような設計としました。

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すべてのデータが社員名簿の関連レコードとして紐づいているので、社員名簿さえみれば誰がどのPCを利用していて、そのPCに紐づくデバイスライセンスのソフトウェアの利用状況、その人に紐づくユーザーライセンスを一箇所で確認することができるようになります。


入退社処理を社員名簿を起点にできないか?

入退社、人事異動などに応じて、タスク管理用のチェックシートアプリを作成しました。
アプリアクションという機能を利用して社員名簿からワンクリックで氏名, メールアドレス, 雇用形態, 部署などの基本データをコピーして、チェックシートアプリ側に新規レコードを作成することができます。

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各チェックシートアプリ側にはコピーされる項目以外に必要なタスク項目も用意してあるので、対応したらドロップダウンリストを「未対応」から「対応済み」を変更する運用としています。
kintoneでは簡単な計算式を扱うことができるので、対応状況判定用の項目を作り、すべての項目が「対応済み」であれば「完了」表示を行う設定をしておきます。

こうすることでkintoneの一覧表示で、状況把握がしやすくなるというメリットがあります。

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最後に

もともとはあやふやなデータをなんとかしたいという課題からkintoneを導入してみました。
導入後にデータが集約されることで見るべきポイントが1箇所になりました。これにより、kintoneを中心としてこんなこともできるのではないか?この業務もkintoneのエコシステムに取り入れられないか?と考えることが多くなりました。
実現するために現在の業務フローの無駄な部分を洗い出すことにもつながり当初の想定よりも大きな効果を生み出してくれました。

結論
スプレッドシートは悪じゃないけど、カオスになりがち
データを情報として活用できるように意識することは超大事

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