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2度目のエグい別府探訪

2度目となる別府探訪は、特に別府じゃなくてもできることばかりだった。

海の日を含む3連休で仲の良い友人が待つ別府へ足を運ぼうと計画していたのは6月中旬だったが、7月1週目になって最悪の事実が舞い込んできた。海の日にテストがあるという事実。あり得ない。(海の日に「海」に関するテストが出るのであれば100歩譲ってOKを出せる。)大学には文字通り「遊ぶため」に通っているし、大学側も大学生のそれを受け入れているはずだし。なのに祝日に大事なテストをぶち込んでくるあたり、サイコパスを感じる。無論俺はというと、単位落とす勇気もないので、テストを受けることになる。つまり、2日間で別府を精一杯楽しむんだな、という今まで無責任に文句を言い放ってきた大学からの冷たい宣告だってわけ。

まぁまずそんなわけで飛行機を探す流れになるんだけれど、すでに良い時間(それは土曜日の朝イチだったりするんだけど)のLCCは埋まりに埋まっていて、さらに扶養を超えてしまう事実を親に伝え忘れたことから謎に財布の紐も締まりに締まっており、お金を出せない状況だったから、指先に涙が伝うほどには泣きながら、飛行機予約サイトを見ていた。予約が間に合わず土曜日の20:20に大分空港に到着する行きの便と、テスト勉強の猶予を日曜の夜にとりたいという思惑から、帰りの便は22時に成田に到着する便ではなく、1本早い18時くらいに大分を出る便を選択し購入した。別府から大分空港までは1時間弱かかるから、この時点で俺が別府で自由に過ごせる時間は実質20時間で、睡眠時間を含めると大体12〜13時間ということになる。終わった。費用対効果が低すぎる。会社だったらクビになってる。飛行機は往復4万円、空港までの交通費で約6000円かかっているから,12時間で約5万円をぶっ放す計算になる。時給換算すると...涙袋が飛びそうになる。

特に旅の予定は立てないタイプだ。一人で行く時なんか尚更。「偶然の出会いを楽しむ」タイプのキショいシティボーイに憧れがあるからね。でも、今まで偶然の出会いを楽しんだ経験なんてないし、偶然の出会いすら起きた経験がない、だからちゃんと旅の計画は立てるべきなんだろうね。友達と旅行する場合は大体友達が計画を立ててくれるから、その計画に沿って、楽しむべきところをしっかり楽しむことができる。ただし、どうしても、果たして旅の計画を立てた方が楽しいのだろうか、そういうパンクロック精神が体を疼いてしまう。決められたレールに沿って楽しむなんて面白くない、これは結婚した頃に思うなんか人生のそれと同じようにも思う。ついこないだ、仲の良い後輩が、安定しすぎて刺激がなくなった、と女の子に振られた話を思い出した。

まぁそんなこんなで12時間くらいしか使えない旅を無計画で遂行することにした。宿は幸い友達の家に泊めてもらえることが決定していたので、お金を払わずに済んだ。到着して早速友達が迎えにきてくれて、お腹が空いていたので、ご飯を食べた。ご飯、一瞬「吉野家」という案が出たけど「暗黙の了解」の後に却下され、結果創作料理の店に行った。席についてすぐ、何飲まれますか?と聞かれて、「あ、そいう感じ?」という気持ちになった。そういう時あるよね、店側は酒を提供するために臨戦体制をとっているのに客側にその気がなくて気まずくなること。その上、友達がお酒を頼まないし、クソ安いお茶漬けを食べて帰ったからお店の人は、ほんと不快だっただろうな。

その後「ひょうたん温泉」と言う地元の有名な温泉に連れてってもらった。結論、すごく良かった。シャンプーやボディソープなどもしっかりしていたし。(良い温泉あるある、備え付けのシャンプーの質が良い)お風呂場もとても広くて外国人もたくさんいて賑わいを見せていたわけだけど、「ここだけはちょっと!」という改善点があったのでここで提案させて欲しい。それは、脱衣所のトイレが1つしかないこと。あんなに人がいるのにトイレが一つしかない。脱衣所のトイレって、深夜に空いてるコンビニのトイレくらい貴重なんだよね。全裸で外に出れない人はもれなく使うし、長風呂に備えて事前に入っておこうという人もいるし、タイミングよくトイレに行きたくなる人もいるしで、トイレに行くハードルの高低の幅が広い。意味わかるかな?(わからなくて大丈夫。)その上で、あんなにキャパのあるお風呂屋さんで人も多くなると、必然的にトイレの需要は増えるわけで。つまり、トイレの需要と供給が釣り合ってないわけだよね、IS-LM曲線(経済学部に入って唯一覚えたそれっぽい専門用語)でいうところの...つまり、脱衣所のトイレを増やして欲しいと思いました。

気持ちよくトイレ、じゃなくてお風呂に入って友達の家に帰ってきたわけだけど、ここからが酷かった。帰って飲み直そうということになり近くの24時間スーパーへ。24時間スーパーでは、お酒を買った、お酒といっても6本パックのビールだ。もうこの時点で23~24時くらいになっていた気がする。この時点で俺に残された時間は睡眠時間を含めて17時間くらい。そこではいろんな話をしたわけだけど、酒を飲むにつれてテンションが上がり、友人宅のスピーカーで音楽を爆音で流し、踊り狂った。男二人が爆音で流れるNewJeansをバックに無言で踊り狂う部屋。俺がもし来世で賃貸に生まれ変わるとしたら、こういう奴らには借りてほしくないと思うね。途中で、お腹が減ったので、冷凍食品の唐揚げを用意してくれた、んだけど、爆笑。冷凍食品あるある第1位「ちゃんと規定の時間温めたのに中身凍りがち」!!!!が起きた。踊り疲れて食った唐揚げの中身が凍ってるのクソおもろかった。まぁちょいちょいお話も挟みながら。で、またスーパーに行って同じビールの6本パックとワイン(飲みやすいなんちゃってワインもどき)を1瓶買って、知らない間に飲み干した。一通り酒を飲み干して、時計を見ると朝の5時、終わった。(この時点でこの旅の「死」を確信した。)怖くなって寝た。

起きると12時近かった。案の定、二日酔い。二日酔いで残された時間は5時間ほど。俺たちに何ができるというのか。水とソルティライチ(リアル)をできるだけたくさん飲んで、とりあえず観光地っぽいところへ行こう、となり、有名な観光地、「地獄」がある鉄輪の方へバイクを走らせた。クソ暑かったのと吐きそうだったので「地獄めぐり」を断念し、温泉ミュージアムという涼しくて綺麗な場所に飛び込むことにした。別府のチームラボだった。アートと温泉の歴史を学ぶ目的の施設らしくて、プロジェクションマッピングなどのテクノロジーを見せつけられた。意識が朦朧としててあまり覚えていないのだけど唯一覚えているのは、50年前に地中に染み込んだ雨水が温泉となって湧き出ているというエピソード。そんなこんなで14~15時くらいになり、空腹もマックスに。大分名物である「とり天」が食べたい、というそれっぽいリクエストを事前に用意していたから、とり天を食べに行こう、となった。いざとり天屋さんに行くと、エアコンが効いていなかったり、長蛇の列ができていたりとで、断る理由が多すぎて、結局よくわからない国道沿いのトンカツ屋さんに入り、とり天ではなく、トンカツ定食を食べて16時になった。トンカツ屋の駐車場で、バイクの試乗中のおじさんに出会ったんだけど、さっきまでいたはずのバイク屋さんがどこかわからなくなって案内して欲しい、という謎のお願いを聞き、大爆笑。(してないけど、こんな旅、文字面だけでも大爆笑したほうが良い。)で、俺たちって優しいからさ、そのおじさんをバイク屋さんまで案内して、一件落着した。

最後にどこかそれっぽいところ(もう観光地でそれっぽいところ、とか言っている時点で人生が終了している)へ、と言ったから温泉に連れてってもらった。その名も、「ひょうたん温泉」。どこかで聞いたことのある名前だけど、置いておいて、とりあえず脱衣所へ。トイレは一個しかなかった。そうです。昨晩行った「ひょうたん温泉」です。で、普通に入って、普通に出て、普通に空港までのバスを待つバス停に到着。振り返ってみると、別府に行って、それっぽいことをしたのは、二日酔いの温泉ミュージアムくらいで、全部東京にいればできることでした。という話です。最高すぎるな。

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