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環境と農業とときどきブリコラージュ

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こちらのマガジンでは主に農業、環境について書かせていただこうと思います。フランスに住んでいるので現地の生活のことや哲学などもシェアしながらゆるく投稿していきます。
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記事一覧

わたくし樹(たつき)と申します

2022年あけましておめでとうございます。 ちょうど今日で27歳になりました樹(たつき)です。 ぼくの名前「樹(たつき)」の由来は父がどうしても「たつき」 という音で名前をつけたかったらしく、そこで一文字でたつきをあらわす 樹を見つけて、また意味のうえで樹木のような太く大きな人間になってほしいという願いも込みで僕の今の名前につながっているらしいです。 自然のなかで育ったお猿さんたつき田舎で生まれて育った僕はとにかく自然と触れることが好きで秘密基地作りや山の中でおにごっこを

開発、援助などの世界目標の達成に向けて、オープンデータをどのように活用するか

ボンジュール 今回の記事ではあるPodcast を聞いた感想とそのデータの使い道、使われ方を分析しながら書いていこうと思います。 "How open data could spur drive to meet the global goals?" このポッドキャストでは、革新的な方法でデータを収集・利用することで、SDGsの実施とモニタリングの両面で途上国を支援することができると説明しています。Worldwide Web Foundationのアフリカプログラムのディレ

都市農業と社会正義

ボンジュール 久しぶりの投稿になります。修士論文は突破して採用されたのですがそこからまだ手直しがたくさんあり、書き直し再提出、書き直し再提出を繰り返しやっとこさ終了しました。 とはいってもまだ今学期の授業がまだたくさん残っており、全ての論文とレポートを提出し終わる4月後半までは気が抜けません。 noteの投稿がかなり滞っていてので久しぶりに書いてみようと思います。今後はブリコラージュやフランスでの生活もそうですが、農業や環境問題の面でもインプットしたことや気づきなどを書

「遅い、少ない、完璧でないを許さない社会と余白が少ない現代」

今日は久しぶりの投稿になります。 今日の記事では斎藤幸平さんが書かれた「人新世の資本論」読んで自分が気づいたことや感じたことを中心に書いていこうと思います。この本は知り合いの方から『この本は本当におすすめ』と勧めていただいて読みはじめました。 https://www.amazon.co.jp/dp/B08L2XMQKX/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1 そして自分のなかでの「資本主義」や「競争社会」へのもやもやへの

深み×ヒト×アイデンティー

ボンジュール ※冒頭の犬は彼女が飼っている犬です。だいして「考えるイヌ」 最近自分のアイデンティティーってなんなのだろうかと考る場面が増えました。別に全く病んでいるわけではなく、修論が終わり、冬季のバカンスに入ってから自分の時間が比較的増え、自分と向き合える時間を比較的つくることができたからです。 Zoomでのミーティングや友達とのオンラインでの会話のときなど決まって耳にする言葉があります。 それは「いまフランスだっけ?」「フランスのコロナの状況はどう?」「フランスはい

2020年の振り返り

去年の9月から新しいフィールドに飛び込んでからというもの ここまで長いようで本当にあっという間だった。「光陰矢の如し」とはこのことで毎月世界の状況が変わり、自分の置かれている立場も変わり、そして毎日インプットすることが多くなった。 今までの留学や仕事の時間を全て含めるとするとフランスで過ごす時間も約4年になりクリスマスと年末は2018年から3年連続でリール(フランスの北部の街)におり今年の年末も年越し蕎麦の代わりに乾燥したソーセージとシャンパンを飲みながら家でゆっくりと年を越

ブリコラージュからみる文化の発展の違いと連続性

Bonjour ボンジュール! リール(フランス北部の都市)は本格的に寒くなってきました。 ロックダウンが解除になり夜の外出禁止令はありますが窓から見る限り街にはひとひとひと。 「ロックダウン」→「ロックダウン解除」→「ロックダウン」を繰り返し、世間ではこの国(フランス)ではロックダウンは意味がないのではないか」とも言われています。実際にロックダウンの効果はあまり見えず、むしろそれによるストレスが原因でストライキや暴動の勢いがよりいっそう増しています。夏のロックダウン解除の

里山資本主義(藻谷浩介さん著書)における『マネー資本主義』と『SNS(YoutubeやInstagramなど)におけるいいね/登録者数資本主義』との類似と比較

今回の記事は読書感想文ではありませんが 最近読んだ本の中で特にガツんと衝撃をうけた藻谷浩介さん著書「里山資本主義日本経済は『安心の原理』で動く」 を読んでから感じたこと、そして里山資本主義の対となる言葉としてあげられていた『マネー資本主義』にふれながら 現在のSNSにおける『いいねの数』『登録者の数』への個人的に思う疑問を書いていこうと思います。 まず「里山資本主義日本経済は『安心の原理』で動く」の本についてですが現代の日本における産業的農業、または工業的農業 について様々

徹底したフランスでの節約生活

Bonjour 今日はフランスでの節約生活と『あるものでつくる』発想について少し書かせていただこうと思います。 2013年から留学や旅行を含め毎年のようにフランスに行っており 2018年度は仕事、そして2019年からは大学院に通い始めたのでフランスでの生活には慣れてきました。 フランスといえば日本のイメージではパリとかモンサンミッシェルとかシャネルとかそんな良い、エレガントなイメージがあるのではないでしょうか? 実際に僕がそこで目にして経験したことはそのむしろ逆のこと

『必要なものはすでに自分の中にある』〜コロナウイルスが流行っているこんなときにこそ役に立つブリコラージュ思考法〜

Bonjour ! 前回のブログで内容につきましては詳しく書かせていただきましたが、フランスでは現在正当な理由と書類がない限り外出ができない状態となっています。 僕が通っている大学院のが閉鎖してからも講義はオンラインで引き続き行われますし、論文や課題の量は普段より増えました。 なのでインプットすることとアウトプットすることの繰り返しをしており実際に暇ということはありません。 でも外出への規制がかかった現在ではヨーロッパを中心に『やることがない』『ひま』『いつもの生活に戻

本質的な問題提起と解決方法とは?

Bonojour ! ボンジュール! 久しぶりの更新になります! 新学期がはじまりまして、農業政策の授業の比重が高くどちらかというとポリティックス(政治)の授業は比較的減りました。 課題とリーディングは山積みですが毎週自分の欠点を発見したり、新しい知識見解ができているので刺激がたくさんの学期になっています。 そして今回のブログのテーマですが『本質的な問題提起と解決方法とは』にしています。というのも最近読んだあるコラム『分解されるプラスチックバック』を読みました。内容とし

計画された偶発性理論                            ~ Planned Happenstance Theory~

少しショックなことがありました。。 まあショックというよりは自分が知らなかったことへの少し残念な気持ちと「あ、自分が仮説を立てている理論にかなり近いものがすでに学会の場で発表されていた。。」というふたつがオーバーラップしてます。 ちなみにその僕が立てている理論の原点はフランス人の人類学者であり哲学者でもあるレヴィ=ストロースが提唱した『ブリコラージュ』にありそこから自分の考えと仮説を加えて「現代社会における偶発的な作用や運動、現象」などを個人的にフィールフォワークと言う名

〜偶然を飼いならす〜

Bonsoir !! 今日は僕が個人的に研究しているブリコラージュについて少し触れながら書かせていただきたいと思います。 実際に僕がこの「ブリコラージュ」という考えと出会ってから自分の人生の価値観や世の中への見方が大きく変化しました。 そしてブリコージュを話す上で絶対に欠かせない言葉の一つが 『偶然を飼いならす』なにかぼやけたような漠然とした言葉ではありますが、実はすごく深みがあり、僕自身がレヴィ=ストロースの影響を受けてから自身の考えも交えながら提唱しているブリコラ

貧困について考える

サブタイトル 〜『絶対的貧困』と『相対的貧困』〜 『貧困』ときくとあなたはなにについて考えるでしょうか。 実際にフランスにきて貧困というものを直に目の当たりにしているのでショックも大きいですし、その違いは日本とは大きく異なるものです。 そこで最近考えてたことが貧困。実際にフランスでは移民や難民をはじめとする大きな問題が話題になっており、ホームレスや貧困の問題は絶えません。 欧米諸国では貧困について定義をするときには目に見える形で自然に誰が貧困で誰が貧困層ではないかは