古本新喜劇
ヤクザが女性を脅していたのに、立場が逆転する設定
女性「おい、コラ!」
ヤクザ「はい?」
女性「ワレ、さっきからなに調子こいとんねん!」
ヤクザ「いえ、そんなこと....ない...」
女性「はあ?聞こえんのー」
ヤクザ「そんなことありません」
女性「そんなことあるんじゃボケ!」
ヤクザ「……」
女性「お前の頭スコーンと割ってストローで脳みそチューチュー吸うたろか!!」
ヤクザ「……」
女性「鼻の穴から割りばし突っ込んで下からカッコンしたろかワレ!」
ヤクザ「……」
女性「コンクリート詰めにして日本海に沈めんどォ〜!!」
ヤクザ「……」
女性「怖かった〜」
一同いっせいにコケる
そのコケ芸は、リズムといい、間の取り方といい、一糸乱れぬ倒れ方だ。一人一人の動きが違うにせよ、体の隅々まで神経が行き届いている。その動き方たるや、まるで芸術の舞台を観ているかのようだ。
ハハハハ ハハハハハ ハハハハ ハハハハ〜笑
エンディングの音楽が鳴る
幕が閉じる
パチパチパチパチパチ パチパチパチパチパチパチ
終了後のサイン会にて
大藪「はっはっはぁー!今日の公演も大成功や!」
A「ホンマっすね座長!地方公演は新鮮な気持ちでできるやさかいに、めっちゃ最高や!それにしても、ウチらのコケ芸どこ行ってもウケますね」
大藪「そんなん当たり前や!何年稽古してると思とんねん。稽古以外でも一緒に飯食うたりしてるやろ?厳しいするところは厳しく。優しいするところは優しく。要するにチームワークが大切なんや!」
A「それで、呼吸ぴったりのコケ芸が完成するわけか。なるほど」
ファン「キャー!!大藪さんよー!サインお願いします」
大藪「おー!めっちゃ、ぎょうさん人おるわ!まあまあ、そない前の人を押さんといてなー」
1人の青年がジーッと大藪を見ている
大藪「おお、兄ちゃん、アンタもサインほしいんか?」
青年「オレはいらないよ」
A「な、なにを…ワテら滅多に地方公演したりしないんやで!」
大藪「まあ、まち!人それぞれ考え方ちゅうもんがあるんや。今日のコケ芸おもろかったやろ?」
青年「確かにおもしろかったよ。しかし、あれ以上の伸びしろはないね。いずれ壁にぶち当たるだろう」
A「なに!わかったような口を聞きやがって!このど素人がっ!」
大藪「まあまあ、兄ちゃん、えらい強気な発言するやんか。そないゆうたら、あれか、兄ちゃんはコケ芸ができるんかいな?勝負したろか?」
青年「ああ、できるさ。受けて立とう!ただし、コケ芸の場所は、こちらから指名させてもらう」
A「ヒュー♪天下の古本新喜劇にケンカ売りよった、今世紀最大の大バカもんや!」
大藪「場所はアンタが決めてもいい。ワテらのチームプレイ、あなどるやなかれ!」
水田にて
A「なんやねん、水田って!泥に足とられるやがな」
大藪「まあいい、ふふっ、泥だったらこっちとしても都合がいい。ハプニングが起きようもんなら笑いも倍増や」
A「さすが、ワテらの座長や!」
大藪・A・B・C「はっはっはっはー!!」
青年「早く先にやってください」
大藪「う、うん、しっかりと見とくんやで〜!」
A「暑はホンマに夏いですね!」
B「それをいうなら、暑はホンマに夏いですねやろ!ドアホ!」
C「………お、同じや〜!」
ズコ〜
一同、縦横無尽に倒れる。足場が取られる水田でも、呼吸を合わせる動きに、一切の無駄がない。
大藪「はっはっはっー、どや、次はアンタの番や」
青年「……」
A「暑はホンマに夏いですね!」
B「それをいうなら、暑はホンマに夏いですねやろ!ドアホ!」
C「………お、同じや〜!」
ズコ〜
そのときだった。青年は頭から水田に突っ込むと、足を真上に突き上げ、両足をハの字にダランと垂らした。
大藪「ななな、なんという大技!どこかで見たことがある。そや、犬神家の一族や!湖で両足を水上に出したまま死んどる場面や!!」
A「なんちゅうやっちゃ!スペシャルE難度の技を持ってきよったわ!!」
大藪「アホっ!早よう、水田から出さんと死んでまうでー!」
青年「はぁはぁはぁっ」
大藪「大丈夫か?アンタ、なぜ、そこまで真剣になりはるんや」
青年「アンタ達のコケ芸が好きだから、もっと高みを目指してほしいと思ってさ」
A「高み?」
青年「チームワークがいいことは大切だよ。しかし、1人1人が、あくなき向上心に立たない限り、新しいものは生み出せない。失敗する可能性だってある。挑戦と応戦その繰り返しが大切なんだ」
大藪「な、なんちゅうお人や!そないしてまでワテらのこと思とってくれたんか。エラそうな口叩いて、ホンマ堪忍やで」
A「あんさん、おおきに!ヒュー♪これで古本新喜劇も安泰や!」
大藪「ホンマ、調子のいいやっちゃ!」
一同「はっはっはっはー」
舞台の楽屋にて
A「座長〜!次の舞台、人足りてません!ケガ人続出でっせ!」
大藪「皆、やる気が出たのは、いいことやけどコケ芸に命かけすぎや!」
ズコー
大藪「あー、首、痛ぁー」
【終わり】
(1997文字)
どうも〜くだらないことばかり考えてます、ミズグチスイデン クレ村長です。
真剣にくだらないことを書くって素敵ですね!
あと、1つ、くだらなーいこと考えよう^ - ^
いろんな人のいろんな考え、為になります。
渡邊さん、〇〇について思うことさん、そらさん、素敵なイベントありがとうございます😂
みなさん、ありがとうございました🤗
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