あたらしい世代がつくる

「お笑い第7世代」というのは、2018年に霜降り明星がラジオのなかで言い始めたことらしい。とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャンら「第3世代」を意識して、「俺たちも、同世代で固まって、うねりを作っていこうや」ということらしい。
当初は大きな注目を集めなかったコンセプトだったようだが、今や「大きなうねり」となっている。

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「世代」は、ロケット鉛筆みたいに、変わっていく。
前の世代が押し出され、次の世代が前面に出る。
そこには、自然の摂理があり、外部環境からの要請があり、"前の世代"の美学や清爽があり、"次の世代"の血気と覚悟がある。
(「ロケット鉛筆」という言葉自体が、「世代」を感じさせるのはご容赦を...)



瀧本哲史さんが、
「パラダイムシフトとは世代交代だ」
と言っていた。

たとえば、天動説から地動説へのパラダイムシフトについて話していて、
天動説を信じる古い世代の学者たちは、どれだけ確かな新事実を突きつけられても自説を曲げなかったが、50年ほど経つと、地動説を信じる世代が多数派に代わった、と。

「それを言っちゃぁオシマイよ」という話ではあるのだけれど、
瀧本さんは、
「世代が代わりさえすれば、必ずパラダイムシフトは起こせる」
「若者が正しい選択をし続ければ、いつか世界は変わる」
という希望として語っている。


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企業変革でも、
世代交代というのは大きな要素であって、
「次の世代が、あたらしくて正しい認識と意思を持つこと」
「その意思を、旧世代からの慣性とバイアスに歪められることなく、存分に発揮できるようにすること」
ということは、とても大切なことだと思う。


日本全体に目を向けると、

徐々に、僕たちの世代が、管理職や経営層に入りつつあるし、

「消費者としての世代」である"ミレニアム世代"も、
だんだんと「ビジネスパーソンとしての世代」として存在感を増していく。


これは、ビジネスや経営におけるパラダイムシフトをもたらすのだろう。

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1つのキーワードは、
「僕たちは、”成長の神話”から、解放されることができる」
ということだと思っている。

物心ついた時には、日本経済のバブルは崩壊し、「失われた10年」は20年、30年と延長記録を更新中。
経済全体が伸びるという大きな波に乗って皆で豊かになり、努力の量は成長に繋がり豊かさをもたらす。そんな時代は、親や上司の思い出の中。


そういう世代であればこそ、量的な成長を絶対視せずに、それを相対化することができると思う。(※「成長の否定」ではない)


多くの企業も社会も、
”成長の神話”と”環境と自身の成熟”との折り合いがつかず、
そして、折り合いがついていないことに目を背けるがゆえに、
その折り合いのつかない状況の深刻さは増しているように見える。
”成長の神話”から解放されたパラダイムが、そんな隘路を脱するきっかけになるかもしれない。


CSRやSDGsなどのコンセプトを、身体に合わない借り物のコートを着るようなことをせず、
自らの内から出る統合的な感覚としてエコロジカルな意思決定をすることもできるかもしれない。


僕たちの世代が紡ぐパラダイムが、
あたらしい意味での"豊かな"社会
を作るのであれば、すばらしいと思う。


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