見出し画像

コト分析を使って問題の所在を分割する【ロジカル・シンキング】

皆さんこんばんは、福田達也です。

前々回の記事では、大きな問題に対して、問題を小さく分解していくことで解決しやすくする方法について紹介しました。また、前回の記事では、MECEを意識して問題を分割し、ロジックツリーで整理することが効果的であることを開設しました。

しかし、MECEに慣れていない方にとって、MECEな分割を考えることは難しいですし、問題によってはMECEに分割することが非常に困難な場合もあります。

今回はそんな時にも使える、コト分析による分割法について紹介します。


コト分析とは

コト分析は、何かに取り組む時の動作を動詞で表現可能な小さな動作(~するコトと表現できるもの)の集合として捉え直す分析方法です。言葉で言っても分かりづらいと思うので、一例を挙げて説明します。

例えば、改札を通る時に何をしているかをイメージしてみてください。まずは改札機がどこにあるのかを見るでしょう。改札機を見つけたら、Suicaを使って通ろうとします。そのためにはまず、Suicaを取り出す必要があります。では、そのSuicaはどこにあるかというと鞄の中にある。ということは、鞄を開けてSuicaを探し、それを取り出す必要があります…という風に考えていきます。そして、これを~するコトと時系列に並べていきます。

上記の例では、

・改札機を見るコト
・改札機まで歩くコト
・鞄を開けるコト
・Suicaを探すコト
・Suicaを取り出すコト

といった風に小さな「〇〇するコト」の集合として捉え直すことで、普段自分が無意識にやっている動作や行動が客観的に見えるようになります。

このコト分析の考え方は、問題解決における問題の分割についても転用可能です。ただ、さすがにこのような小さな動詞レベルまで分解すると数が膨大になりすぎますし、何を解決したいのかが逆にわからなくなります。ですので、問題解決に使う場合には、ある程度ざっくりとした大きさで分割すると良いです。

コト分析で分解する

それでは、実際にコト分析を使って問題を分割してみましょう。今回も問題例として「最近会社に遅刻することが増えている」という事を挙げてみます。

まず寝ている所から、起きて会社に行くまでの動作を考えてみましょう。以下は一例です。
・目覚ましを止めるコト
・布団から出るコト
・顔を洗うコト
・朝ごはんを食べるコト
・身支度を整えるコト
・電車の時間を確認するコト
・時計を確認するコト
・駅まで歩くコト
・電車に乗るコト
・・・

さらに、遅刻する原因は朝にあるとは限りません。退社してから寝るまでの動作についてはどうでしょうか。

・家につくコト
・家に入るコト
・荷物を降ろすコト
・TVの電源を付けるコト
・お風呂を沸かすコト
・お風呂に入るコト
・ビールを飲むコト
・ご飯を食べるコト
・歯磨きをするコト
・布団に入るコト
・寝るコト
・・・

このように、ただ起きて会社に行くだけでも色々なコトをやっていることが見えてきます。このようにコトが沢山出せたら、そこから問題の原因を探っていきます。

例えば、「TVの電源を付けるコト」というのは必要でしょうか。もしかしたら、ここでついつい夜更かししてしまっているかもしれません。あるいは、「電車の時間を確認するコト」で、ギリギリの電車に乗ろうとしていることがちょっとした遅延による遅刻につながっているかも知れません。

このように自分が何をやっているのかが見えてくれば、その中に無駄なコトはないか、あるいはボトルネックになっているコトはないか、と考えていくと原因の所在が見つけやすかったりします。

終わりに

今回は大きな問題を小さく分割するための方法をテーマに、コト分析を使うアプローチを紹介しました。

動詞というのは、自分の実際の動作がそのまま現れているため、非常に考えやすい方法です。また、コト分析をしていると、意外なムダや無意識の行動に気づいたりすることもあります。

みなさんも是非一度試してみてください。

本日も読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いできることを、楽しみにしています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?