見出し画像

Amazonのレビューの半数が偽であるという事実。サクラレビューの裏側にあるものは何か

みなさんこんばんは、福田達也です。

先日の記事ではAmazonのサクラレビューの作られ方の一つとして、商品を後から差し替えたり、コピペレビューを量産する手口について紹介しました。

こういうステマのやり方と対策は常にいたちごっこで、私達が対策を覚えれば覚えるほど、また新しい手口が来て騙される…といった事がよくあります。

そして、たくさん見ていると、最近のサクラレビューは昔に比べて自然な日本語表現が多くなってきているという傾向も見えてきます。

今回は、この自然な日本語のカスタマーレビューがどのように増やされているかについて、調べてみました。

偽レビューがほとんどになったAmazon

最初に自分も調べていて驚いた事実なのですが、コロナ禍により通販の需要が拡大した結果、Amazonのレビューのうち、実に42%が偽レビューであるという調査結果が報告されました。

こうした偽レビューを判定するChrome拡張機能を提供しているFakespotは、偽レビューの割合に関する調査を実施。2020年3月から9月に投稿されたAmazonレビュー約7億2000万件を判定したところ、「約42%は信頼性が低い」という結果が得られたとのこと。2019年の同期間に投稿レビューで「信頼性が低い」と判定されたのは36%だったため、この42%という割合は特に高いといえます。Fakespotのサウド・カリフCEOFakespotのサウド・カリフCEOは「(特に偽レビューが増える)ブラックフライデーやクリスマスでしか見たことがない数値」と言及しています。

コロナ禍で「Amazonの偽レビュー」が全体の42%に達したという報告

42%…ということはおよそ半分近くがサクラレビューであるということです。ほとんど信頼できないようなボリュームになってきています。

そして更に恐ろしいことに、TOP10レビュアーの内7人がサクラレビュアーであったという調査結果も報告されました。

無料の商品提供や報酬などと引き換えに好意的なレビューを投稿する「ステマレビュー」はレビューシステムをゆがめるとしてECサイトでは禁止されているだけでなく、不当表示として景品表示法にも抵触する可能性があります。イギリスの経済紙Financial Timesの新たな調査によって、同国のAmazon上でトップレビュアーとして活躍している10人中7人がステマレビューを投稿していることが明らかになり、Amazonは2万件のレビューを削除することとなりました。

Amazonのレビュアーランキング上位10名中7人が「ステマレビュー」を投稿、Amazonは2万件のレビューを削除

これら2つを合わせて考えると、パッといいなと思って商品ページを開き、カスタマーレビューを見る。そうすると、☆5や4といった良い評価ばかりであり、しかも沢山の商品をレビューしてきたTOPレビュアーも良い商品だと太鼓判を押している。これは良い商品に違いない!

と思った商品の多くが、ステマ商品である可能性が高いということ。そして、目にするレビューの多くはサクラレビューであるということです。

そしてこれはもう一つの重大な問題をはらんでいます。それは、こういったステマ商品が押し上げられた結果、真っ当に商売をしている一般の商品が埋もれてしまうということです。

1000レビュー120万円

そして別の記事では、このステマレビューを仲介するサービスについても紹介されていました。

Which?は2020年12月に、レビュー操作サービスを提供する10のサイトを用いて、ステマレビューがいくらで購入できるのかについて調査を行いました。調査の結果、5つのレビュー操作サービスだけで70万2000人以上のレビュアーを抱えていることが明らかになっています。

~中略~

以下はAMZTigersが提供しているステマレビュー投稿サービスの価格表。1レビューあたり15ユーロ(約1900円)で販売されており、50レビューで699ユーロ(約9万円)、100レビューで1299ユーロ(約16万7000円)、250レビューで2999ユーロ(約38万5000円)、500レビューで4999ユーロ(約64万1000円)、1000レビューで8999ユーロ(約120万円)となっています。

Amazonで無数に投稿されている「ステマレビュー」はいくらで依頼することができるのか?

1000レビューで約120万円。Amazonで検索してみると分かりますが、ステマ商品以外で1000レビューを超えているものはほとんどありません。となると、数十万円から100万円程度の広告費を払うだけで、その商品カテゴリでトップの人気商品に押し上げることができるということです。

そしてもう一つ恐ろしいことは、こういった仲介サービスが成り立っているということです。1つの企業がひとりひとりレビュアーを集めたり、自社で募集をかけて集めるということは膨大な時間と労力がかかります。

しかし、こういったサービスがあれば、ただお金を払うだけで、同じだけの効果が得られる。そして、それがどんな小さな企業や商品に対しても遍く提供されているということです。

終わりに

今回はAmazonのサクラレビューの裏側について、今どのような状況になっていて、それを引き起こしているのは何なのか、について調べてみました。

ステルスマーケティングがはびこると、評価システムそのものの信頼性が損なわれ、価値を失っていきます。しかし、私達の手でそれが止められないのであればできることは自衛することだけです。

これからも、自分が得ている情報が正しいものなのか、きちんと考え判断する力を身に着けていきたいと思います。

本日も読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いできることを楽しみにしています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?