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知識の省略

1.知識をつけたその先に

先日、棋士の羽生善治さんの「決断力」というタイトルの本を読みました。
読むまでは棋士の世界をまったくといっていいほど知りませんでした。
しかし、読んでみて驚かされました。原子の数より多い手を考えながら、一手指す棋士の思考は、おそらく世界で一番頭を使う職業だと思われます。
そんな、最強の考えるプロの考え方から知識を身につけた先に何があるか自分なりに思うことを描きたいと思います。

2.知識と知恵

羽生さんの本では、知識と知恵について書いてありました。
知識を身につけた先に知恵がある。知恵とは「知識の省略」である。
とても抽象的な表現なので少し深掘りしてみます。

3.知識が身につくと考えなくなる

初めて何かを学ぶ時のことをイメージしてみましょう。
まずは、知識を頭に入れます。この時は、少し時間がかかります。
覚えては忘れて、間違えてを繰り返します。そして、何度もやってくるうちに、考えなくてもできるようになることがあります。このとき知識が知恵に変わるということみたいです。例えばスーパーマリオみたいなゲームをしていてもあります。最初のステージでいつもやられてしまうところを練習してできるようになり先に進む。そしてまた新たに難しいステージがでてきたとき、最初はあんなに苦労したステージが簡単にできるようになるような漢字ですね。要するに、成長するということですね。

4.数学においての知識の省略

これは、数学でもよくおこることです。最初は、原理をちゃんと理解して欲しいから途中式を書きなさいと伝えます。しかし、学年が上がると途中式を減らすように指導します。いちいち書かなくても、頭でできているのであれば、むしろ書くことでのタイムロスの方がもったいないからです。
また、自分への負荷にもなります。

5.まとめ

しかしなんでも省略すれば良いというわけではないです。
数学でいう、途中式の省略は、途中式をちゃんと書いて理解していることが前提となります。ただ、楽をしたいからとか面倒だからといった理由で省略するのはむしろマイナスだと思います。だから、途中式を省略していいとは、数学で成果を出したことがある子にしか言いません。
省略とは、基礎を徹底して仕上げて人が楽をできる方法なのです。

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