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ラブライブ!で考える都市一極集中

アニメで考える社会問題。
今回はラブライブ!を通して都市一極集中について考えていこうと思います。

ラブライブ!は2010年から始まった長寿コンテンツであり、何を隠そう、私が人生で一番推しているコンテンツであります!
そう….
私がラブライブ!と出逢ったのは中学2年生の頃。
アプリゲームを何となくインストールしてから私のラブライバー人生は始まりました。
そこから今日に至るまで、推さなかった日はありません。
語ろうと思えばいくらでも語れますが、今回はそこが主ではありませんので、作品紹介をサラッとしてから本題に移りましょう。

ラブライブ!とは、とてもザックリ説明すると2次元のアイドルコンテンツであります。
現在に至るまで、6シリーズ(細分化すると7シリーズ)登場しており、それぞれが学校でアイドル活動をしている女の子たちを描いています。
コンテンツの特徴として、それぞれのシリーズの舞台には、モデルになった地域があるということです。
所謂「聖地」というやつですね。
今回のテーマにも引っかかってくるので、各シリーズの主要な聖地を並べてみましょう。


ラブライブ!
東京都千代田区秋葉原



ラブライブ!サンシャイン!!
(幻日のヨハネ SUNSHINE in the MIRROR)
静岡県沼津市



ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
東京都港区台場



ラブライブ!スーパースター!!
東京都渋谷区神宮前



ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ
石川県金沢市



SCHOOL IDOL MUSICAL
大阪府・兵庫県神戸市

東京に集中しているものの、概ね全国に分散しているのがわかりますね。
主要な聖地以外も含めると、函館だったり神津島だったり、国境を越えてアメリカ・イタリア等々、かなりの地域が聖地になっていますね。

さて、上記の中で特に異質な地域があるのに気づきましたでしょうか?
そう、静岡県沼津市。
私自身、サンシャインをみて初めて知った場所でございます。
ストーリー内でも「田舎」というワードが使われるくらいの地方です。
話が進んでいく中で、登場するキャラクター達が沼津と東京のに悩む描写が多々あります。
これが今回のテーマである「都市一極集中」に繋がていきます。

都市一極集中、日本においては東京都一極集中といっても差支えはないでしょう。
あらゆる経済活動が東京へと集中し、それに合わせて人が地方から離れ、東京に集まる構図が出来上がりました。
それにより、何かイベントがあるとなったら東京・埼玉・横浜となってしまうわけです。
毎回のライブで約3万も遠征費で飛ぶのは、弱小サラリーマンの私にはとても痛いです…..

余談はさておき、ではなぜ都市一極集中がおきるのでしょうか?
以下、考えられる要因です。

①経済活動の集中
②インフラの充実
③教育機会の集中
④多様な文化と娯楽
⑤政治と行政の中心

私は特に、経済活動と娯楽が要因として強いのではと考えております。
経済活動が活発だからこそ若者は地方から離れ、雇用の機会の多い都市部へ移り、結果的に娯楽やインフラの需要が上昇する。さらに若い層はそのキラキラに憧れ、「就職するなら東京!」のようになるわけです。
私も就職活動するときは地元や通っていた大学近辺は選択肢になく、東京がいいとずっと言っていた覚えがあります。
特に23区の人口の増加具合は市町村部と一線を画しており、東京都の統計によると、平成2年から令和年にかけて約150万人東京都民が増えた中で23区内は約93万人と、全体の60%を占めています。
東京都の面積の30%にも満たない23区でこんなに人口が増えているなんて、驚きですよね。

対して沼津市の推移はどうでしょうか?
東京都の統計よりは断片的ではございましたが、沼津市の統計によると、平成2年から令和5年にかけて約27000人の減少という結果でした。
腐っても東海道、交通の便も比較的良い方に感じております。
そんな沼津が約40年で27000人減….
ではこれよりもっと地方はいったいどうなのでしょうか?

余談ではございますが、私は以前、アニメ聖地の経済効果についての論文を大学で執筆したことがあります。
そこで得られた結論は、アニメの聖地は観光産業としては一定の効果を得られ、プロモーションの方法次第で長期的な効果を得られるということでした。
しかし、アニメ聖地が「定住」につながるかどうかはわかりませんでした。
都市一極集中の原因を見返してみると、きっと答えは明白で「定住」にはつながりません。

では都市一極集中を解消し、地方へ人口を分散するにはどうすればよいのでしょうか?
おそらく、一般的に考えられる解決策は以下の通りです。

①都市部と地方の格差是正
②テレワークの推進
③地方のインフラ改善
④地域固有の産業の活発化と発信

テレワークの推進は2020年からかなり発達したように感じられます。
今ではいつでもどこでも仕事ができる環境になりました。
しかし、総務省のデータによると、テレワークを導入している企業は全体の約半数であり、コロナの影響でで急速に増加したものの、まだまだ伸びきれていない様子です。
では、日本の全企業がテレワークを導入すれば地方に人が増えるのか?
私はそうは思えません。

私の考えとして、都市一極集中の一番の原因は交通インフラと経済活動にあると考えています。
よくアニメとかで聴いたことはありませんか?
「うちは田舎だからバスは2時間に1本しか来ないんだよね….」
「え、東京って4分に1本電車が来るの!?」
2時間に1本というスパンは私自身さすがに見たことはありませんが、東京の電車がすぐ来るのは間違いありませんよね。
果たして若者は2時間に1本しかバスが来ないような街に住みたいでしょうか?
確かに車やバイクをゲットできる年齢になれば交通の便もよくはなるかとは思いますが….。
では追加で、若者は遊び場が近所のイ〇ンモールしかないような街に住みたいでしょうか?
私は絶対嫌です。
住むのであれば、10分に1本は電車が来て、20分も揺られたら都会につくような場所に住みたいです。
東京で考えるのであれば、隣の神奈川や埼玉でしょうか。
更には、遊ぶが充実していて、今日は秋葉原、明日はお台場、明後日は原宿と、たくさんの選択肢があると良いですね。
私は育ちが兵庫なので、電車ですぐ大阪に行けるのはよかったです。

では解決策を「経済の分散」と「地方交通インフラの充実」とするのであれば、そのような解決策があるでしょう?

「経済の分散」に対する解答として、私は「産業クラスターの構築」が良いのではと考えます。
1つの業種を1カ所に集め、競争と相乗を生む。
業種を基礎とした経済圏が生まれ、それにフォーカスした教育システムを構築する。
アメリカのシリコンバレーもこれで一躍有名になりました。
シリコンバレーは自然に形成されましたが、日本で意図的に構築できれば….
例えば、韓国に近い福岡県を化粧品を取り扱う地域として発展させたりでしょうか?
まだまだ私の至らぬ知識で考えられるのはこれくらいですが、是非考えてみてほしいです。

「地方交通インフラの充実」について、私は「タクシー産業の活用」と「都市部への移動費削減」を行うことが良いのではと考えます。
需要がないものに供給はされないのは経営の大原則であり、電車だって、需要がないのに増便は行いません。
しかし、タクシーであれば需要でのみ動きますので活用しやすいと考えられます。
しかしタクシーって高いですよね….。
初乗りだけで600円、往復で考えたら1000円以上は見積もらなくてはいけません。
これが電車並みの金額で利用できたらいいなって思いませんか

「お国さん!自治体さん!出番ですよ!」

兵庫県明石市は住民にタクシー券を配布しました。
これにより市民の生活の質を上げつつ、タクシー利用者を増やしました。
全自治体が簡単にそれができるわけではありませんが、タクシーのように完全に地域に根付いている交通インフラは積極的に活用しなければ、都市部並みのインフラに近づけることはできません。

そして、「都市部への移動費削減」。
これは割と私的感情が強いと思いますがw
「いつでも都市部に行き来できるくらい安くなれば、移住する必要はなくなる」と私は考えました。
例えば、大阪から東京への新幹線は往復で約25000円です。
これが安くなったら、どうでしょうか?

「お国さん!自治体さん!またまた出番ですよ!」

移動費の一部を負担するような政策。
コロナが流行っていた時は「Go to トラベル」で似たようなことをしていましたよね。
あれの本質って、「コロナ流行ってても、安くなれば行く」というものなのではないでしょうか?
勿論、この場合は経済の基盤が都会にあるということは変わりませんが、「若者のあこがれ」という観点では、いつでも安く行けるようにするだけでかなり解消でき、地元に根付く可能性を上げるのではないでしょうか?
それこそ、リモートワークの発達がそれを後押ししているように思います。

いつでも東京に行けるのであれば、千歌ちゃんもご満悦ですね!


さて、今回はラブライブ!から都市一極集中を考えてみました。
書きながら思っていたのですが、やっぱりシリーズ通してラブライブ!サンシャイン!!って異様ですね。
アニメが放送されている中で唯一の地方が舞台で、描かれている風景も他とは全然違いますから。
それはそれで味であり、都会では味わえない良さを表現しているんでしょうけど。

今回はここまで。
またよろしくお願いいたします。


あとがき
執筆中に面白い記事を発見しました。
移住の理由があこがれなのは全体の30%なんですね。
驚きです。

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