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3日坊主のクレーター

「青龍さまがでたぞぉぉ!」

村人たちは青龍さまが現れたとされる場所へドタドタと走っていく。

「おらぁ幸運だあ。生きて神様を拝めるとはぁ」
「本当にねぇ」

ブツクサと浮かれている村人たちを制するように、村長は村唯一の坊主を呼んだ。

「おい坊主!噂じゃぁ青龍さまってのはとんでもねぇ神様だと聞いたがどうなんだぁ?おめぇなら知ってるべさ?」

「ええ。そりゃあもう。伝承によれば空から現れた青龍さまは、そりゃあもう身の毛のよだつ、ケッタイで大層な大穴の底の底におるそうな。そして近づいた者を穴へと引き摺り込んでしまうんだとか」

それを聞いた村人たちは足を止めて村長と坊主の話に耳を傾ける。

「だけんど、放っておくにも罰当たりだべ?」

「そうですねぇ。したらば私が見に行ってきますよ。三日で戻らなかったら様子を見に来てください」

立ち去った坊主は戻らなかった。

世にも珍しい"隕石"なる物を売って大金を稼いだ坊主と村長が居たというがそれはまた別のお話。

(410字)

ギリギリですが投稿させていただきました!
読んでいただきありがとうございます。

p.s.青龍さまは、流星流星りゅうせい…が転じて青龍さまになったとか。

p.p.s.写真は昨日行ったニュージーランドのとある洞窟。

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