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キトウシ温浴施設についての質問 6月定例会の一般質問の要約

6月20日(火)の東川町議会定例会にて、飯塚は新しく出来るキトウシの温浴施設「きとろん」について質問しました。
7月20日のオープンを前に、これまでの経緯を町長に説明してもらう必要があるという主旨です。
議事録から要約を書き起こしましたので、ごらんください。
なお、施設については内覧時のnoteを参照いただけると尚わかりやすいと思います。


Q飯塚: 施設の運営者を決めるのに、プロポーザル方式の民間事業者の公募から始まり二転三転してきましたが、これまでの経緯と最終的にどう運営していくのか伺います。

A町長: 旧高原ホテルからの建て替えにあたり、町民や有識者による検討委員会を立ち上げ令和3年1月から計6回にわたり協議し、民間委託するのが良いと決め、令和4年6月にプロポーザル形式の公募を始めました。
期間内に1社から応募がありましたが、のちに取り下げられました。
令和4年9月に、町内でホテル建設を予定する(株)トーホウリゾートに打診したところ検討が始まりました。
その中で課題となったのが、施設の実施設計も建設工事もほぼ進んでいる段階で、トーホウリゾートが運営をするにはホテル運営、温浴施設運営をしている目線からすると、浴室の状況などを修正をしていく必要があるとなり、一部は修正したのですが、温浴施設の運営は見送られることになりました。

最終的に施設全体の運営管理は(株)東川振興公社が担い、レストラン部門にシェフを派遣するなど一部をトーホウリゾートが担うこととし、7月20日にオープンします。

Q飯塚: 施設の核になる2階の浴室や休憩室は小ぶりなサイズです。
メインのトロンの浴槽は幅6.5m奥行き2.2mで、横一列に入るしかなく、同時に7名くらいで一杯になりそうで、これではゆっくりくつろぎながら入浴することが難しいのでは。

A町長: 昨今のサウナブームを鑑みて、サウナを2室配置したこともあり、浴槽が十分な大きさにはなりませんでした。
それでもメインのトロン浴槽で12名。露天風呂で8名。小さな炭酸風呂で4名が入れる計算で十分対応できると考えています。

Q飯塚: 施設が斜面に立地していて大きさに制限があったのは分かりますが、オープン直前になって第3駐車場を整備すると補正予算が計上されました。
その計画を当初からしていれば、施設に面する第1駐車場の駐車スペースを減らして建物の大きさを拡張でき、浴槽をもっと拡げられたのではないでしょうか。
そこにも見通しの甘さがあるように感じます。

A町長: 第1、第2と駐車場を整備したのち、十分な台数かを改めて内部協議したところ不足があるとなりました。
キトウシの森全体の運営においても活用していくものです。

Q飯塚: 当初、全面的にIA研究所の設計だったところ、途中から隈研吾建築都市設計事務所が入って、一部の設計と監修を担うことになりました。
全体のバランスとしてどうだったのか。
2社の意思疎通はうまくいっていたのでしょうか。
施設の監修は隈研吾雄建築都市設計事務所が担いましたが、その監修は意匠面についてのみだったのか。
運用の仕方等についても監修をしたのか。設備や機能面は、どなたが決められたのか。
浴室や浴槽の大きさを決めたのは、どういった経緯なのか伺います。

A町長: 実施設計については、IA研究所が受注して役割を担いました。
その実施設計の前、基本設計をしている段階で、隈研吾さんとの連携で、KAGUの家サテライトオフィスの計画が進み、東川町の事業に何かしらの協力をしたいという申し出もあったことから、この温浴施設についても相談を申し上げました。
隈研吾さんの役割としては、外観デザインのほか、中心となる階段の構想部分、内装の色味や材質、サイン等について監修をいただきました。

設備や機能面については、実施設計の受注者であるIA研究所が中心に進めました。
デザインを監修すれば機能面もどうすべきか伴いますので、IA研究所と隈事務所、発注者である町も入って、具体的な内容を確認し合って進めました。

Q飯塚: 浴槽のふちに高さがあり、10センチぐらいの段差になってバリアフリー非対応のようです。

身障者の方は、個室風呂を同じ料金で入れるということですが、そこまででない方、お年寄りの方とか、足を上げづらい方にとってふちを越えること、
またそのふちを越えてお湯に入ったら高い階段状になっていて年配の方は苦労しそうです。

2階の浴場に行くには森の階段を通ります。階段の横に3段飛びの形で腰掛けられるベンチのようなスペースがあります。
そこに利用者がくつろいでもらう意向でしょうが、上から見るとへりに滑り止めがなく、子どもや年配の方が足を踏み外して落ちてしまう懸念があります。

A町長: 浴室の設計は、国のバリアフリーの基準を満たしていることを確認しながら進めていきました。
ふちの高さや足を踏み入れた高さも全て合格範囲だと確認をしています。

階段の腰掛ける部分は、上から見ると、階段のへりが分かりにくく、天板に彫り込みが入っている部分に色をつける改修を追加で行い、上から降りるときに、その段差のへりが分かるよう改善を図ります。

Q飯塚: 当初令和2年の試算で、トロン温泉の建て替えのプランニングでは、7億から8億円ぐらいの費用見積もりでしたが、最終的に24億7,800万円と、かなり上がりました。
ウッドショックの影響も相当あるでしょうが、非常に高額な投資になったと感じます。
運営が民間委託ではなく、言わば身内の東川振興公社の直営となり、財源には有利な辺地対策事業債等も使っていますが、町で負担する部分がかなりあります。
その部分をどうしていくのかということについてお尋ねします。

A町長: 建設費の計画時の検討を始める段階での見込み額から、相当額上がってきたということは、そのとおりです。
第1回建設検討委員会を開いた際に提示した額は、本体価格で約10億円ぐらいでした。
駐車場などの整備で、プラス数億円かかることは想定していましたが、有利な起債を使ったとしても、実質負担は大体3億円程度でしょうという話をしてスタートしました。
最終的に第6回の最終事業費として本体17億円プラス解体、駐車場整備ほか合計23億円ということで、町の実質負担は5億円と最終案を示しました。
農水省の補助金のほかに、残りは辺地債を充てます。
さらにNAS電池と太陽光発電の設置による動力の導入で、企業版ふるさと納税での寄附提案があり、多少実質負担も少し下がり、最終的には5億円程度になりました。

Q飯塚: 説明では、基金を充当していくから問題ない、後年の負担はないよということですが、基金というのは、余裕があるお金というわけではありません。

民間委託した場合では、前の説明では契約時に負担金として7,000万円、施設の使用料として年間2,500万円を10年間徴収し、町の実質負担をペイしていくと聞いていましたが、振興公社の直営になくなってゼロ円になりました。
振興公社からは、契約金や施設使用料をもらえなくなり、町が全額、基金相当分を負担するということになります。
当初の民間委託の話からすると直営になり、随分、簡単に言うと町も町民も損をしたことになります。

事業計画として、振興公社が直営した後の売上計画では、1年目は営業利益が240万円。2年目は890万円と黒字の予測を立てられてはいますが、売り上げ利益の10%や20%が町に入ったとして、たかが知れてます。
当初の民間委託にしようとしていたときの町の実質負担額と比べて、あまりにも大きな差があります。

A町長: 町の負担をどう考えるのかですが、令和4年度までに実施した本体の建設までの分は、今回の補正予算に提出する3,900万程度の基金積み立てをもって全額、実質負担に対する基金積立というのは終了します。
令和5年度も一部事業が残っており留保財源を活用しながら、積み立てを実施します。
その額が大体2,500万円程度と考えていて、合計で4億9,000万円と考えていますが、基金積み立てにより、今年度の起債償還の負担分については、もう準備ができるだろうと考えています。

それは町民のお金であり、町の金であるものを積んで、という指摘ですが、民間運営から、公社直営という事業に代わってどういう負担になるのかは、
運営してみなければ分からないということも非常に大きくあります。
しっかりとした運営を公社直営で運営することができ、その中には、トーホウさんのいろんな助言や協力もいただきながら、利用しやすい、非常に魅力ある施設である施設にするために努力していきたいと考えています。

そうして軌道に乗り、例えば、通年で1,000万円や2,000万円の黒字となった場合、第3セクターである振興公社の黒字分については、公社全体の運営の中でプラスマイナスゼロになるような決算を調整した上で、町に対する負担金としてのバックを求めるということになると思いますので、実質的には、その黒字分については、東川町の会計に返ってくると考えています。
それがいくらになるかということについては、この後、振興公社を中心に、町も一緒になって努力をして、運営について確立していくということを進めたいと考えています。



広報ひがしかわ7月号より


いよいよ7月20日(木)にオープンします。
町民の大切な施設として利用し、財産として永続できるよう支えていきましょう。