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歌のメッセージ

CDTVを、偶々見た。FUNKY MONKEY BΛBY'S が登場した。惹きこまれた。決して歌がうまいわけではないが、強いメッセージが届き、励まされた。彼らは番組で1時間にわたり熱唱した。
 
2010年発表の「あとひとつ」は、翌年の東日本大震災で、東北各地での復興支援ライブなどにより、人々の心に訴えかけることとなる。東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大投手の入場曲であり、2013年に初の日本一となった時にスタジアムはこの曲に包まれた。
 
2013年に解散して8年、震災への思いをこめて一夜限りの復活をした後、3人のうち2人が新しい形で活動を再開した。しつこいまでの怒濤のメッセージだが、私はぼろぼろ涙を流してしまい、妻に笑われた。そんな私のことをよく知っているからでもあるが。
 
いま、THE ALFEE の新しい曲が話題である。「The 2nd Life -第二の選択- 」は、彼らのひとつのモットーでもあるそうだが、このコロナ禍の中で道を見失っている「みんな」に、なんとも心強い励ましを与えてくれている。ラジオ番組を聴いているので、彼らの誠実な人柄も伝わってきて、いまファンが増えつつあるというのも納得できる。
 
そのアルフィーは、オフ・コースとのつながりが強く、番組でもしばしば曲をかける。デビュー当時からの仲間でもあるので、実に渋い曲をかける。前半期のオフ・コースに涙した私としては、それらも歌えるが、懐かしさで涙が出てくる。
 
そのオフ・コースの小田和正が、NHKみんなのうた60周年となる今年の記念イベントのテーマソングを書き下ろした。かつてその「みんなのうた」で曲(老人のつぶやき)が落選したのは有名な話だが、だから今回がなんと「みんなのうた」では初登場なのである。
 
なにげない言葉の並べ方により、心の琴線に触れる切ない詩をかく、理系の秀才小田和正だが、もう「こんど、君と」というタイトルだけで、涙が出そうになる。もちろん曲と歌詞、それから背景のアニメーションも、たまらない。
 
FUNKY MONKEY BΛBY'S の2人も、いつしか40歳代になっているが、THE ALFEE は60代後半、小田和正に至っては、あの声で70歳を越えている。いい大人が、純朴な歌で、聞く者を慰め、励ましてくれる。新型コロナウイルスに苦しめられながらも、彼らの歌に励まされるといった声も、よく耳にする。現実にはなかなかうまくいかないものなのだろうが、人の心に届く何かがそこにはあるのだろう。なにげない言葉も、きっとメッセージになっているのだろう。思うように音楽活動が許されない中で、彼らは歌う。そして、メッセージを送る。それは、人々に、届いている。
 
こんなメッセージを、当然届けることができ、また届けなければならないはずの者たちが、コロナ禍において、何もできていないのが歯がゆくてたまらない。

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