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哲学のかけら

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哲学も少しはかじっています。なにもそんなこと考えなくてもいいんじゃない、と言われるところも、でもさ、と考えてみる、それが哲学。独断と懐疑に終わらずに常に自分の至らなさを認めるあた…
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2021年2月の記事一覧

『晩年のカント』(中島義道・講談社現代新書・2021.1.)

『晩年のカント』(中島義道・講談社現代新書・2021.1.)

2021年1月発行の知らせを聞いてすぐに注文。中島義道氏といえば、過激な発言で知られる哲学者を思う人も多いだろう。当人は過激だとは考えていない。当たり前のことを当たり前に言っているだけだ。これが出版社側からしてもいけると思ったのか、その著述は幾多の本となって、書店を賑わせている。
 
れっきとしたカント学者だ。著者は当初から、死への拒否感を丸出しにして本で叫び、世間の道徳的不条理に吠えてきていたが

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