見出し画像

移住のための山林開拓プロセス ⑥

2020年10月に山林を取得してから現在に至るまでの開拓の大筋を時系列で。
当地は豪雪地帯であり、積雪時は除雪以外の作業はほぼできないので、実際の開拓作業の進捗はおおむね5月〜11月の間に限られる



2022年10月9日 約5ヶ月で竣工した木造狭小住宅兼事業所。
開拓のために設置したコンテナハウス(アラモの砦)を強引に接着した


木造一戸建てを人生で初めて新築する

2022年10月3日、すべての建築物が竣工し、施主に引き渡された。事業用とはいえ初めて自分の家を建てたわけで、実に感慨深い。木の香りのなんとかぐわしいことよ。
電気、ガス、水道、給湯、浄化槽も整備されているので、これで最低限居住することが可能となった。とはいえ、この時点ではまだ札幌のススキノ界隈でワインバーを経営しており、当面は休業日のみの通いとなる。本格的に居住を開始するのは翌年の5月を予定していて、それまでの間にWiFiや冷蔵庫などの快適装備を整える計画だ。
しかしながら、ほどなくして積雪期だ。ここ赤井川村は道内でも屈指の豪雪地帯で、ピーク時の積雪は軽く2mを超える。通いでの除雪作業だけでは大型車が侵入できないので、大きな荷物の搬入は、雪が解ける4月を待たなくてはならない。


裏側はキャンパーのための水場を用意した。
ここから棟内の水洗トイレに出入りできる。靴を脱いで上がるので清潔だ


家は3回建てて初めて満足できる?

2023年5月1日、ススキノの店を畳み、いよいよ新居での移住生活が始まった。
築面積が約12坪とそもそも狭小なうえ、実質的な生活空間はロフト構造の4坪(約8畳)ほどしかなく、極めてモノの少ないシンプルなライフスタイルが求められたが、還暦間近男子のひとり暮らしなのだから、まあ、なんとかなるだろう。

「家は3回建てて初めて満足できる」的な格言が巷間囁かれているが、居住して1年を経た現在、いまのところ重大な失敗は感じていない。強いていえば、照明スイッチとコンセントの位置はもっと熟考したほうがよかったという程度だ。
平面積の40%を占める厨房に至っては、設計士さんにことこまかく要望をリクエストしたかいあって、かなり満足のゆく仕上がりとなった。もっとも、厨房の造作はススキノ界隈で経営していたワインバーですでに経験済みで、このときの手痛い失敗が数多く生かされているのも事実で、やはり初めての新築は相応の失敗覚悟で臨んだほうがよいのかもしれない。


村道からのアプローチも整備。
材料はアスファルトを砕いた再生材で安価だが砂粒が靴裏にくっついて汚れるのが難点


エピローグ

note をスタートするにあたり、まずは山林開拓から移住までを、自らの備忘録も含めてまとめてみた。こうして振り返ると、当時の苦楽が興味深く思い出される。
開拓を開始してから今日まで3年ほどの歳月が流れていったわけだが、月並みではあるが、長くもあり短くもあり…といったところか。

…とはいえ、施設としてはまだまだ手を入れなくてはならない案件が山積みだ。ネタには事欠かないので、これからも随時、山暮らしの有り様を赤裸々に綴っていきたいと思う。


メインの暖房器具となるDOVRE(ドブレ)の薪ストーブ。
狭小住宅なので、厳冬の北海道でもこれ1台で乗り切れた


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?