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知足常楽

人間.欲望を追い求めても切りがありません…

幾ら.その要求に応えても.未だ足りない.もっと欲しいと.煩悩とは.更なる要求をしてくるだけで.決して満たされる事のない.底なし沼のようなものなのです…

そんな満たされない思いの中を生きていては.堅固で安定的な[満ち足りた幸福感]を感じる事など出来ないのです…

人々は幸福とは何なのか.本当は知らないままに.幸福.幸福と人々は探し求め.幸福.幸福と求め続けているのです…

つまり無明なまま暗闇の中を.手探りで幸福を探し求め.手に触れた所有の次元の事物(金.財.物.地位.名誉.などなど…)を.自分を幸福にしてくれるものと錯覚してしがみつくのです…

しかしそれは無常な本質の苦(ドゥッカ)が.喜び.快楽.幸福に化けて現れただけのものですから.魅了されたり.儚い喜びの後に大きな苦しみを味わう事となったり.僅かで短命な快感の為に全てを犠牲にする薬物依存症と同質なものなのです…

ですから.[薬が欲しい〜][もっと薬をくれ〜]が[お金が欲しい〜][もっと愛が欲しい〜]と擦り変わっているだけで.況して徐々にそれから得られる快感は麻痺してゆき.深みに嵌ってゆく性質のものなのです…

果たして.そんな精神状態は健全なのでしょうか…
そして浅薄.短絡な人は.[足るを知る]と聞くと.今あるもので我慢する事だと勘違いしますが.真意は.幸せである為に必要なものは.既に充分.持っている事に気付きなさいと.言っているのです…

幸福とは精神の安らぎ(安定)に他ならず.安定した精神とか.精神性の向上により幸福感がもたらされると供に.人生を破滅に追いやるような世間に張り巡らされた罠から身を守ってもくれるのです…

その為に重要となるのが[感謝の心]であり.心底から湧き上がる[有り難い]という思いであり.有り難いとは.驚き.顕貴(ときめき).歓喜(よろこび)を内包する.有るべからざる恩恵を意味するのですから…
しかし.不満や怒りや自我に捉られている人間には.この心底から湧き上がる[有り難い]という[感謝の心]は.持てないものなのです…

他人を理解できる人は知恵があり.己れを知る人は賢者である…
他人に勝てる人は力が有り.自分に勝てる人は真の勝利者である…

満足を知る人は心が豊かであり.努め励む人には信念がある…
道の本分を見失わない人は安楽であり.道の精神に殉じる人は.悪魔も見逃す…
名声と命.どちらが貴重か…
命と財産.どちらが重要か…
得る事と失なう事では.どちらが有害か…
名利や財貨を求め過ぎれば.却って多くを失ない.多くを持ちすぎると.必ず大きな苦しみ(ドゥッカ)を被る…

足るを知れば.心が苛まれる事もなく.止まる事を知れば.危険から逃れ.常楽となる…
足るを知れば.満足は得られ.満足が得られれば.自ずと感謝と幸福感が生じる…
だから足るを知る事を弁えている人は.知足常楽なのです…

感覚器官が外界の刺激を受けて快楽を感じる快楽からは欲望が生じ.欲望は苦悩に変わる…その苦悩を.如何にすれば消滅できるのか…

己れを正しく観照し.苦悩が如何に生成.消滅するかを見抜けたら最早.苦悩を受けるよ事ない境地へと到るだろう…智慧(叡智)ある修養者は.感覚器官の刺激を制御し.足る事を知っている…それ故.苦悩とは無縁なのだ…

智慧の修養者は.正しい生活を弁えて.誠実と端正に努め励む…それ故.毎日が楽しく.悦楽の中で.智慧の悟り(大悟)を得て.悦楽のうちに苦悩は消滅する…

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