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ただの社内動画研修システムではない 〜1000人の知恵のアーカイブ、将来はパートナーとの共有の場へ 〜【株式会社サイバー・コミュニケーションズ様・後編】

RUUUN(ラーン)はTATEITO株式会社が提供する、変化の激しい現代ビジネスの世界で、学び、成長し続ける組織づくりを目指す企業のための動画配信プラットフォーム。
働き方の多様化、組織課題の複雑化が進むなかで、企業はどのような意図や世界観をもってRUUUNを活用しているのでしょうか。第1回は電通グループのデジタル広告関連事業会社として、デジタルマーケティング全般のサービスを展開する株式会社サイバー・コミュニケーションズ様(以下、CCI様)にお話を伺いました。(前編はこちら

株式会社サイバー・コミュニケーションズ
ヒューマンリソース・ディビジョン 林 宏朋様、武田浩希様、鹿島佑太様

聞き手:TATEITO株式会社 代表取締役CEO 平野 考宏

CCI様 RUUUNプロフィール
・導入年:2018年3月
・ご登録ユーザー数:1,000人
・ご登録動画数:301本
 ※データは2020年10月26日現在

“質より量”でコンテンツをひたすら増やす

平野
導入して約3年ですね。今、お話ししていただいた課題感からスタートしたRUUUNですが、実際に何を意識し、どのようなことをやってきたのでしょうか。

武田
導入前も導入後も今もテーマは変わっていなくて、とにかくコンテンツを増やすことに注力しています。

とはいえ最初は我々のナレッジアーカイブ、VODプラットフォームといったものを創るという構想の社内認知自体が低いので「VOD? 別にいいよ。協力もしないけど」と、現場からは結構冷ややかなリアクションでした。

その反応の前提には、そもそも一般的なLMSのイメージがあったと思います。すごくきれいに編集されている、完成度の高い通信教育の教材動画のような。社内の有識者に「コンテンツを撮りましょうよ」と言っても「いや、人に見せられるようなものではないから」など、いろいろな理由で協力頂けないケースが多いのです。

なので、最初は私が新人研修でやっていることを全部録画して、音が悪かろうが、画質が荒かろうが、とにかく気にしないでアップする。それこそ、本当に恥ずかしいクオリティーのものばかりですが、質の意識は捨てる決意でアップしていました。

そうこうして「今年の新人研修は何をやったの?内容を教えて」→「全部RUUUNに入っています」、「中途が入ったから、新人研修の資料をもらえない?」→「全部RUUUNに入っています」といったやりとりを繰り返しているうちに、徐々に観てくれる人が増えていきました。利用目的や利用頻度も増え、社内で認知度が高まっていった状況です。

あとは、全社アワードに活用した影響も大きいですね。年間のアワードでエントリー者の事業の紹介や成果などを動画にまとめてRUUUNに上げ、全社員に観てもらいました。

このほかインサイダー取引や人権問題など、全社員必修の研修にも活用し、触れざるを得ない状況をつくり、徐々に認知を獲得していく戦略をとりました。

新人研修の動画も毎年積み重ねていくと、現場に出てOJTを担当するようになった社員や新入社員自身が使ってくれるようになります。

私が新人研修を担当した社員がのべ200名ほどおりますが、1000人規模の社内においては結構なボリュームになります。彼らが配属された現場で教育や啓蒙に使い、彼ら自身もアウトプットを意識して動画を作るなどするうちに、各部門の教育にも使われるようになるなどして広まっています。

20201029_RUUUNユーザーインタビュー_スライド_CCI様.006

結論からいうと、何もなければ何も起こらないということです。私は例えで「動画が10本しかないYouTubeを誰が観に行くの?」とよく言っています。これに「誰も観に行かないプラットフォームに誰が動画を上げるの?」と続きます。ニワトリと卵で、集客かコンテンツ、どちらかを先に突破しなくてはいけないという話になるわけです。

手段を選ばずコンテンツを増やし、増えれば徐々に人の目に触れてくる。人の目に触れると、みんなが徐々に使い方も工夫するようになり、少しずつ進んで、今では年々コンテンツが増えています。

そして2020年にこのコロナ禍のリモートワークにおいて情報共有や学習機会の提供という観点から、社内的に一気に広まったという経緯です。

平野
最初からゴールが明確にあってブレずにやってきたのですね。僕もRUUUNをスタートしたときからずっと、KPIのステップは3つだと話しています。

3つとは「コンテンツを増やす」、「観る人を増やす」、そして「教える人を増やす」。武田さんのお話と見事にシンクロすると思いながら聞いていました。確かに僕らも、最初はコンテンツのクオリティーにとらわれているところがありました。

武田
量があればいい。質が足りなくて困ったらそのとき考えよう」という感じですね。

平野
そこは企業文化もとても影響しているように思います。


そう思いますよ。例えば人事に、「RUUUNを入れて、こんなことをしませんか」と言って「いいね」となっても、それだけでは人事止まり、研修動画止まりになって、有り体のものが上がっていくだけです。

例えば、人事が営業の責任者と腹を割って話し納得すれば、「じゃあ、営業の中で率先してやってくれそうなのは誰だっけ?」という具合に、ステップを踏んでいけると思います。そういう風土が大事。

とはいえウチもまだまだで、くり返し、くり返し働きかけて、ようやく最近は「チームでこういうことをやるから録画したいんだけど」といった話を現場からもらえるようになってきました。導入責任者だけが賛成しても社内に浸透するのは難しい。その辺りは課題だと思います。

平野
本当にそうですね。武田さんが最初に言っていた「真剣にこういうことをやっていかないと個人も成長しないし、会社も成長しない」ということをわかっている人がやり続けることだと思います。


あとはトップがどれだけコミットするか、という部分もあるでしょうね。ツールを使うことによって文化が変わると思うんですよ。

ウチは先ほど武田が話したような思想があってRUUUNを入れた。もう入れたからにはそういう文化を創っていくべきだし、創れると思います。そのためにはトップがしっかりコミットして特定の部署の人だけが使うようになる状況は避けないといけないし、僕らも地道に実績を積んでいくしかありません。

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研修システムから1000人の知恵のアーカイブ、パートナーとの共有の場へ

平野
「今後はこのように進めたい」といった展望をお聞かせください。


そうですね。ウチも3年かかって、やっと最近はトップが「これ、RUUUNに上がっていないの?」と聞いてくるようになったんです。

今後、パートナーとの共有といった使い方をするようになるとしたら、僕の考えとしては、競合は他のLMSというよりはいわゆる動画プラットフォーマーになるんですよね。極めて抽象的ですが一般化すると「動画が容易に見られる」ツールですから。そうなるとコンテンツが勝負になります。

先述した一般の動画プラットフォームにこのような研修動画があるかといえば、探せばなくはないでしょうけれども、弊社のRUUUNなら体系立ててストックされています。しかも、CCIの社員1000人分の知恵とノウハウがストックされているプラットフォームです。これらの制作にかかるノウハウやコンテンツを圧倒的な優位性として、パートナーの方たちといろいろご一緒できれば、というのが大きな展望ですね。

平野
是非そこは引き続きご一緒させていただけるように頑張りたいです。


具体的には社内でまず、今話してきたような世界観を創れたら、それはそれで一つのゴールではあります。

また、パートナーの方々との取り組みとしては、例えば、お取引先向けのセミナーはこのコロナ禍で会場でやると100人、200人がキャパシティーの限界だったものが、オンラインなら500人でも1000人でもいいわけです。来られなかった人に観てもらうこともできますし、デジタルなので視聴履歴も取れ、リード獲得にもなります。

なので、言葉にすると、社内の研修動画プラットフォームから「1000人の知恵とスキルがアーカイブされているもの」へ。その先は「パートナーのみなさんと共有する場」になっていく。そうなると、結果として収益にもつながりますし、そこは模索したいと思っています。実際、実験的にパートナーの皆さんに共有機能でご覧いただけるようにした事例もあります。

でもお陰様でこの数年の活動の成果で、現場から「RUUUNに載せたコンテンツは、外部の人には観せられないんだっけ?」と、聞いてくるようになりました。また、「セミナーをやるなら、来られなかった人に観せるためにRUUUNを活用できるよ」と持ちかけると食いつきもいいです。次の展開が見えてきました。

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同じ景色を描きながら走るパートナーとして

平野
いいですね。僕もお客様によく動画を送っています。「こんなコンテンツも送ってよ」と逆にリクエストをもらうとやはり嬉しいですし、つながりにもなります。CCIさんでも今後、シェアしたお客様から「こういうのはないの?」と言われるようになるかもしれませんね。社内ではそうなってきているというお話だったので、これが外にも広がっていくと、アウトプットする人も増えていくでしょう。そのサイクルがとても素敵だと思いました。

やはりツールはツールでしかありません。その根本の世界観が重要だと、今日は改めて感じました。最後にRUUUNというよりはTATEITOについて、僕らとご一緒してくれている理由や、今後期待したいことなどもお聞かせいただけると嬉しいです。

鹿島
では私から。まず、RUUUNは、一つのツールとしても使いやすいと思うところがたくさんあります。

例えば、自分たちで作ったコンテンツを容易にアップロードでき、観やすくチャプター分けできること。自分たちでオリジナルのタグ付けやコース分けをしてコンテンツを整理できることなど、さまざまです。

一方で「こうしたらもっと便利で使いやすい」と感じることもあり、TATEITOさんはその解決策を一緒に考えてくれる点がありがたいと思っています。例えば先日もパートナーとの取組に対して、ある要望をお伝えし、即座に対応いただいて本当に感謝しています。

弊社の課題に対して「こうしたらいい」、「他社はこうしている」といった話や、あるいは「こういう理由でこの機能、仕様変更はできない」といった話も含め、解決策を模索し、提案してくれます。

ユーザーの意見にしっかり耳を傾けRUUUNというツールを良くしようとしている、弊社の「社員1000人のノウハウやスキルのアーカイブ」、「社員の積極的なインプットもアウトプットも可能にするプラットフォーム」という世界観に共感していただき、ツールをどう改善すればいいか、一緒に取り組んでくれていると強く感じます。

とあるご相談に対しても、最初は「無茶ぶりではないか」と思いました。でも前向きに検討してくれていますし、「それは新しいチャレンジだから一緒にやりましょう」とも言ってくれて、非常に心強いです。

平野
そう言っていただいて、こちらも嬉しいです。


言葉を変えれば、思い描いている世界や見えている景色が一緒だと思うんですよ。勝手な言い方をすると、僕らは使う側で開発してもらう立場なのですが、TATEITOさんとは見ている景色、その先のゴールを共有している。あるいは、仮に見えていなかったとしても、理解してくれて、一緒に走ってくれるパートナーだと僕らは思っています。

言うならば、僕らが「YOKOITO」で一緒に布を織りなしているような(笑)

平野
ありがとうございます(笑)。CCIさんは僕らにとってはお客様ですが、一緒にいい仕事をしたいという姿勢を失わずに取り組んでまいります。その先の価値あるものに向かってご一緒させていただけることは本当にありがたいと思っています。引き続きどうぞよろしくお願いします。

※このインタビューは2020年9月11日に実施したものです

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