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コロナ禍でも人材育成を下支えしたRUUUN研修【株式会社セプテーニ様・前編】

RUUUN(ラーン)はTATEITO株式会社が提供する、変化の激しい現代ビジネスの世界で、学び、成長し続ける組織づくりを目指す企業のための動画配信プラットフォーム。
働き方の多様化、組織課題の複雑化が進むなかで、企業はどのような意図や世界観をもってRUUUNを活用しているのでしょうか。今回は、デジタルマーケティング事業を展開する株式会社セプテーニ様にお話を伺いました。

株式会社セプテーニ
HRビジネスパートナー本部 平岩力様、西田あいび様

聞き手:TATEITO株式会社 代表取締役CEO 平野考宏

セプテーニ様 RUUUNプロフィール
・導入年:2020年1月
・ご登録ユーザー数:619人
・ご登録動画数:258本 ※データは2020年12月3日現在

デジタルマーケティング事業部門で
RUUUNを活用

平野
最初に、簡単に御社と部署の紹介をお願いします。

平岩
セプテーニはデジタルマーケティング事業を手掛けており、デジタル広告をはじめ、データ、AIを活用したソリューションなどのサービスの提供を通じ、企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を支援しています。

​私は、セプテーニの人事を担当するHRビジネスパートナー本部、通称HRBPという部門に所属しています。HRBPは8人の体制で人材開発と組織開発を担っており、大まかに言うと労務管理と新卒採用以外のHR領域において幅広く取り組んでいます。最近は特に人材育成の部分に注力しているところです。

転換点を迎えたデジタルマーケティング産業
人材育成の重要性を痛感

平野
ありがとうございます。教育に注力される動きの中でRUUUNも導入いただきましたが、動画の活用を決めた背景、狙いを教えていただけますか。

平岩
大きく3つのポイントがあります。

まず背景をお話しますと、デジタルマーケティングという産業自体が転換点にあると考えています。これまで僕らは、インターネット広告の設計・運用を通した顧客の販売促進支援(いわゆるパフォーマンス型広告)を軸に、そのノウハウの部分を強みにしてきました。

しかし、この領域で強みとしてきたノウハウはどんどん自動化が進んでいます。そのなかで顧客に求められるものは、販促支援のみでなく、もっと上流の広告戦略・設計、事業課題の解決など、顧客のより深いニーズに応えることに変わってきています。

一言で言うと「もうインターネット広告の設計・運用だけでは差別化ができないよね」と。となると、個の能力とその集合である組織の能力が重要になってくる。ヒトモノカネの「ヒト」の部分の重要性が増している―という課題を痛感していました。一人のスターが属人的にプロジェクトを回していて、その人がいなくなったら立ち行かないといった事態は、避けないといけません。

このような背景の下、改めて当社の育成を見ていくと、これまでは基本的にOJT、特に入社して初期の育成の部分をOJTに依存していて、結果、教育のやり方にバラつきが出てきてしまっていました。人によってできる・できないと、その速度もだいぶ違ってしまっているので、育成の属人化、特に初期育成の属人化が1点目の大きな課題となります。

課題の2点目が、そのような属人化を排除し、ナレッジマネジメント(以下「ナレマネ」)の文化を定着させたいということ。

ナレマネは、過去に何回もトライしていて、資料の集約と格納先の統一などを、アナログではありますが、結構やっていました。ただ、プラットフォームだけ増えて情報が整備されないなど、ナレマネに関しての課題は常にありました。

3点目が、インナーブランディングのツールとして活用できないか、ということ。

セプテーニは2年前に経営体制の変更があり、昨年より経営理念と行動規範を刷新しました。そのため、全社への浸透はまだまだ弱く、経営からのメッセージングなど、理念浸透施策を強化していく必要があります。そのような発信力を高めるために、ツールとして動画を活用できないかと考えたのです。

まとめると、初期育成のOJT依存、業務ナレッジマネジメントの促進、インナーブランディング。この3点の課題を解消するために、導入いたしました。

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平野
ありがとうございます。1点目、2点目は僕らがいつも耳にする課題で、本当にその通りです。

3点目のインナーブランディングはこれから経営課題と捉える会社が増えてくるのではないかと思っています。会社が転換期を迎え、改めてビジョンや自分たちの存在意義を掲げてみたけれど、掲げっぱなしになっていて浸透していないといった会社は多いかと。それをどのようにインナーブランディングで浸透させていくか。御社はいち早く、ここに課題意識を持っているんですね。

平岩
そうですね。加えて発信機会も問題で、社員数が増えると、やはり一人ひとりには届きにくくなる。その中で動画を使って、一人ひとりにメッセージを届けられる環境をつくれないかと思いました。


自社のナレッジを積み上げて運用する
プラットフォームとして

平野
今、おっしゃった課題に対して、なぜ動画を使おうと考えたのですか。その中でRUUUNを選んでいただいた理由も含めて、教えていただけますか。

平岩
課題解決に対しては、これまでも何回もトライしました。新入社員向けの基礎研修用の資料をそろえたり、営業やクリエイティブなど職種別のノウハウ資料をまとめたりしていたのですが、結局各所でバラバラに点在していて、閲覧するにも属人性が高かったり、資料ベースではなかなか身につかなかったり、といった問題がありました。

動画が万能とは思わないのですが、チャプター機能などでコンパクトに見たいところから見られるようにすると、移動時間などの隙間時間に学べます。資料を淡々と見るより重くないので、手軽に着手もできる。このように世の中の潮流としても隙間時間にパッと見て学べるものがいいんじゃないかと思いました。

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平野
同じ内容でも媒体を変えることで伝わりやすさは変わりますよね。動画を見る機会が増えているなかではそれが自然かもしれません。

平岩
RUUUNを選んだのは既に導入した会社の話を聞いたりしていて、RUUUNを知っていたことが大前提としてあります。当時、他社サービスも検討しましたが、僕らが必要とする機能を備えたサービスがほかにほとんどなかったんですよね。

そのような中でRUUUNは、自社のナレッジ、自社のコンテンツを積み上げて運用していくことでプラットフォームをつくっていくという僕らがやりたかったことが実現できるところに魅力を感じ、価格帯も含めて導入を決めました。

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西田
もう一点付け加えると、当社では自分たちで学習用動画を作成し、それを基に学習するという文化がまったくなかったので、動画の編集作業は「工数増」として捉えられてしまいます。

配信にかかる工数を極力減らしたいと考えたとき、RUUUNならひとまず動画をアップさえすれば、プラットフォーム上で編集してもらえて、さらにそのコストが非常に安価であるという点も魅力でした。

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コロナ禍でRUUUN化が促進。
オンラインで学ぶ文化が定着

平野
ありがとうございます。そのような形でRUUUNを始めてもらったわけですが、導入で大変だったこと、つまずいたことなどはありましたか。

西田
懸念していた点は、やはりコンテンツ作りですね。当初は動画を撮るために、対面でカメラを三脚につけて、モニターやマイクを用意してと、フル装備で機材をセットしていたので、この体制で本数をこなせるのかは、不安に感じていました。社内で開かれている勉強会は結構な数だったので、どこまでコンテンツを増やすべきか。その手間とコンテンツを増やす意義のバランスをどうとっていこうかと考えていました。

ところが、奇しくもコロナ禍で新しくZoomで勉強会を開催するという文化ができたので、Zoomの録画を活用することができるようになり、その点はうまく解消されました。

平野
拝見しているとZoomで実施したものをどんどんアップしていただいています。コロナ禍で進めやすくなった部分はありそうですね。導入して半年余りですが先ほど挙げていただいた3つの課題も踏まえて、何か変化や改善した点など、お感じになっていることもお聞かせいただけますか。

西田
1つは、新入社員への動画学習の定着ですね。今年度は約70名に対して研修を行いましたが、初期研修からRUUUNによる学習を取り入れたので、彼らにとってはオンラインでコンテンツを見て学ぶというスタイルがスタンダードになりました。その学び方が定着できたことは、とても良い側面だったと思います。

その後しばらくすると次は、新入社員以外のメンバーからも、だんだん「これはRUUUNで公開されますか」と問い合わせがくるようになりました。「参加したいが、オンタイムでの参加は難しい」とか、「参加した勉強会を他のメンバーにも見てほしい」といった理由で、参加者の方がRUUUN化を希望するようになってきました。これが2点目の変化です。

平野
とてもありがたい話ですね。

西田
はい。私もすごく嬉しかったです。その声を聞いて。


Slack巡回で活用を促進。
反転学習に利用するケースも登場

西田
今の2点は学習する側の人たちの話ですが、次の段階では勉強会を主催する側の人がRUUUN化を能動的に行ってくれるようになってきました。

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導入初期は私がSlackを巡回して、勉強会や研修の開催情報をキャッチアップし、その勉強会の主催者に「録画してRUUUNで公開しませんか? RUUUN化にはこんなメリットがありまして…」と1件1件メッセージを送ってコンテンツ化の許可取りをするというやり方をしていたんです。

そのように草の根的にやっていくと、だんだん「(自分が主催する)勉強会をRUUUN化するには、どうしたらいいですか」と、主催者側からこちらにコンタクトをとってくれるようになりました。これはとてもいい傾向だなと思います。

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平野
それはいいですね。ほかの会社でも、だんだん「これRUUUNに上げてないの?」という問い合わせが増えてきて、コンテンツが一気に増えたという話がありました。でも、そこまでなるのに1年半くらいかかったと聞いたので、御社ではこの短期間で変化が起きている点がすごいと思います。

西田
そうですね。想定よりもハイペースで進みました。

平野
コロナの影響もあるとは思いますが、この短期間でそのような声が上がるという例は今までなかったです。Slack巡回のおかげですね。ありがとうございます。

西田
確かにこういう動きは地味ですが、大事だなと改めて思いました(笑)。当社のこれまでのツール浸透の傾向から、初動が重要だと思って頑張りました。

平野
フォローアップがあって浸透して、使う人が増えると「動画は楽だね、いいね」とさらに広まっていく。それは間違いないと思います。

西田
そうですね。日々顧客と向き合う現場のメンバーは、自身の担当領域外の勉強会まで情報をキャッチアップしていくことは、なかなか対応しきれません。なので、セントラルの組織である我々が主導してやっている意味がある部分だと思います。

あとは本当に直近で起きた変化でいうと、RUUUNありきで学習が設計されるという動きが出てきました。

今までは実施された勉強会を録画し、RUUUN化する形で運用していたのですが、事前に動画を収録して「まずは、動画を視聴して勉強しておいてください」と。で、集合学習で振り返る。当初、理想的な使われ方として想定していたスタイルが、つい最近実際に始まりました。特に問題なく機能しているようなので、それもとても良い変化だと思います。

平野
それは本当に素晴らしいですね。半年でもう反転学習が実践されているわけですね。

西田
はい。我々から提案したわけではないのですが。

平野
現場の方がそれをやろうとおっしゃったんですか?!

西田
そうなんです。データベース言語の講座で。

平野
それはもっとも反転学習と親和性が高いものですね。「こうやるんだよ」というのを事前に伝えておいて、講座では「やり方はもうわかっているよね。みんなでワークをやるよ」と進めるスタイルが合っています。

西田
事前学習用の動画の最後に課題が出るので、それを事前に提出してもらい、集合学習の際は提出物の中で多かったミスなどをベースに振り返るという形でした。

平野
素晴らしいですね。「授業でワークをやりますよ」と言っておくと、やってこないと恥をかくので何回も真剣に動画を見て事前学習するんですよね。その講師の方はそのような心理もわかっていらっしゃるんでしょう。

西田
はい。その辺りに興味があり、学習効率などには感度の高いメンバーが設計をしてくれました。

半年で「RUUUN化」が進んだセプテーニ様。実際にその効果があるスコアにも現れていたといいます。続きは後編でどうぞ
※このインタビューは2020年10月5日に実施したものです

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