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大阪の池田酒
**日本酒テイスティングデータ****銘柄****呉春 池田酒 普通酒 (大阪府)**
石黒 建大 (Ishiguro Tatehiro), 飲食店勤務 日本酒サービス研究会研究室専属テイスター 酒匠 日本酒学講師
呉春 池田酒 普通酒 (大阪府)
主体となる香り
原料香主体、淡いハーブの香り有
感じた香りの具体例
炊いた白米、生クリーム、マシュマロ、夏蜜柑、ミネラル、スペアミント、若竹、瓜
甘辛度 やや甘口
具体的に感じた味わい
ふくらみがあり柔らかい飲み口、ふくよかで柔らかい旨味が主体、後味はサッパリしている。夏蜜柑やスペアミントを思わせる含み香
このお酒の特徴
ふくらみがあり柔らかい味わいの爽醇酒
4タイプ分類 爽醇酒
飲用したい温度 15℃前後、40℃前後
温度設定のポイント
15℃前後にて、ふわりとしつつサッパリとした味わいを引き出す
40℃前後にて、ふくよかで柔らかい味わいを引き出す
この日本酒に合わせてみたい食べ物
アジの干物、小エビの唐揚げ、カレイの唐揚げ、桜海老のかき揚げ、桜鯛の天ぷら、タコのぶつ切り、てっちり、杏仁豆腐等
お問い合わせは
酒蔵 HP有りません
Quoraテイスティングブック
日本酒テイスティングブック
※日本酒4タイプ分類に関しては、SSI(日本酒サービス研究会)の分類方法を引用し、参考としています。
※写真はひょうたんや様のHPより引用しています。
こちらで大阪の池田市の銘酒、呉春さんの池田酒(普通酒)のテイスティングデータを上げさせていただきました。
池田酒、酒好きの方や、日本酒のプロの方々では知られていますが、大阪はかつての銘醸地で、天野酒(現河内長野市 金剛寺の僧房酒)、平野酒(現大阪市平野区 太閤殿下 豊臣秀吉公の開催した醍醐の花見に登場する幻の銘酒)、摂津富田の酒(現大阪府高槻市 江戸時代初期より商家の紅屋によって多く造られていた)、伊丹・池田の酒で有名な池田酒(現大阪府池田市 江戸初期より栄えていた)、堺酒(現大阪府堺市 戦国期より存在し、明治初期に台頭し、昭和半ばに衰退した)等の多くの銘酒が存在しました。
今回は、池田酒で、伊丹のお酒と同様に江戸時代初期より台頭を始めた銘醸地の一つで、この地のお酒を銘酒にしたのが、戦国期に台頭した豪商の満願寺屋九郎右衛門さんで、大坂の役を挟んで早々に豊臣家を見切り、徳川家に家醸を献じて、江戸時代初期の(1614・慶長14年)には酒造免許の朱印を江戸幕府から得ました。
その後、こちらの満願寺屋さんを中心に、元禄期には38蔵で10,130石の酒が造られていました。池田は元々備前藩主池田家が南北朝時代に城を築いていた地で、有馬への入湯の街道で、交通の要衝であり、猪名川の水運もあり、非常に豊かな地でした。
元禄期に入ると、江戸時代の中でも元禄バブルと呼ばれる空前の好景気の時代に入り、伊丹・池田の酒が江戸でブランドと化し、上方の酒として多く出回っていました。その頃に、伊丹では満願寺屋に次いで大和屋が台頭し、徳川家治公の時代の田沼意次公が老中の時代には、太和屋1,540石に対し、満願寺屋650石と逆転し、酒造りのご朱印状をめぐり、争いが起こってご朱印状が幕府に召し上げられ、幕末の天保期には灘酒が台頭して伊丹酒は衰退期に入りました。
現在、池田の地で酒蔵をやっているのは、こちらの呉春さんと緑一さんで、自家醸造しているのは呉春(元禄期創業と言われている)さんだけとなっていますが、未だに大阪府下で一番多くのお酒を造っているのはこちらの呉春さんで、大阪では絶対的なブランド力を持った酒蔵です。
※参考文献 大阪食文化大全 笹井 良隆著
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