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明治維新直後の日本の産業構造と酒税 紹介酒は白鶴 米だけのまる純米酒

 愛知県にある明治村、私も行った事がありますけど明治時代の日本の建物が貴重な文化財として保管されています。また、意外と言ったら怒られますが、結構建物自体がしっかりしていますし、モダンで綺麗な建物が非常に多く存在しています。その明治期の社会や産業の発展に大きく貢献したのは紛れもなく酒造業でありました。

京都中井酒造

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酒蔵免許証

 明治維新直後、まだ藩による統治が行われていた時代、明治政府自体に歳入も不充分で、日本には現在のような工業も銀行もありませんでした。その結果、明治初期の新政府が目を付けたのが酒造業で、明治8年(1875年)に酒造株が廃止され今までよりも安い免許料を納めるだけで自由に醸造できるようになりました。(写真は国税局より引用 酒蔵免許証)
 当時最大の産業であった酒造業に進出する資本家が各地に出てきました。(この頃、全国に造り酒屋は約3万軒あったと言われている。)

東京駅警備巡査派出所

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 明治32年には、地租(現在の所得税)を抜いて国税収入のトップとなり、その後も明治42年(1909年)~大正6年(1917年)の間、国税収入中トップの座にありました。

醸造試験所

 明治初期の産業比率で有業人口の約80%が第1次産業従事者、大正14年(1925年)には、第1次産業約49%、第2次産業約23%、第3次産業約28%となり産業構造が大きく変化しました。(写真は東京 滝野川 醸造試験所)
 明治5年(1872年)の日本の人口は約3480万人、明治45年(1912年)に5000万人を突破し、昭和11年(6925万人)に増加しました。

オムライス

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 また、人口の増加と経済発展に伴って、都市化と都市の人口増加、市場の拡大、高等教育の充実によるサラリーマン層が形成され、本格的な百貨店や銀座や浅草などの盛り場が登場し、カフェやダンスホールができ、食では、エビフライやビフテキ、コロッケ、サラダ等の洋食が本格的に登場してきました。

陸蒸気12号

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 明治~大正期にかけて灘を中心に大手の酒蔵が財閥化し、酒造業で得た資金を新たな産業への投資を行った。
 辰馬本家(白鹿) 嘉納財閥(菊正宗) 山邑財閥(櫻正宗)等、特に辰馬財閥から商船三井、日本興亜損害保険等が誕生、小西酒造(白雪) 現在のJR福知山線を経営し堺の春駒の鳥居駒吉氏がアサヒビールと南海電鉄を創業
灘の澤之鶴はアサヒビールの創業に際し、出資を行いました
 辰馬財閥は、関西を中心に、銀行、電気、鉄道、海運、保険、紡績業などへの投資を株式の購入の形で積極的に行い日本の近代化に大きく貢献しています。

帝国ホテル 中央玄関

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 また、現在の灘高校は当時の嘉納財閥、山邑財閥、白嘉納と呼ばれた現在の白鶴酒造が出資して出来ました。

 今でこそ、日本酒業界に財閥と呼ばれる企業は存在しませんが、明治から昭和初期に掛けて、酒造会社は正に日本の基幹産業であり、日本の近代化に置いて大きな役割を果たしました。

 本日の紹介酒は、あの白嘉納と呼ばれた白鶴酒造から出ている、現在日本で最も売れている純米酒である、白鶴 米だけのまる 純米酒パックです。

日本酒テイスティングデータ

銘柄 白鶴 米だけのまる 純米酒パック (兵庫県 灘)

主体となる香り 原料香主体、淡いハーブの香り有

感じた香りの具体例 炊いた白米、生クリーム、マシュマロ、上白糖、すだち、甘夏、スペアミント、若草、瓜、クレソン、ミネラル、和梨

甘辛度 中程度

具体的に感じた味わい  スッキリ柔らかい飲み口、ややふくらみがあり繊細な旨味が主体、後味はさらりと消える、クレソン、スダチ、スペアミントを思わせる含み香

このお酒の特徴  スッキリ柔らかくふくらみのある味わいの醇爽酒

4タイプ分類  醇爽酒

飲用したい温度 20℃前後、45℃前後

温度設定のポイント  20℃前後にて、柔らかくスッキリした味わいを引き出す
45℃前後にてスッキリしつつふくらみのある味わいを引き出す

この日本酒に合わせてみたい食べ物  フィッシュ&チップス、塩鮭、鶏の香草焼、出し巻き玉子、赤福、マロングラッセ、茶わん蒸し、カンパチの造り、塩サバ、エビフライ、モンブランのケーキ等

お問い合わせは 酒蔵 http://www.hakutsuru.co.jp/
Quoraテイスティングブック https://jp.quora.com/q/vqteahszdbwtotmx
※日本酒4タイプ分類に関しては、SSI(日本酒サービス研究会)の分類方法を引用し、参考としています。
※写真は製造元酒蔵様のHPより引用しています。

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